stage24.58:それは淡く儚い…
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「イタタ……何故、俺が叩かれたんだ」
落ち着いたルルーシュに何故か叩かれたシンヤ。
「お前が不用意な発言をしたからだろ」
「俺は一つの可能性を指摘しただけで、勘違いしたのはルルーシュだろ」
シンヤはジト目で睨み、ルルーシュも睨み返す。
「まあ、ともかくスザクが胸を揉んだのは三人じゃないからいいじゃないか」
「もう話題を胸から変えない?」
「興味津々なのはリヴァルだけだろ。さっさと変えろ」
「なんだよぉ〜、お前達二人は淡泊過ぎなんだよ。なぁ、シンヤ」
「何故俺に同意を求める」
「お前がムッツリだからに決まってるだろ」
「はぁ?!」
「え! そうなの?」
「意外だな」
「違う!!」
リヴァルによりムッツリスケベ扱いされ、シンヤは強く否定する。
「隠さなくたっていいよ。僕等ぐらいの年になったらそれぐらい普通だよ」
「普通……なのか?」
「そうだよ。ルルーシュが堅物すぎるだけだよ」
「そんな事はないが?」
「ルルーシュはともかく俺は興味がないと言っているわけじゃなくて――いや、それ以前に別に俺はムッツリじゃないから!!」
ムッツリではなく割と淡泊なだけ、ルルーシュとスザクの淡泊さが異常なだけだと言うのが少年シンヤ・ハプスブルクの主張なようだ。
結局、年相応の好奇心がある男の子はリヴァルだけなのかも知れない。
「どっちでもいいだろ? 来たるべき時の為に知識を増やしておくのは悪くないじゃ~ん?」
「知識と妄想は違うだろ」
「発情期の猫じゃあるまいし、いい加減そう言う話題から離れろ」
「え~……」
リヴァルはムクれたが、他の三人がさほど乗り気じゃないので仕方なく思春期の妄想から離れた。
「て言うかさぁ」
「ん?」
「胸とか、ムッツリスケベはともかく……三人とも彼女作んないのか?」
「はぁ?」「え?」「ん?」
三人はリヴァルの言葉に怪訝な反応をした。
「高校二年生なんだからさぁ、誰か一人ぐらい彼女の一人や二人できると言うか、作るのが普通だろ?」
「お前も含めてな」
シンヤのツッコミはサラッと流されて話は進められる。
「僕は軍属だしイレブンだから恋人なんかは……」
「関係ないだろ。ここではブリタニアも、日本も」
「でも……」
「卑屈になるのは勝手だけど、その話の展開で行くとさぁ」
「?」
「俺、色々と否定されてるんですけど?」
ブリタニア人だ、日本人だ、いや、イレブンだ、差別云々を言い出せばシンヤ(信也)は恋人を作るとか以前に、両親の結婚やシンヤ自身の出生や存在自体が全否定されている。
「あっ! ゴメン」
「いえいえ、もう言われ慣れてますから」
わざとらしく名誉ブリタニア人に対して丁寧に答える信也。自分が謙虚なのは勝手だが、卑屈になって周りまで卑下するのはやめろと強く言いたいらしい。
「それでそのシンヤは誰かと付き合ったりしないの?」
「ブリタニア的にありえない存在である混血のわたくしめがですか?」
「しつこいな、引きずるな」
スザクに嫌味な返事したシンヤはルルーシュに注意された。
「わかってるよ。俺は恋人とか作る余裕もないし、何よりもなり手がいないさ」
「へぇ~……」
リヴァルの苛立ちは正当なモノだろうが、とりあえず彼は苛立ちは発露せずに心の中に留めたようだ。
「俺よりもルルーシュはどうなんだ? 恋人とか」
「ん? 俺は別に興味がないな」
「まさか……ルルーシュはこっち系か?」
グーと親指を立てるシンヤ。
「バカな事を言うな、そんな趣味はない。ただ単に誰かと付き合うとか、恋人を作るとか、そう言う事にあまり興味がないだけだ」
「勿体ないなぁ、折角モテるのに」
「ナナリーの事もあるからな。恋人なんか……」
シンヤは眉間シワを寄せ、「ん~……」と軽く呻きながら思案してから思った事をルルーシュに言う。
「実際にそうなんだとしても、ナナリーを言い訳にしない方がいいと思うけど」
「どう言う意味だ?」
「例え『ルルーシュ自身がナナリーの側にいる事を望んでそうしている』のだとしても、ナナリーからすれば『自分が心配をかけているからお兄様は年相応に恋もできない』と口には出さなくても気にするだろ?」
「それは!」
ルルーシュは強く否定しようとするが、シンヤは手で制する。
「ルルーシュが嫌々やってるとか、無理しているとか、そう言う風には思ってないだろうけど、やっぱりナナリーだって兄であるルルーシュに幸せになって貰いたいと考えていると思うなぁ」
「え? あ、それは……」
「僕もシンヤの意見に賛成だな。ナナリーは一緒にいたいと思いながらも、きっとそう考えていると思うよ?」
「そう……なのか?」
「うん」
スザクがシンヤの意見に賛成すると、ルルーシュが真剣に悩み始めた。そんなルルーシュの様子を見てシンヤが苦笑しながら付け足す。
「もっとも、恋人ができたらできたで、ナナリーがその恋人に嫉妬すると思うけどな『お兄様を盗られた!!』てな」
「はぁ!? ナナリーが嫉妬だと?」
「ルルーシュの方が際立ってるから目立たないけど、ナナリーはナナリーでお兄ちゃん大好きっ子だからね」
「何故そんな事がお前にわかる」
「何故って、俺はこれでもナナリーと同い年の妹がいる兄なんですけどぉ?」
「そうだったな」
「てっ! あれ? シンヤって妹がいたの? しかもナナリーと同い年の?」
驚くスザクに発言したシンヤだけでなくルルーシュも首を傾げる。
「あれ、スザクに言ってなかったっけ?」
「今初めて聞いたよ」
「そうだったっけ? 前に言ったような……まあ、いいや。ナナリーと同い年の妹が大阪の実家にいるんだ。名前は環奈(カンナ)」
「へぇ~、仲良いの?」
「う~ん、まあ、ボチボチ? 仲は良いかな」
今は同居していない事もあって年に一、二回しか会えないのでシンヤは断定は避けた様だ。
「カンナちゃんか~」
「ん?」
何故か初めて知ったスザクではなくリヴァルが名前をしみじみと呟くので、他の三人は首を傾げる。
「兄妹だから似てるのか?」
「どうかなぁ。まあ、目鼻立ちは似てるって言われるけど、パッと見は似てないんじゃないかな」
「へぇ~……」
顔立ちは二人とも母親似、つまりブリタニア寄りなのだが、髪や瞳は兄の信也(シンヤ)は日本人らしい特徴が、妹の環奈(カンナ)はブリタニア人らしい特徴が、それぞれ出た形である。
「シンヤに顔立ちが似てるなら凄く可愛いんだろうなぁ~」
リヴァルの言葉にシンヤが不穏にピクッと反応した。
「女装したシンヤは凄く美人だったからね」
「スザクもそう思うだろ? シンヤの妹ならきっと……」
「リヴァル、お前…」
「恐ッ!? なんだよ、そんな低い声だすなよ、恐いだろ」
シンヤの凄く低温で殺気の籠もった声音にリヴァルは震え上がる。
「いや、手を出したりしないからそんなに睨まないでくれよ」
「ならいい」
実はシンヤも結構シスコンなのではないか、と言う疑惑がリヴァルの中に芽生えた。
落ち着いたルルーシュに何故か叩かれたシンヤ。
「お前が不用意な発言をしたからだろ」
「俺は一つの可能性を指摘しただけで、勘違いしたのはルルーシュだろ」
シンヤはジト目で睨み、ルルーシュも睨み返す。
「まあ、ともかくスザクが胸を揉んだのは三人じゃないからいいじゃないか」
「もう話題を胸から変えない?」
「興味津々なのはリヴァルだけだろ。さっさと変えろ」
「なんだよぉ〜、お前達二人は淡泊過ぎなんだよ。なぁ、シンヤ」
「何故俺に同意を求める」
「お前がムッツリだからに決まってるだろ」
「はぁ?!」
「え! そうなの?」
「意外だな」
「違う!!」
リヴァルによりムッツリスケベ扱いされ、シンヤは強く否定する。
「隠さなくたっていいよ。僕等ぐらいの年になったらそれぐらい普通だよ」
「普通……なのか?」
「そうだよ。ルルーシュが堅物すぎるだけだよ」
「そんな事はないが?」
「ルルーシュはともかく俺は興味がないと言っているわけじゃなくて――いや、それ以前に別に俺はムッツリじゃないから!!」
ムッツリではなく割と淡泊なだけ、ルルーシュとスザクの淡泊さが異常なだけだと言うのが少年シンヤ・ハプスブルクの主張なようだ。
結局、年相応の好奇心がある男の子はリヴァルだけなのかも知れない。
「どっちでもいいだろ? 来たるべき時の為に知識を増やしておくのは悪くないじゃ~ん?」
「知識と妄想は違うだろ」
「発情期の猫じゃあるまいし、いい加減そう言う話題から離れろ」
「え~……」
リヴァルはムクれたが、他の三人がさほど乗り気じゃないので仕方なく思春期の妄想から離れた。
「て言うかさぁ」
「ん?」
「胸とか、ムッツリスケベはともかく……三人とも彼女作んないのか?」
「はぁ?」「え?」「ん?」
三人はリヴァルの言葉に怪訝な反応をした。
「高校二年生なんだからさぁ、誰か一人ぐらい彼女の一人や二人できると言うか、作るのが普通だろ?」
「お前も含めてな」
シンヤのツッコミはサラッと流されて話は進められる。
「僕は軍属だしイレブンだから恋人なんかは……」
「関係ないだろ。ここではブリタニアも、日本も」
「でも……」
「卑屈になるのは勝手だけど、その話の展開で行くとさぁ」
「?」
「俺、色々と否定されてるんですけど?」
ブリタニア人だ、日本人だ、いや、イレブンだ、差別云々を言い出せばシンヤ(信也)は恋人を作るとか以前に、両親の結婚やシンヤ自身の出生や存在自体が全否定されている。
「あっ! ゴメン」
「いえいえ、もう言われ慣れてますから」
わざとらしく名誉ブリタニア人に対して丁寧に答える信也。自分が謙虚なのは勝手だが、卑屈になって周りまで卑下するのはやめろと強く言いたいらしい。
「それでそのシンヤは誰かと付き合ったりしないの?」
「ブリタニア的にありえない存在である混血のわたくしめがですか?」
「しつこいな、引きずるな」
スザクに嫌味な返事したシンヤはルルーシュに注意された。
「わかってるよ。俺は恋人とか作る余裕もないし、何よりもなり手がいないさ」
「へぇ~……」
リヴァルの苛立ちは正当なモノだろうが、とりあえず彼は苛立ちは発露せずに心の中に留めたようだ。
「俺よりもルルーシュはどうなんだ? 恋人とか」
「ん? 俺は別に興味がないな」
「まさか……ルルーシュはこっち系か?」
グーと親指を立てるシンヤ。
「バカな事を言うな、そんな趣味はない。ただ単に誰かと付き合うとか、恋人を作るとか、そう言う事にあまり興味がないだけだ」
「勿体ないなぁ、折角モテるのに」
「ナナリーの事もあるからな。恋人なんか……」
シンヤは眉間シワを寄せ、「ん~……」と軽く呻きながら思案してから思った事をルルーシュに言う。
「実際にそうなんだとしても、ナナリーを言い訳にしない方がいいと思うけど」
「どう言う意味だ?」
「例え『ルルーシュ自身がナナリーの側にいる事を望んでそうしている』のだとしても、ナナリーからすれば『自分が心配をかけているからお兄様は年相応に恋もできない』と口には出さなくても気にするだろ?」
「それは!」
ルルーシュは強く否定しようとするが、シンヤは手で制する。
「ルルーシュが嫌々やってるとか、無理しているとか、そう言う風には思ってないだろうけど、やっぱりナナリーだって兄であるルルーシュに幸せになって貰いたいと考えていると思うなぁ」
「え? あ、それは……」
「僕もシンヤの意見に賛成だな。ナナリーは一緒にいたいと思いながらも、きっとそう考えていると思うよ?」
「そう……なのか?」
「うん」
スザクがシンヤの意見に賛成すると、ルルーシュが真剣に悩み始めた。そんなルルーシュの様子を見てシンヤが苦笑しながら付け足す。
「もっとも、恋人ができたらできたで、ナナリーがその恋人に嫉妬すると思うけどな『お兄様を盗られた!!』てな」
「はぁ!? ナナリーが嫉妬だと?」
「ルルーシュの方が際立ってるから目立たないけど、ナナリーはナナリーでお兄ちゃん大好きっ子だからね」
「何故そんな事がお前にわかる」
「何故って、俺はこれでもナナリーと同い年の妹がいる兄なんですけどぉ?」
「そうだったな」
「てっ! あれ? シンヤって妹がいたの? しかもナナリーと同い年の?」
驚くスザクに発言したシンヤだけでなくルルーシュも首を傾げる。
「あれ、スザクに言ってなかったっけ?」
「今初めて聞いたよ」
「そうだったっけ? 前に言ったような……まあ、いいや。ナナリーと同い年の妹が大阪の実家にいるんだ。名前は環奈(カンナ)」
「へぇ~、仲良いの?」
「う~ん、まあ、ボチボチ? 仲は良いかな」
今は同居していない事もあって年に一、二回しか会えないのでシンヤは断定は避けた様だ。
「カンナちゃんか~」
「ん?」
何故か初めて知ったスザクではなくリヴァルが名前をしみじみと呟くので、他の三人は首を傾げる。
「兄妹だから似てるのか?」
「どうかなぁ。まあ、目鼻立ちは似てるって言われるけど、パッと見は似てないんじゃないかな」
「へぇ~……」
顔立ちは二人とも母親似、つまりブリタニア寄りなのだが、髪や瞳は兄の信也(シンヤ)は日本人らしい特徴が、妹の環奈(カンナ)はブリタニア人らしい特徴が、それぞれ出た形である。
「シンヤに顔立ちが似てるなら凄く可愛いんだろうなぁ~」
リヴァルの言葉にシンヤが不穏にピクッと反応した。
「女装したシンヤは凄く美人だったからね」
「スザクもそう思うだろ? シンヤの妹ならきっと……」
「リヴァル、お前…」
「恐ッ!? なんだよ、そんな低い声だすなよ、恐いだろ」
シンヤの凄く低温で殺気の籠もった声音にリヴァルは震え上がる。
「いや、手を出したりしないからそんなに睨まないでくれよ」
「ならいい」
実はシンヤも結構シスコンなのではないか、と言う疑惑がリヴァルの中に芽生えた。