scene01:血の味
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「藤堂将軍、主力部隊は繰り引きで租界外まで後退させます。まずは将軍が率いる主力部隊は敵部隊を抑え、その後ゆっくりと後退してください」
『わかった』
ともかく突撃してきているギルフォード率いる敵軍の足を止めない事にはどうにもならない。まずは藤堂達に踏ん張ってもらうしかない。ここで踏ん張りが効かない程崩れているのならば退却などどう考えても不可能で話にならない。
「それから将軍は戦闘と主戦場の部隊指揮にのみ集中してください。全体状況の把握や采配は本陣が引き受けます」
『そうか、助かる』
「朝比奈隊長率いる壱番隊は主力部隊から別れて後退、指定されたポイントで迎撃体勢を整えろ。敵軍が射程内に入ったら撃ちまくり、主力部隊の後退を援護」
『承知』
「その次の陣は千葉さんの部隊でお願いします」
『承知した』
「細かい指示は前線の藤堂将軍へ一任します」
『わかった』
一部隊を先にある程度退かせて迎撃体勢で迎え撃ち退却してくる味方を援護、その後時間稼ぎをしてから後退、それを次の迎撃準備をした部隊が援護、その後時間を稼ぎをしてから退却し――。と言う流れを繰り返し徐々に後退する。現状ではそれしか選べる戦術がない。
「左側面から民兵を突破した部隊が攻撃を仕掛けようとしている。此方へは仙波隊長率いる二番隊で迎撃し対応、ポイントCー3で上方より奇襲で砲撃をあびせ撃破。その後はCー5まで後退し建物を利用しつつ迎撃」
『引き受けた』
主戦場の主力部隊が側面から攻撃を受ければ崩れるしかない。戦力を割くのはかなり痛いがやむを得ない。
「第三特総隊はポイントF-5に陣を構築!」
『承知』
民兵や練度が低いレジスタンスを主戦場に戦力として頼るのは危険だ。後方で補助や援護をさせた方がよい。
「ディートハルトはこの本陣まで後退しろ!」
『承知しました。学園地区は如何いたしましょうか』
「南と第一特務隊に任せろ」
『わかりました』
戦況が膠着状態となっているアッシュフォード学園に戦力を置いておく必要性はほとんどない。それに――、
「ラクシャータ」
『なぁに?』
「此方から伝える通信コードでブリタニア側に『租界に吹き飛ばされては此方も困る。ついては必要最低限の戦力を残して学園地区より退却させるから自爆女をどうにかしろ』と通達してくれ。その後はお前達も此方に合流だ」
『りょうかぁい』
黒の騎士団の戦力を残しておいたらニーナの自爆を誘発しかねない。下手な事をしたら危険なので自爆騒動はロイド達へ丸投げした。
「南が率いる第一特務隊はその場に留まり睨み合っていろ。玉城率いる第二特務隊で負傷した扇副司令を護衛しつつポイントF-5まで一旦後退しろ。それから学園地区の旧指令部にいた他の部隊と後退し、租界外縁部のポイントZ-19に陣を構築しろ!」
『おい、真田いいのか? ここの戦力を削って』
「学園地区の敵戦力はアヴァロンとテスト機が一機のみしかない。アヴァロンには学生が乗っているから無茶はできない上に、爆弾を放置しては動けない!」
『しかし……』
「たかが研究者風情のテストパイロットだ。もし万が一ノコノコとこちらに出てくれば私自らヴァリスで撃ち落とす!!」
信頼関係がないので命令に一々細かく説明しなければならない事にイラ立つが、どうにか我慢した。命令の口調が怒声混じりだが……
扇を欠いている時、代わりのディートハルトが司令部から指揮を執るまでの短い間にG―1の信也と司令部の南で暫定的ながら連携して穴埋めをするべきだったにも関わらず、二人は完全に連係を欠いていた事が微妙に響いている。
主戦場と学園地区に指示を出すと次はメディア地区に指示を出す。
「三番隊の残存部隊並びにメディア地区に残っているの戦闘員は全て杉山の指揮下に入れ、他はポイントF-5の第二特務隊と合流後、同陣での迎撃準備に協力しろ!」
此方の方面は戦力が全然足りない。その上、ディートハルトは異動、影崎と井上は戦死、残っている幹部は杉山だけ。どう考えても委任などできない。
「合流後に部隊の再編し、その後は此方の指示に従ってもらう」
『わかった』
此方側から敵軍が回り込まれても主力部隊の右翼がむき出しになってしまう。どうにか時間稼ぎだけでもしなければならない。
「補給部隊は確保したエナジーフィラーだけでなく、弾薬をポイント《F-5》《Z-19》の両陣へ早急に輸送せよ!」
『承知しました』
このまま無茶な戦闘を継続させながら後退させれば主力部隊の物資が尽きてしまう。その為の対策である。もっとも乗っている人間を休憩や交代する事はできないのだがこればかりは現状ではどうにもならない。
「内藤隊、敵部隊を撃破」
「卜部率いる別働隊が本陣へ合流」
「よし、卜部隊は本陣の左翼へ、内藤隊は右翼へ、それぞれ布陣させろ。陣形は方円の陣だ!」
「承知しました」
後詰めの部隊だが今となっては主力部隊が租界外へ退く為の退路確保部隊兼本陣となっている。何としても此処を堅守せねばならない。できれば租界内(特にメディア地区)へ援軍を送りたいのだが先程から散発的とは言え本陣も攻撃を受けているので不可能だ。
「…………」
左腕を見て愚痴を言いそうになったが我慢した。怪我をしていなければ指揮を執りながら本陣の守備ぐらい自分でし、内藤と卜部に半数を率いて援軍として派遣できるのだが……それは今は無い物ねだりである。
「この本陣に頼んだ物資は集まっているか?」
「迎撃と本陣機能を此方に移した関係で人手が足りず」
「そうか」
申し訳なさそうに伝えられた事実にため息がこぼれそうになるが仕方が無い。元々は後詰め部隊、本陣にするには人手が足りない。参謀は信也しかおらず作戦の立案だけでなく実行や指示采配も全て彼一人でしなければならない。また、オペレーターの人数はギリギリ、技術関係者もいなければ雑務を任せられる様な隊長クラスの指揮官もいない。結果、現在は参謀役の信也があれもこれも全て指図している状態である。
(せめて雑用を頼める人間と情報参謀がいれば……)
その為にディートハルトを本陣に召集したのだが、来るのにまだ時間がかかりそうだ。
『わかった』
ともかく突撃してきているギルフォード率いる敵軍の足を止めない事にはどうにもならない。まずは藤堂達に踏ん張ってもらうしかない。ここで踏ん張りが効かない程崩れているのならば退却などどう考えても不可能で話にならない。
「それから将軍は戦闘と主戦場の部隊指揮にのみ集中してください。全体状況の把握や采配は本陣が引き受けます」
『そうか、助かる』
「朝比奈隊長率いる壱番隊は主力部隊から別れて後退、指定されたポイントで迎撃体勢を整えろ。敵軍が射程内に入ったら撃ちまくり、主力部隊の後退を援護」
『承知』
「その次の陣は千葉さんの部隊でお願いします」
『承知した』
「細かい指示は前線の藤堂将軍へ一任します」
『わかった』
一部隊を先にある程度退かせて迎撃体勢で迎え撃ち退却してくる味方を援護、その後時間稼ぎをしてから後退、それを次の迎撃準備をした部隊が援護、その後時間を稼ぎをしてから退却し――。と言う流れを繰り返し徐々に後退する。現状ではそれしか選べる戦術がない。
「左側面から民兵を突破した部隊が攻撃を仕掛けようとしている。此方へは仙波隊長率いる二番隊で迎撃し対応、ポイントCー3で上方より奇襲で砲撃をあびせ撃破。その後はCー5まで後退し建物を利用しつつ迎撃」
『引き受けた』
主戦場の主力部隊が側面から攻撃を受ければ崩れるしかない。戦力を割くのはかなり痛いがやむを得ない。
「第三特総隊はポイントF-5に陣を構築!」
『承知』
民兵や練度が低いレジスタンスを主戦場に戦力として頼るのは危険だ。後方で補助や援護をさせた方がよい。
「ディートハルトはこの本陣まで後退しろ!」
『承知しました。学園地区は如何いたしましょうか』
「南と第一特務隊に任せろ」
『わかりました』
戦況が膠着状態となっているアッシュフォード学園に戦力を置いておく必要性はほとんどない。それに――、
「ラクシャータ」
『なぁに?』
「此方から伝える通信コードでブリタニア側に『租界に吹き飛ばされては此方も困る。ついては必要最低限の戦力を残して学園地区より退却させるから自爆女をどうにかしろ』と通達してくれ。その後はお前達も此方に合流だ」
『りょうかぁい』
黒の騎士団の戦力を残しておいたらニーナの自爆を誘発しかねない。下手な事をしたら危険なので自爆騒動はロイド達へ丸投げした。
「南が率いる第一特務隊はその場に留まり睨み合っていろ。玉城率いる第二特務隊で負傷した扇副司令を護衛しつつポイントF-5まで一旦後退しろ。それから学園地区の旧指令部にいた他の部隊と後退し、租界外縁部のポイントZ-19に陣を構築しろ!」
『おい、真田いいのか? ここの戦力を削って』
「学園地区の敵戦力はアヴァロンとテスト機が一機のみしかない。アヴァロンには学生が乗っているから無茶はできない上に、爆弾を放置しては動けない!」
『しかし……』
「たかが研究者風情のテストパイロットだ。もし万が一ノコノコとこちらに出てくれば私自らヴァリスで撃ち落とす!!」
信頼関係がないので命令に一々細かく説明しなければならない事にイラ立つが、どうにか我慢した。命令の口調が怒声混じりだが……
扇を欠いている時、代わりのディートハルトが司令部から指揮を執るまでの短い間にG―1の信也と司令部の南で暫定的ながら連携して穴埋めをするべきだったにも関わらず、二人は完全に連係を欠いていた事が微妙に響いている。
主戦場と学園地区に指示を出すと次はメディア地区に指示を出す。
「三番隊の残存部隊並びにメディア地区に残っているの戦闘員は全て杉山の指揮下に入れ、他はポイントF-5の第二特務隊と合流後、同陣での迎撃準備に協力しろ!」
此方の方面は戦力が全然足りない。その上、ディートハルトは異動、影崎と井上は戦死、残っている幹部は杉山だけ。どう考えても委任などできない。
「合流後に部隊の再編し、その後は此方の指示に従ってもらう」
『わかった』
此方側から敵軍が回り込まれても主力部隊の右翼がむき出しになってしまう。どうにか時間稼ぎだけでもしなければならない。
「補給部隊は確保したエナジーフィラーだけでなく、弾薬をポイント《F-5》《Z-19》の両陣へ早急に輸送せよ!」
『承知しました』
このまま無茶な戦闘を継続させながら後退させれば主力部隊の物資が尽きてしまう。その為の対策である。もっとも乗っている人間を休憩や交代する事はできないのだがこればかりは現状ではどうにもならない。
「内藤隊、敵部隊を撃破」
「卜部率いる別働隊が本陣へ合流」
「よし、卜部隊は本陣の左翼へ、内藤隊は右翼へ、それぞれ布陣させろ。陣形は方円の陣だ!」
「承知しました」
後詰めの部隊だが今となっては主力部隊が租界外へ退く為の退路確保部隊兼本陣となっている。何としても此処を堅守せねばならない。できれば租界内(特にメディア地区)へ援軍を送りたいのだが先程から散発的とは言え本陣も攻撃を受けているので不可能だ。
「…………」
左腕を見て愚痴を言いそうになったが我慢した。怪我をしていなければ指揮を執りながら本陣の守備ぐらい自分でし、内藤と卜部に半数を率いて援軍として派遣できるのだが……それは今は無い物ねだりである。
「この本陣に頼んだ物資は集まっているか?」
「迎撃と本陣機能を此方に移した関係で人手が足りず」
「そうか」
申し訳なさそうに伝えられた事実にため息がこぼれそうになるが仕方が無い。元々は後詰め部隊、本陣にするには人手が足りない。参謀は信也しかおらず作戦の立案だけでなく実行や指示采配も全て彼一人でしなければならない。また、オペレーターの人数はギリギリ、技術関係者もいなければ雑務を任せられる様な隊長クラスの指揮官もいない。結果、現在は参謀役の信也があれもこれも全て指図している状態である。
(せめて雑用を頼める人間と情報参謀がいれば……)
その為にディートハルトを本陣に召集したのだが、来るのにまだ時間がかかりそうだ。