scene02:総司令代行
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東京での反乱軍の敗戦は瞬く間に世界中へと伝えられた。当然ながら富士にいるキョウト六家の面々にもその報せが、『信也からの租界攻略の失敗と黒の騎士団の敗報』と『ブリタニアから勝利宣言と降伏勧告』と言う形で伝えられた。
「どうするのだ、桐原!!」
「ブリタニアが降伏勧告をしてきたぞ!!」
「ゼロめ!! なんたる様だ!!」
「少し落ち着け」
公方院、宗像、刑部の三人は意味もなく桐原を怒鳴り付けるが、桐原は瞑目して落ち着いて単座している。
「これが落ち着いてなどいられるか!!」
「このままでは我等まで危うい!!」
「どう責任を取るつもりだ!」
「責任?」
取り乱して我が身を案ずる三人の言葉に、桐原は片眉を上げてから目を開いた。
「そうだ!」
「ゼロに加担すると決めたのは貴様と神楽耶ではないか!!」
「その結果がこの様ではないか!!」
「貴様等の責任でなかったらなんだと言うのだ!!」
「だからあんな怪しげな仮面の男、信用ならんと言ったのだ!!」
「ゼロは処刑され、藤堂達は俘虜となるとは……」
「全てはあのゼロの責任であろう」
三人は何か最もらしい事を言いたいのだろうが、取り乱していて最もらしくなっていない。とりあえず本題と言うか目的は誰かのせいにしたいだけなのだろう。
「どうするのだ、桐原公!!」
「わかった。責任は儂と皇で取ろう」
「「「!?」」」
その瞬間、三人の表情が打算的に動いた。桐原の瞳に凍てつく様な冷たい色が浮かんだが、何も言わず淡々と話を始めた。
「御主達はゼロと手を組んだ儂に脅されて仕方無く加担した事にすればよい」
「脅されて?」
「さよう。口裏を合わせた上で、証拠を消しておけばよかろう」
「新たに設けようとした日本軍はどうする?」
「御主達は役職に就いておらなんだ。あれは皇神楽耶が独断で行った事で詳細はわからないと言えばよかろう。勿論、此方の証拠をできる限り消してな」
「た、確かに今は首謀者の神楽耶と真田の二人はおらぬな」
裏返った声で公方院が納得すると、刑部と宗像の二人は頷いた。
「何れにせよ、秘め事は言わぬ方がよかろうて。言えば言う程、己が首を絞める事となる」
「「「………………」」」
「時間がない。証拠を少しでも隠滅するならば急ぐのじゃ」
桐原の言葉を受けて三人は脱兎の如く走り去った。
桐原以外の人間がいなくなると物陰から矢沢があらわれた。
「何とも嘆かわしい、あれがキョウト六家の重鎮達がする事ですか」
「人間は追い詰められた時に本性をあらわすものだな」
「御前は命乞いをすればブリタニアが彼奴を助けると本気でお考えですか?」
「…………。いずれにせよ、証拠隠滅できよう。これでブリタニアの追跡が及ぶ範囲や被害も軽減できよう」
桐原は矢沢の言葉を流す事で言葉にするよりも明確に答え、何事もなかった様に話を進めた。
「さて、御主にはやって貰わなければならぬ事がある」
「証拠の隠滅と脱出の手配なら既に出来ておりますが」
「違う」
「他になにか?」
「儂が死んだ後の準備を手配してもらいたい」
「なっ!?」
矢沢の顔から血の気が引くが、桐原は特に動じる様子も見せずに窓の映像を切り替えて富士を見下ろす。
「人にはそれぞれ責任の取り方があろう。儂にも、信也にも、な。故に――」
「どうするのだ、桐原!!」
「ブリタニアが降伏勧告をしてきたぞ!!」
「ゼロめ!! なんたる様だ!!」
「少し落ち着け」
公方院、宗像、刑部の三人は意味もなく桐原を怒鳴り付けるが、桐原は瞑目して落ち着いて単座している。
「これが落ち着いてなどいられるか!!」
「このままでは我等まで危うい!!」
「どう責任を取るつもりだ!」
「責任?」
取り乱して我が身を案ずる三人の言葉に、桐原は片眉を上げてから目を開いた。
「そうだ!」
「ゼロに加担すると決めたのは貴様と神楽耶ではないか!!」
「その結果がこの様ではないか!!」
「貴様等の責任でなかったらなんだと言うのだ!!」
「だからあんな怪しげな仮面の男、信用ならんと言ったのだ!!」
「ゼロは処刑され、藤堂達は俘虜となるとは……」
「全てはあのゼロの責任であろう」
三人は何か最もらしい事を言いたいのだろうが、取り乱していて最もらしくなっていない。とりあえず本題と言うか目的は誰かのせいにしたいだけなのだろう。
「どうするのだ、桐原公!!」
「わかった。責任は儂と皇で取ろう」
「「「!?」」」
その瞬間、三人の表情が打算的に動いた。桐原の瞳に凍てつく様な冷たい色が浮かんだが、何も言わず淡々と話を始めた。
「御主達はゼロと手を組んだ儂に脅されて仕方無く加担した事にすればよい」
「脅されて?」
「さよう。口裏を合わせた上で、証拠を消しておけばよかろう」
「新たに設けようとした日本軍はどうする?」
「御主達は役職に就いておらなんだ。あれは皇神楽耶が独断で行った事で詳細はわからないと言えばよかろう。勿論、此方の証拠をできる限り消してな」
「た、確かに今は首謀者の神楽耶と真田の二人はおらぬな」
裏返った声で公方院が納得すると、刑部と宗像の二人は頷いた。
「何れにせよ、秘め事は言わぬ方がよかろうて。言えば言う程、己が首を絞める事となる」
「「「………………」」」
「時間がない。証拠を少しでも隠滅するならば急ぐのじゃ」
桐原の言葉を受けて三人は脱兎の如く走り去った。
桐原以外の人間がいなくなると物陰から矢沢があらわれた。
「何とも嘆かわしい、あれがキョウト六家の重鎮達がする事ですか」
「人間は追い詰められた時に本性をあらわすものだな」
「御前は命乞いをすればブリタニアが彼奴を助けると本気でお考えですか?」
「…………。いずれにせよ、証拠隠滅できよう。これでブリタニアの追跡が及ぶ範囲や被害も軽減できよう」
桐原は矢沢の言葉を流す事で言葉にするよりも明確に答え、何事もなかった様に話を進めた。
「さて、御主にはやって貰わなければならぬ事がある」
「証拠の隠滅と脱出の手配なら既に出来ておりますが」
「違う」
「他になにか?」
「儂が死んだ後の準備を手配してもらいたい」
「なっ!?」
矢沢の顔から血の気が引くが、桐原は特に動じる様子も見せずに窓の映像を切り替えて富士を見下ろす。
「人にはそれぞれ責任の取り方があろう。儂にも、信也にも、な。故に――」