scene01:血の味
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「ランスロットが政庁より飛び立ちました」
「そうか」
信也の読みは残念な事に適中し、ランスロットが政庁から飛び立つ姿が遠望からも確認できた。
「迎撃の準備は整ったな」
「はっ」
散々怒鳴り付けて無理矢理やらせた甲斐があって、準備はどうにか間に合った。
(さてさて、俺の予想の中でも一番最悪な予測が現実となりつつあるわけだが……)
現状で用意できる最善な対策を施しているが、相手はあの枢木スザクとランスロット。物足りなさを感じずにはいられない。
「ランスロットは真田総裁の予想通りのポイントへ向かっています」
「…………」
スザクのランスロットが目指したのは前線の藤堂でも、本陣のG-1でもなく、信也が予想したポイントZ-19であった。
彼の狙い……と言うよりも彼が命じられたのは前線の藤堂率いる主力部隊と本陣の分断並びに主力部隊の退路寸断である。
つまりランスロットを止めないと主力部隊は孤立し、全滅と降伏の二択を選ばざる得なくなる。
「チャフスモーク展開!!」
信也の号令と共に狙われたポイントZ-19全体を煙幕で包む。まずはスザクの視覚情報を奪う。次いで、
「行動パターンBで位置情報を基に断続射撃! 20秒後にパターンCに移行し、更に20秒後にパターンAへ移行! その動きを断続的に繰り返せ!!」
煙幕内で決められたパターンで動きながら断続的な射撃を繰り返す。これで視覚を奪われる以前の情報と記憶の価値を奪った。
(これでスザクが選べる選択肢は限られる。そして――)
ルルーシュからコピーを貰っておいた一枚のディスクに一瞬だけ視線を送る。
(アイツの戦闘パターンから選ぶであろう選択肢と行動予測は――)
ランスロットはブレイズルミナスを展開しながら一瞬だが動きが止まり、その後に空中を移動した。
「今だ!! 超電磁式榴散弾重砲、撃てぇーー!!」
信也は号令と共に右腕を振り下ろすと、ランスロットからかなり離れた距離にある本陣から無頼三機で担いだ超電磁式榴散弾重砲がランスロット目掛けて発射された。
到達までに時間差があった。
大まかであろうが無頼達の動きと位置を予測したであろうスザクのランスロットがヴァリスを煙幕内へ向けた所に散弾が到達した。
眼下の無頼に気を取られていたが、そこは枢木スザクとランスロットすぐに反応し、咄嗟にブレイズルミナスを再度展開して機体への深刻なダメージは防いだ。だが、ヴァリスとフロートシステムのウイングを守る事ができなかった。ランスロットは羽根を喪い地へと墜ちる。直撃して一撃で仕留めるなど最初から期待しておらず、ランスロットの予想位置にばら蒔き一定のダメージを与える事が狙いなので計算通りである。
信也は右手のみのタイピングで急ぎ座標を入力して送信する。
「隼人!」
『承知!!』
自分の代わりにカスタムサザーランドに乗せた内藤に命じて、指定した座標にヴァリスを連射させた。
(よし! これなら!!)
信也は拳を強く握り締めながら放たれたヴァリスの到達点を見据える。
フロートを失い少しバランスを崩しながら着陸を試みるランスロットへ向かって、ヴァリスから放たれた弾が吸い込まれる様に飛んでいった。
初弾が着弾してランスロットの左腕を破壊し、次弾が左足のランドスピナーを破壊した。
(…………)
三弾目は左肩を掠めてランスロットの後方に着弾し、四弾目で漸く正面から捉える事ができたが、スザクの操るランスロットは既に体勢を立て直しており、ブレイズルミナスで防がれた。完全に期を逃した。
「クソッ!!」
内藤は指定されたポイントに寸分違わず銃撃している。だが、遠距離からの精密射撃となると最終的な微調節は実際に射撃を行う人間の裁量次第となり、数字の上では全く同じでも着弾先が異なる事も当然である。自分なら初弾で討ち取る事ができる自信があったのと、スザクを討ち取れなかった悔しさから思わず戦略パネルを殴りつけた。
枢木スザクを討ち取る期を逃した。
「そうか」
信也の読みは残念な事に適中し、ランスロットが政庁から飛び立つ姿が遠望からも確認できた。
「迎撃の準備は整ったな」
「はっ」
散々怒鳴り付けて無理矢理やらせた甲斐があって、準備はどうにか間に合った。
(さてさて、俺の予想の中でも一番最悪な予測が現実となりつつあるわけだが……)
現状で用意できる最善な対策を施しているが、相手はあの枢木スザクとランスロット。物足りなさを感じずにはいられない。
「ランスロットは真田総裁の予想通りのポイントへ向かっています」
「…………」
スザクのランスロットが目指したのは前線の藤堂でも、本陣のG-1でもなく、信也が予想したポイントZ-19であった。
彼の狙い……と言うよりも彼が命じられたのは前線の藤堂率いる主力部隊と本陣の分断並びに主力部隊の退路寸断である。
つまりランスロットを止めないと主力部隊は孤立し、全滅と降伏の二択を選ばざる得なくなる。
「チャフスモーク展開!!」
信也の号令と共に狙われたポイントZ-19全体を煙幕で包む。まずはスザクの視覚情報を奪う。次いで、
「行動パターンBで位置情報を基に断続射撃! 20秒後にパターンCに移行し、更に20秒後にパターンAへ移行! その動きを断続的に繰り返せ!!」
煙幕内で決められたパターンで動きながら断続的な射撃を繰り返す。これで視覚を奪われる以前の情報と記憶の価値を奪った。
(これでスザクが選べる選択肢は限られる。そして――)
ルルーシュからコピーを貰っておいた一枚のディスクに一瞬だけ視線を送る。
(アイツの戦闘パターンから選ぶであろう選択肢と行動予測は――)
ランスロットはブレイズルミナスを展開しながら一瞬だが動きが止まり、その後に空中を移動した。
「今だ!! 超電磁式榴散弾重砲、撃てぇーー!!」
信也は号令と共に右腕を振り下ろすと、ランスロットからかなり離れた距離にある本陣から無頼三機で担いだ超電磁式榴散弾重砲がランスロット目掛けて発射された。
到達までに時間差があった。
大まかであろうが無頼達の動きと位置を予測したであろうスザクのランスロットがヴァリスを煙幕内へ向けた所に散弾が到達した。
眼下の無頼に気を取られていたが、そこは枢木スザクとランスロットすぐに反応し、咄嗟にブレイズルミナスを再度展開して機体への深刻なダメージは防いだ。だが、ヴァリスとフロートシステムのウイングを守る事ができなかった。ランスロットは羽根を喪い地へと墜ちる。直撃して一撃で仕留めるなど最初から期待しておらず、ランスロットの予想位置にばら蒔き一定のダメージを与える事が狙いなので計算通りである。
信也は右手のみのタイピングで急ぎ座標を入力して送信する。
「隼人!」
『承知!!』
自分の代わりにカスタムサザーランドに乗せた内藤に命じて、指定した座標にヴァリスを連射させた。
(よし! これなら!!)
信也は拳を強く握り締めながら放たれたヴァリスの到達点を見据える。
フロートを失い少しバランスを崩しながら着陸を試みるランスロットへ向かって、ヴァリスから放たれた弾が吸い込まれる様に飛んでいった。
初弾が着弾してランスロットの左腕を破壊し、次弾が左足のランドスピナーを破壊した。
(…………)
三弾目は左肩を掠めてランスロットの後方に着弾し、四弾目で漸く正面から捉える事ができたが、スザクの操るランスロットは既に体勢を立て直しており、ブレイズルミナスで防がれた。完全に期を逃した。
「クソッ!!」
内藤は指定されたポイントに寸分違わず銃撃している。だが、遠距離からの精密射撃となると最終的な微調節は実際に射撃を行う人間の裁量次第となり、数字の上では全く同じでも着弾先が異なる事も当然である。自分なら初弾で討ち取る事ができる自信があったのと、スザクを討ち取れなかった悔しさから思わず戦略パネルを殴りつけた。
枢木スザクを討ち取る期を逃した。