scene01:血の味
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そんな状態の反乱軍へ最後のだめ押しの強烈な一手が忍び寄っていた。
『本陣!!』
「どうした!」
『ランスロットが政庁に帰還したようです』
「スザクが!?」
それは非常にマズイ、戦術的にも、戦略的にも……。スザクのランスロットが戦線に復帰するならば必ず抑えなければならない。
ランスロットはカレンの紅蓮で押さえるか、藤堂、四聖剣、信也等で複数戦に持ち込むかのどちらかが基本対策だが、藤堂と四聖剣のうち朝比奈、千葉、仙波の三人は前線で戦闘中、卜部は新たに本隊となったG1ベースの周りで部隊の再編中だ。では他の連中はとなるが、信也は負傷してナイトメアに乗れない。そして、カレンは……
「カレンからの連絡は?」
「依然途絶えたままです」
信也が一瞬顔を歪めるが、指揮官が動揺するわけにもいかないので、何事もなかったように振る舞いつつ(ニーナのせいで一度取り乱しているがここではなかった事にした)対策を考える。
(どうする? こんな状態でランスロットが出て来たら戦線が崩壊する。 どうやって押さえる? 相手はフロートユニットを装備しているので捕捉して罠にハメるのは難しい。その上、ゲフィオンディスターバーを設置する時間が無い。では戦闘でどうにかして押さえるしかないが……それができる戦力がない。
(では俺が出るか? 指揮官が指揮を放棄するのか? しかも左腕が動かない俺が戦力になるはずかない)
抑、それができるなら問題になっていない。
(では隼人と卜部を出すか? 本陣と言うだけでなく退路確保の役目もある本陣から戦力を割くのか? ありえない)
そんな事をして本陣を突かれたら反乱軍は退路を失い全滅である。
(……完全に詰んだな)
指揮官として絶対に言葉にしてはいけないが、彼の頭脳は最悪の結論を弾き出した。
「カレンがいないなら仕方がない。此方で対応は考えるか」
そんな結論を導き出した事を、毛ほども表情には出さずに笑みを浮かべながらそう言った。ハリボテの虚勢であるが仕方がない。
(やはり藤堂逹をさっさと下がらせるしかないか。とは言えスザクの動きを封じる対策も考えないといけないし……)
やはり藤堂達主力部隊をなるべく早く後退させ、速やかに戦場から離脱するしかないようだ。
今は藤堂の神懸かりな采配で、見事に繰り引きで退却しているが、これ以上急かせば退却に無理が生じて戦線が崩れる可能性が高い。現状ではこれ以上速やかな退却は不可能だが全滅するよりはマシなので少々無理をして貰う他ないだろう。スザクが出てくれば戦線は崩壊するのだから。
「本陣に今ある戦力と兵器を報告しろ」
「承知しました。現在、本陣にある戦力は月下が二機、無頼が8機、砲台のみの雷光、歩兵は――――」
ファイナーから今ある戦力の報告を聞きながら戦略パネルを睨み付ける。
「――――以上です」
「そうか」
そう短く返事をすると信也は目を瞑り頭の中で状況を整理して戦略と戦術両面を考慮しつつ対策を思案する。
今手元にある戦力、動かせる戦力、目先への対応だけでなく戦局全体への影響等々、様々な条件や可能性を考慮し、最善の選択肢を探す。
無言で瞑目するようにして瞳を閉じていたが、二分程で瞳を開き戦略パネルを睨み付ける。
(賭けではあるが、試す価値は十分あるな)
勝算が無くはないが確実とは言えない。だが現在動かせる戦力での最善の手が浮かんだ。
「では今から言う物を準備しろ」
「畏まりました。して、用向きは?」
「勿論、ランスロットの迎撃だ」
「か、可能なのですか?」
そんな手があるのかと驚くディートハルトに向かって自信満々に告げる。
「当然」
そう自信満々に返事をしたが勿論確信などなく最善と言うだけである。指揮官故の虚勢であるが、そんなハリボテの虚勢はすぐに剥がされる。
『本陣!!』
「どうした!」
『ランスロットが政庁に帰還したようです』
「スザクが!?」
それは非常にマズイ、戦術的にも、戦略的にも……。スザクのランスロットが戦線に復帰するならば必ず抑えなければならない。
ランスロットはカレンの紅蓮で押さえるか、藤堂、四聖剣、信也等で複数戦に持ち込むかのどちらかが基本対策だが、藤堂と四聖剣のうち朝比奈、千葉、仙波の三人は前線で戦闘中、卜部は新たに本隊となったG1ベースの周りで部隊の再編中だ。では他の連中はとなるが、信也は負傷してナイトメアに乗れない。そして、カレンは……
「カレンからの連絡は?」
「依然途絶えたままです」
信也が一瞬顔を歪めるが、指揮官が動揺するわけにもいかないので、何事もなかったように振る舞いつつ(ニーナのせいで一度取り乱しているがここではなかった事にした)対策を考える。
(どうする? こんな状態でランスロットが出て来たら戦線が崩壊する。 どうやって押さえる? 相手はフロートユニットを装備しているので捕捉して罠にハメるのは難しい。その上、ゲフィオンディスターバーを設置する時間が無い。では戦闘でどうにかして押さえるしかないが……それができる戦力がない。
(では俺が出るか? 指揮官が指揮を放棄するのか? しかも左腕が動かない俺が戦力になるはずかない)
抑、それができるなら問題になっていない。
(では隼人と卜部を出すか? 本陣と言うだけでなく退路確保の役目もある本陣から戦力を割くのか? ありえない)
そんな事をして本陣を突かれたら反乱軍は退路を失い全滅である。
(……完全に詰んだな)
指揮官として絶対に言葉にしてはいけないが、彼の頭脳は最悪の結論を弾き出した。
「カレンがいないなら仕方がない。此方で対応は考えるか」
そんな結論を導き出した事を、毛ほども表情には出さずに笑みを浮かべながらそう言った。ハリボテの虚勢であるが仕方がない。
(やはり藤堂逹をさっさと下がらせるしかないか。とは言えスザクの動きを封じる対策も考えないといけないし……)
やはり藤堂達主力部隊をなるべく早く後退させ、速やかに戦場から離脱するしかないようだ。
今は藤堂の神懸かりな采配で、見事に繰り引きで退却しているが、これ以上急かせば退却に無理が生じて戦線が崩れる可能性が高い。現状ではこれ以上速やかな退却は不可能だが全滅するよりはマシなので少々無理をして貰う他ないだろう。スザクが出てくれば戦線は崩壊するのだから。
「本陣に今ある戦力と兵器を報告しろ」
「承知しました。現在、本陣にある戦力は月下が二機、無頼が8機、砲台のみの雷光、歩兵は――――」
ファイナーから今ある戦力の報告を聞きながら戦略パネルを睨み付ける。
「――――以上です」
「そうか」
そう短く返事をすると信也は目を瞑り頭の中で状況を整理して戦略と戦術両面を考慮しつつ対策を思案する。
今手元にある戦力、動かせる戦力、目先への対応だけでなく戦局全体への影響等々、様々な条件や可能性を考慮し、最善の選択肢を探す。
無言で瞑目するようにして瞳を閉じていたが、二分程で瞳を開き戦略パネルを睨み付ける。
(賭けではあるが、試す価値は十分あるな)
勝算が無くはないが確実とは言えない。だが現在動かせる戦力での最善の手が浮かんだ。
「では今から言う物を準備しろ」
「畏まりました。して、用向きは?」
「勿論、ランスロットの迎撃だ」
「か、可能なのですか?」
そんな手があるのかと驚くディートハルトに向かって自信満々に告げる。
「当然」
そう自信満々に返事をしたが勿論確信などなく最善と言うだけである。指揮官故の虚勢であるが、そんなハリボテの虚勢はすぐに剥がされる。