scene02:総司令代行
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信也が目を覚ますとそこはベットの上だった。寝る前は神根島にいたはずなので驚いて起き上がろうとしたが、あまりの痛みでうずくまる。そんな様子を上からのぞき込む人影が、
「? カレン?」
「あっ、気が付いた?」
「ここは?」
「潜水艦の医務室よ。あの後、貴方起きなかったからそのまま運んだの」
そう説明するカレンは毛布をかけてくれたが、まだ寝ていなさいと行動で制された形である。
「気分はどう?」
「寝る前の目眩は落ち着いたけど、正直よくない」
「当然よ、しばらく寝てなさい」
「この大変な時に……」
「いいのよ。それよりもゆっくり休んでね」
「しかし……」
「今はラクシャータさんがガウェインを探してて、皆休憩してるから大丈夫よ」
「そうか。だけど、状況の把握だけでもしたいんだが……」
「なに言ってるのよ。そんな身体でまだ動くつもり?」
「動きまわってもただの足手まとい、迷惑なだけ、かな?」
「そうじゃなくて、あなたに無理してほしくないの」
軽く注意したカレンに半ば無理矢理な形で濡れたタオルを額に乗せられた。大人しく寝ていろという事だろう。
「……うーん、でも落ち着かないな」
「まったくもう……そんなに焦らなくてもあなたはーー」
「?」
「なんでもない!! また後で話すから」
「ええー。気になる」
「後で嫌でも聞く事になるわ」
呆れた様な表情のカレンがそっと手を伸ばし、頭を撫でられた。
「手、気持ちいい」
「ほんとに、もう……」
カレンが近くにあった体温計を手に取ったので、大人しく検温される。計測が終わって検温結果を確認したカレンは何ともいえない表情をした後に此方に見せずに消してしまった。
「もう少し寝てなさい」
「……わかった。けど」
「ん?」
「カレンが膝枕か、ハグをしてくれないと寝ない。イッタ!!」
「調子に乗らないの」
「ちぇ、はいはい」
額を軽く叩かれ注意されたが嫌だとは言われなかった。
気になる事がたくさんあったのだが、カレンが無言の圧力で今は何も答えるつもりがないと意思表示をしているので、とりあえず諦めた。
カレンの指示で運ばれて来た軽食を済ませた後、横になってボーッとしていると、何故かカレンに頭を撫でられた。普段は人から触られる事にかなり抵抗があるのだが、自分の中でカレンは例外らしく心地よかった。そのうち段々まどろんできてうつらうつらしてきた。
信也が眠った事を見届けた後に食器を下げるべく部屋を出るとC.C.がいた。
「アイツはどうだ?」
「よく眠ってる」
「そうか」
それだけで病室にでも行くのかと思ったら意外にも後ろから着いてきた。
「なんだかんだ言って、信也の事が心配なの?」
「まさか、そんな訳はないだろ。仮とは言え共犯者となったのだ、契約を果たす前に死なれたら困る」
「ふーん、どうだか」
話しながら食堂を目指す。
「で、神楽耶から信也の事は“とりあえず”お前に一任された訳だが、どうするのだ?」
「急いで現状を伝えてもどうにもならないでしょ」
「まあ、確かにな。だが後々になってあえてこのタイミングでは教えなかった事を知ったら、アイツから恨まれるかも知れんぞ」
「それは……まあ、覚悟してる」
「どうだかな」
C.C.に『なんだかんだで許してくれるのでは』と甘く考えている一面がある事を見抜かれて少し言葉につまるが話しを進める。
「その場しのぎって言われそうだけど、ガウェインのサルヴェージが終わるまではどうせ動かないんだから、今は寝させる事を優先する」
「それで一服盛ったのか?」
「盛ってないわよ」
「そうなのか? 意外だな」
「どういう意味よ、それ!! まあ、それだけ具合がよくないって事でしょ」
確かに睡眠薬でも盛ったかのようにすぐに寝たが盛ってはいない。
「そう言えば、共犯者のアンタの方はいいの?」
「ん?」
「ラクシャータさんの提案」
「ああ、あの件か。そうだな……まあ、言われてみれば他に方法がないからな」
「それはそうだけど、リスクが大きすぎない?」
「そうだな。だが試してみる価値はある」
「うーん……私は気が進まないんだけど」
「いずれにせよ、最終的な判断はアイツ自身に任せるしかないだろう」
「それはそうだけど、桐原さんの事を伝えた後のアイツに冷静な判断ができるのかしら?」
「さあな、そればかりはわからん。いざとなったらお前がなんとかしろ」
「ええ?! そんな勝手な……」
「今アイツの内側に入れるのはおそらくお前だけだ。桐原の事を知れば尚のことな」
「…………」
「おそらく、私や神楽耶の言う事をアイツは聞かないと思うぞ」
「うーん……」
それは困る。彼個人の感情に訴える事はできるが、理屈で来られたら困る。結局は信也の反応次第なので出たとこ勝負しかないだろう。
信也不在であるがキョウト組のみで打ち合わせを行う。
「神楽耶様、信也様の事について真意をお伺いしたいのですが」
「真意ですか?」
「率直に伺います。信也様をゼロの後任にして問題ないのでしょうか?」
「問題があるでしょうね」
「わかっていながら了承されたのですか?」
ファイナーはため息をつき頭をかかえる。
「彼にはまだ早く、かなり無理をさせる事になるのも承知しております。ですが、こうなってしまった以上は信也に頑張って貰うしかありません」
「それは……」
「いずれにせよ、キョウト側から言い出しづらいと思っていたので彼女からの推挙は渡りに船でしたね」
「はい。皆さんフォローをお願いします」
神楽耶の言葉にそれぞれ微妙な表情をした。
「不満はありますが、仕方がないですね」
「まあ、軍事総裁であれ、総司令官であれ、仕える主は変わりないですが、負担が増えるのはーー」
「はぁ~……アイツが反乱軍の指導者、何故こうなった」
神楽耶には軍事指揮ができないので信也を立てるしかない。黒の騎士団側にはできるだけ見せないように気をつけているが、キョウト側の人間も未経験の信也を擁立する事に不安がないわけではない。
「? カレン?」
「あっ、気が付いた?」
「ここは?」
「潜水艦の医務室よ。あの後、貴方起きなかったからそのまま運んだの」
そう説明するカレンは毛布をかけてくれたが、まだ寝ていなさいと行動で制された形である。
「気分はどう?」
「寝る前の目眩は落ち着いたけど、正直よくない」
「当然よ、しばらく寝てなさい」
「この大変な時に……」
「いいのよ。それよりもゆっくり休んでね」
「しかし……」
「今はラクシャータさんがガウェインを探してて、皆休憩してるから大丈夫よ」
「そうか。だけど、状況の把握だけでもしたいんだが……」
「なに言ってるのよ。そんな身体でまだ動くつもり?」
「動きまわってもただの足手まとい、迷惑なだけ、かな?」
「そうじゃなくて、あなたに無理してほしくないの」
軽く注意したカレンに半ば無理矢理な形で濡れたタオルを額に乗せられた。大人しく寝ていろという事だろう。
「……うーん、でも落ち着かないな」
「まったくもう……そんなに焦らなくてもあなたはーー」
「?」
「なんでもない!! また後で話すから」
「ええー。気になる」
「後で嫌でも聞く事になるわ」
呆れた様な表情のカレンがそっと手を伸ばし、頭を撫でられた。
「手、気持ちいい」
「ほんとに、もう……」
カレンが近くにあった体温計を手に取ったので、大人しく検温される。計測が終わって検温結果を確認したカレンは何ともいえない表情をした後に此方に見せずに消してしまった。
「もう少し寝てなさい」
「……わかった。けど」
「ん?」
「カレンが膝枕か、ハグをしてくれないと寝ない。イッタ!!」
「調子に乗らないの」
「ちぇ、はいはい」
額を軽く叩かれ注意されたが嫌だとは言われなかった。
気になる事がたくさんあったのだが、カレンが無言の圧力で今は何も答えるつもりがないと意思表示をしているので、とりあえず諦めた。
カレンの指示で運ばれて来た軽食を済ませた後、横になってボーッとしていると、何故かカレンに頭を撫でられた。普段は人から触られる事にかなり抵抗があるのだが、自分の中でカレンは例外らしく心地よかった。そのうち段々まどろんできてうつらうつらしてきた。
信也が眠った事を見届けた後に食器を下げるべく部屋を出るとC.C.がいた。
「アイツはどうだ?」
「よく眠ってる」
「そうか」
それだけで病室にでも行くのかと思ったら意外にも後ろから着いてきた。
「なんだかんだ言って、信也の事が心配なの?」
「まさか、そんな訳はないだろ。仮とは言え共犯者となったのだ、契約を果たす前に死なれたら困る」
「ふーん、どうだか」
話しながら食堂を目指す。
「で、神楽耶から信也の事は“とりあえず”お前に一任された訳だが、どうするのだ?」
「急いで現状を伝えてもどうにもならないでしょ」
「まあ、確かにな。だが後々になってあえてこのタイミングでは教えなかった事を知ったら、アイツから恨まれるかも知れんぞ」
「それは……まあ、覚悟してる」
「どうだかな」
C.C.に『なんだかんだで許してくれるのでは』と甘く考えている一面がある事を見抜かれて少し言葉につまるが話しを進める。
「その場しのぎって言われそうだけど、ガウェインのサルヴェージが終わるまではどうせ動かないんだから、今は寝させる事を優先する」
「それで一服盛ったのか?」
「盛ってないわよ」
「そうなのか? 意外だな」
「どういう意味よ、それ!! まあ、それだけ具合がよくないって事でしょ」
確かに睡眠薬でも盛ったかのようにすぐに寝たが盛ってはいない。
「そう言えば、共犯者のアンタの方はいいの?」
「ん?」
「ラクシャータさんの提案」
「ああ、あの件か。そうだな……まあ、言われてみれば他に方法がないからな」
「それはそうだけど、リスクが大きすぎない?」
「そうだな。だが試してみる価値はある」
「うーん……私は気が進まないんだけど」
「いずれにせよ、最終的な判断はアイツ自身に任せるしかないだろう」
「それはそうだけど、桐原さんの事を伝えた後のアイツに冷静な判断ができるのかしら?」
「さあな、そればかりはわからん。いざとなったらお前がなんとかしろ」
「ええ?! そんな勝手な……」
「今アイツの内側に入れるのはおそらくお前だけだ。桐原の事を知れば尚のことな」
「…………」
「おそらく、私や神楽耶の言う事をアイツは聞かないと思うぞ」
「うーん……」
それは困る。彼個人の感情に訴える事はできるが、理屈で来られたら困る。結局は信也の反応次第なので出たとこ勝負しかないだろう。
信也不在であるがキョウト組のみで打ち合わせを行う。
「神楽耶様、信也様の事について真意をお伺いしたいのですが」
「真意ですか?」
「率直に伺います。信也様をゼロの後任にして問題ないのでしょうか?」
「問題があるでしょうね」
「わかっていながら了承されたのですか?」
ファイナーはため息をつき頭をかかえる。
「彼にはまだ早く、かなり無理をさせる事になるのも承知しております。ですが、こうなってしまった以上は信也に頑張って貰うしかありません」
「それは……」
「いずれにせよ、キョウト側から言い出しづらいと思っていたので彼女からの推挙は渡りに船でしたね」
「はい。皆さんフォローをお願いします」
神楽耶の言葉にそれぞれ微妙な表情をした。
「不満はありますが、仕方がないですね」
「まあ、軍事総裁であれ、総司令官であれ、仕える主は変わりないですが、負担が増えるのはーー」
「はぁ~……アイツが反乱軍の指導者、何故こうなった」
神楽耶には軍事指揮ができないので信也を立てるしかない。黒の騎士団側にはできるだけ見せないように気をつけているが、キョウト側の人間も未経験の信也を擁立する事に不安がないわけではない。
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