scene02:総司令代行
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「で、これからどうするんだ?」
「とりあえず、黒の騎士団とキョウトが外洋で合流する予定だから、まずはそれからだな。カレンの紅蓮と俺のサザーランドで合流。で、ガウェインが沈んだ場所をラクシャータに伝える。その後は、ブリタニアの追跡がなければガウェインのサルヴェージ、かな?」
とりあえずの予定を聞いて興味が失せたのか、C.C.から緊張感がなくなる。
「ともかく、腹が減った。ピザはないのか」
「潜水艦にストックがあるだろ。あれなら食べていいんじゃないか?」
「冷凍か」
「この状況では宅配ピザは不可能だろ」
二人のやり取りを眺めながら、まずは皆と合流しない事にはどうにもならないだろう。と、ぼんやりと考えているとあることに気付いた。
「ねえ」
「なに?」
「ゼロがいない黒の騎士団って、誰が指揮するの?」
「? キョウトの俺に聞かれても……」
「え?」
「むしろ、俺が聞きたいぐらいなんだが」
そう言えば共闘しているが、彼は徹頭徹尾キョウトの人間だった。
「ん? ちょっと待て。それで私との契約を果たせるのか?」
「必要ならキョウトの戦力を使う。遠方にいるが今なら黒の騎士団より戦力が量質ともに確保できている」
「なるほど」
どうやら二人の間では問題が解決したらしい。ただこっち(黒の騎士団)の問題が何も解決していない。此方の悩みが通じたのか、信也はちょっと困惑した表情で付け足してきた。
「正直に言えば、俺はカレンとルルーシュ以外の黒の騎士団に、あまり興味がない」
「え? ……あれ?」
「もっと言えば、カレンの仲間だからという間接的な……友達の友達? 恋人の友人? ぐらいの認識」
「ええええ?」
「意外と冷淡だな」
「カレンと違って、俺の守備範囲は狭い」
確かに、キョウトから派遣された客将兼目付の信也とゼロの共犯者として出入りしていたC.C.からすれば黒の騎士団はさほど重要な問題ではないのだろう。二人とも黒の騎士団を『ゼロが戻った時の居場所として確保しておいた方がいいぐらい』にしか考えていないのかも知れない。
「一応断っておくと、どうなってもいいとか、そう言う意味ではないからね。あとそこまで割り切れる程器用でもない。ただ、優先順位がキョウトより下って意味ね」
「わかってる。まあ、アンタの立場ならそうよね」
そんな非情な人間ではない事は重々承知している。要するに黒の騎士団に関しては外からの援助が主というスタンスを変えるつもりがないと言う事らしい。ただそうなると、色々と問題がある。神楽耶に相談してみようかなどと思案していると、
「まあ、戻ってから残っている面子で決めるしかないんじゃないか? キョウトとしては共闘や支援を止めたりはしないはずだから」
そう言うと信也は唐突に出口へ向かって歩き出した。遺跡での用事もC.C.との話も終わったと言う事なのだろう。まあカレン自身もここに用がないのでC.C.と共に彼について行く。
「あっ、そうだC.C.」
「なんだ」
「俺のサザーランドなんだけどさ、C.C.が騎乗して潜水艦か船に戻してくれないか?」
「……なぜ、私がそんな面倒な事を、自分ですればいいだろ」
「いやあー、それはそうなんだけどさ……ちょっと問題があって」
「問題?」
「なんだ、どうした?」
ばつが悪そうに歯切れの悪い言葉を並べる信也に、C.C.と顔を見合わせて首を傾げる。
「いやぁ、実はさ……限界なんだ」
「限界?」
「傷と熱がやばくて、今にもぶっ倒れそう……」
「そう言う事は早く言いなさいよ!!」「そう言う事は早く言え!!」
「真田総裁からの通信です」
「繋いで下さい」
すぐに音声通信が繋がれた。
『神楽耶様、真田です』
「信也、ご苦労様です。状況を報告して下さい」
『はい。紅月カレン、C.C.の二名と合流できました。また、紅蓮弐式は無事ですが、ガウェインは海中に水没したそうで、回収にはサルヴェージが必要です』
「あ~……」
後ろでラクシャータが嘆くような声を上げた。
「ゼロ様の消息は?」
『生死不明で此処を訪れた事だけは確認できたと言う状況です』
C.C.と合流できているから当然そうだろう。
「そうですか。では今後を相談したいのでお三方は帰還して下さい」
『承知しました』
「では後程、合流する座標を送ります。予定の時刻になったら来て下さい」
「承知」
通信はすぐに切れた。期待はしていなかったが神楽耶の口からは思わずため息がこぼれた。
「ねえ、後でガウェインの回収はしてもいい?」
「勿論です」
「使い物のなればいいんだけどね」
許可はしたが、ラクシャータはもしかしてゼロよりもガウェインが無事じゃなかった方がショックだったのでは?と疑問に思ったが口には出さなかった。
通信の終了後、カレンは強制的に信也を横にさせ、膝枕でメンタル的に身動きができないようにした。
「……カ、カレン、C.C.……あとは……」
「はいはい。『あとの事は任せる』でしょ、りょーかいしましたー」
「…………み……ず」
「水ね。はいはい」
カレンは信也の口元までボトルを持って行ってやり与えた。
「この後の合流は私達でするから、アンタは少し寝てなさぁい」
「……お…………よ。……き……る…………ぞ」
「はいはぁ~い」
全く聞き取れなかったので生返事したが、信也は安堵したのか、ただ単に力尽きたのか眠った。
カレンはC.C.から手渡された濡れタオルを膝枕で眠っている信也の額に乗せた。
「まったく、世話の焼ける坊やだ」
「ラクシャータさんが「キョウトのボーヤ」って呼んでいるのちょっとわかる気がする」
「そうだな。しかし、コイツは昔からこうなのか?」
「さあーね。まあ、ラクシャータさんや神楽耶様の接し方からしてそうなんじゃないの?」
「まあ、短期間で形成された性格とは考えられにくいな」
しばらくは静かな寝息をたてていたが、寝顔が険しくなり汗もかき始めた。
「鎮痛剤か何かが切れてきたんじゃないか?」
「そうかもね、でも起きる気配がないと言う事は……」
「あまり良い状態ではない、あるいはコイツが無茶し過ぎたか」
「時間になっても起さない方がいいかも」
「そうだな、些か乱暴だがナイトメアで運ぶしかないな」
もう寝ていても大丈夫であるし、容体も良くなさそうなので時間になっても起さない事にした。
「それにしても可愛いな」
「可愛い? 信也が?」
「違う、お前だ」
「はあ? 何がよ」
「動きを封じつつ断らせない為に膝枕などさせてみたはいいが、『恥ずかしくって顔を見られなーい』ということだろう?」
「そ、そんなわけないでしょ?!」
「赤くなっているぞ」
「こんの!!」
「おいおい、下手に動くと「愛しの彼氏」が地面に落ちるぞー」
「アンタ、ほんっっとーに腹が立つ」
「そう怒るな。信也の共犯者同士仲良くしようでは無いか」
「フン!!」
「子どもか」
自分でも幼いと思ったがあまり触れて欲しくなかったのでそのままツーンと無視した。
「しかし、こんな無茶を繰り返せば、いつか本当に死ぬぞ、コイツ」
「……わかってるわよ」
「どうかな? フジでの一件までは、コイツなら無事に帰って来てくれるとか思っていた癖に」
「ッ?!」
図星とまではいかないが、なんだかんだで大丈夫だろうと思っていた自分がいるので反論できなかった。
「まあ、それはいい。だが、仮とは言え共犯者だ。私もコイツに死なれては困る。それはお前も同じだろ」
「それは勿論」
「だったら、せめてこの怪我が治るまでは安全な場所で治療に専念させるべきだ。コイツが何と言おうが絶対にな」
「ええ、無茶はさせない」
「コイツが命をかけて抵抗をしても、か?」
「その時は……私が彼の両足を砕いてでも大人しくさせる」
C.C.が此方を凝視してきたので視線を受け止めて真剣であると伝えた。
「なかなか物騒な物言いだが、いい答えだ。私も同意だ」
「でも問題は、こんな状況で安全な場所って……」
「確かに難しいな、その点はどうしたものか」
寝てれば治る様な怪我ではない。この情勢で然るべき治療が安全に受けれる医療機関を確保できるのだろうか。
「その辺りも込みで神楽耶様やラクシャータさんに相談するしかないと思う」
「だな。そしてその二人をコイツより先に抑えなくてはならない」
「え? ………あ! そっか!! 神楽耶様なら信也に安静にする様に命令できる」
「そうだ。何せキョウトの盟主様でコイツの主人だからな、それにもし命令を無視しても」
「ラクシャータさんを無視してはナイトメアを使えない」
「その通りだ。そして、仮にあの二人を無視して信也が強行したとしても」
そう言って、C.C.は手に持つナイトメアの起動キーを見せつけてきた。
「アイツの機体は私の手の中だ」
「自分から預けたんだから仕方ないよね」
「ああ、仕方ない仕方ない」
C.C.はかなり悪巧みをしている様な顔をしているが、おそらく自分も似たような表情をしているのだろう。こんな非常時に不謹慎だが信也を出し抜けるのが、凄く嬉しいのだから仕方がない。信也が眠っている内に全てを片付けねばならない。
「とりあえず、黒の騎士団とキョウトが外洋で合流する予定だから、まずはそれからだな。カレンの紅蓮と俺のサザーランドで合流。で、ガウェインが沈んだ場所をラクシャータに伝える。その後は、ブリタニアの追跡がなければガウェインのサルヴェージ、かな?」
とりあえずの予定を聞いて興味が失せたのか、C.C.から緊張感がなくなる。
「ともかく、腹が減った。ピザはないのか」
「潜水艦にストックがあるだろ。あれなら食べていいんじゃないか?」
「冷凍か」
「この状況では宅配ピザは不可能だろ」
二人のやり取りを眺めながら、まずは皆と合流しない事にはどうにもならないだろう。と、ぼんやりと考えているとあることに気付いた。
「ねえ」
「なに?」
「ゼロがいない黒の騎士団って、誰が指揮するの?」
「? キョウトの俺に聞かれても……」
「え?」
「むしろ、俺が聞きたいぐらいなんだが」
そう言えば共闘しているが、彼は徹頭徹尾キョウトの人間だった。
「ん? ちょっと待て。それで私との契約を果たせるのか?」
「必要ならキョウトの戦力を使う。遠方にいるが今なら黒の騎士団より戦力が量質ともに確保できている」
「なるほど」
どうやら二人の間では問題が解決したらしい。ただこっち(黒の騎士団)の問題が何も解決していない。此方の悩みが通じたのか、信也はちょっと困惑した表情で付け足してきた。
「正直に言えば、俺はカレンとルルーシュ以外の黒の騎士団に、あまり興味がない」
「え? ……あれ?」
「もっと言えば、カレンの仲間だからという間接的な……友達の友達? 恋人の友人? ぐらいの認識」
「ええええ?」
「意外と冷淡だな」
「カレンと違って、俺の守備範囲は狭い」
確かに、キョウトから派遣された客将兼目付の信也とゼロの共犯者として出入りしていたC.C.からすれば黒の騎士団はさほど重要な問題ではないのだろう。二人とも黒の騎士団を『ゼロが戻った時の居場所として確保しておいた方がいいぐらい』にしか考えていないのかも知れない。
「一応断っておくと、どうなってもいいとか、そう言う意味ではないからね。あとそこまで割り切れる程器用でもない。ただ、優先順位がキョウトより下って意味ね」
「わかってる。まあ、アンタの立場ならそうよね」
そんな非情な人間ではない事は重々承知している。要するに黒の騎士団に関しては外からの援助が主というスタンスを変えるつもりがないと言う事らしい。ただそうなると、色々と問題がある。神楽耶に相談してみようかなどと思案していると、
「まあ、戻ってから残っている面子で決めるしかないんじゃないか? キョウトとしては共闘や支援を止めたりはしないはずだから」
そう言うと信也は唐突に出口へ向かって歩き出した。遺跡での用事もC.C.との話も終わったと言う事なのだろう。まあカレン自身もここに用がないのでC.C.と共に彼について行く。
「あっ、そうだC.C.」
「なんだ」
「俺のサザーランドなんだけどさ、C.C.が騎乗して潜水艦か船に戻してくれないか?」
「……なぜ、私がそんな面倒な事を、自分ですればいいだろ」
「いやあー、それはそうなんだけどさ……ちょっと問題があって」
「問題?」
「なんだ、どうした?」
ばつが悪そうに歯切れの悪い言葉を並べる信也に、C.C.と顔を見合わせて首を傾げる。
「いやぁ、実はさ……限界なんだ」
「限界?」
「傷と熱がやばくて、今にもぶっ倒れそう……」
「そう言う事は早く言いなさいよ!!」「そう言う事は早く言え!!」
「真田総裁からの通信です」
「繋いで下さい」
すぐに音声通信が繋がれた。
『神楽耶様、真田です』
「信也、ご苦労様です。状況を報告して下さい」
『はい。紅月カレン、C.C.の二名と合流できました。また、紅蓮弐式は無事ですが、ガウェインは海中に水没したそうで、回収にはサルヴェージが必要です』
「あ~……」
後ろでラクシャータが嘆くような声を上げた。
「ゼロ様の消息は?」
『生死不明で此処を訪れた事だけは確認できたと言う状況です』
C.C.と合流できているから当然そうだろう。
「そうですか。では今後を相談したいのでお三方は帰還して下さい」
『承知しました』
「では後程、合流する座標を送ります。予定の時刻になったら来て下さい」
「承知」
通信はすぐに切れた。期待はしていなかったが神楽耶の口からは思わずため息がこぼれた。
「ねえ、後でガウェインの回収はしてもいい?」
「勿論です」
「使い物のなればいいんだけどね」
許可はしたが、ラクシャータはもしかしてゼロよりもガウェインが無事じゃなかった方がショックだったのでは?と疑問に思ったが口には出さなかった。
通信の終了後、カレンは強制的に信也を横にさせ、膝枕でメンタル的に身動きができないようにした。
「……カ、カレン、C.C.……あとは……」
「はいはい。『あとの事は任せる』でしょ、りょーかいしましたー」
「…………み……ず」
「水ね。はいはい」
カレンは信也の口元までボトルを持って行ってやり与えた。
「この後の合流は私達でするから、アンタは少し寝てなさぁい」
「……お…………よ。……き……る…………ぞ」
「はいはぁ~い」
全く聞き取れなかったので生返事したが、信也は安堵したのか、ただ単に力尽きたのか眠った。
カレンはC.C.から手渡された濡れタオルを膝枕で眠っている信也の額に乗せた。
「まったく、世話の焼ける坊やだ」
「ラクシャータさんが「キョウトのボーヤ」って呼んでいるのちょっとわかる気がする」
「そうだな。しかし、コイツは昔からこうなのか?」
「さあーね。まあ、ラクシャータさんや神楽耶様の接し方からしてそうなんじゃないの?」
「まあ、短期間で形成された性格とは考えられにくいな」
しばらくは静かな寝息をたてていたが、寝顔が険しくなり汗もかき始めた。
「鎮痛剤か何かが切れてきたんじゃないか?」
「そうかもね、でも起きる気配がないと言う事は……」
「あまり良い状態ではない、あるいはコイツが無茶し過ぎたか」
「時間になっても起さない方がいいかも」
「そうだな、些か乱暴だがナイトメアで運ぶしかないな」
もう寝ていても大丈夫であるし、容体も良くなさそうなので時間になっても起さない事にした。
「それにしても可愛いな」
「可愛い? 信也が?」
「違う、お前だ」
「はあ? 何がよ」
「動きを封じつつ断らせない為に膝枕などさせてみたはいいが、『恥ずかしくって顔を見られなーい』ということだろう?」
「そ、そんなわけないでしょ?!」
「赤くなっているぞ」
「こんの!!」
「おいおい、下手に動くと「愛しの彼氏」が地面に落ちるぞー」
「アンタ、ほんっっとーに腹が立つ」
「そう怒るな。信也の共犯者同士仲良くしようでは無いか」
「フン!!」
「子どもか」
自分でも幼いと思ったがあまり触れて欲しくなかったのでそのままツーンと無視した。
「しかし、こんな無茶を繰り返せば、いつか本当に死ぬぞ、コイツ」
「……わかってるわよ」
「どうかな? フジでの一件までは、コイツなら無事に帰って来てくれるとか思っていた癖に」
「ッ?!」
図星とまではいかないが、なんだかんだで大丈夫だろうと思っていた自分がいるので反論できなかった。
「まあ、それはいい。だが、仮とは言え共犯者だ。私もコイツに死なれては困る。それはお前も同じだろ」
「それは勿論」
「だったら、せめてこの怪我が治るまでは安全な場所で治療に専念させるべきだ。コイツが何と言おうが絶対にな」
「ええ、無茶はさせない」
「コイツが命をかけて抵抗をしても、か?」
「その時は……私が彼の両足を砕いてでも大人しくさせる」
C.C.が此方を凝視してきたので視線を受け止めて真剣であると伝えた。
「なかなか物騒な物言いだが、いい答えだ。私も同意だ」
「でも問題は、こんな状況で安全な場所って……」
「確かに難しいな、その点はどうしたものか」
寝てれば治る様な怪我ではない。この情勢で然るべき治療が安全に受けれる医療機関を確保できるのだろうか。
「その辺りも込みで神楽耶様やラクシャータさんに相談するしかないと思う」
「だな。そしてその二人をコイツより先に抑えなくてはならない」
「え? ………あ! そっか!! 神楽耶様なら信也に安静にする様に命令できる」
「そうだ。何せキョウトの盟主様でコイツの主人だからな、それにもし命令を無視しても」
「ラクシャータさんを無視してはナイトメアを使えない」
「その通りだ。そして、仮にあの二人を無視して信也が強行したとしても」
そう言って、C.C.は手に持つナイトメアの起動キーを見せつけてきた。
「アイツの機体は私の手の中だ」
「自分から預けたんだから仕方ないよね」
「ああ、仕方ない仕方ない」
C.C.はかなり悪巧みをしている様な顔をしているが、おそらく自分も似たような表情をしているのだろう。こんな非常時に不謹慎だが信也を出し抜けるのが、凄く嬉しいのだから仕方がない。信也が眠っている内に全てを片付けねばならない。