scene01:血の味
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「あと一押しで崩れると言う所まで追い詰めているのだが、さすがは藤堂、しぶといな」
ギルフォードが指揮するエリア11駐留軍の主力部隊は黒の騎士団に容易な退却は許していないが攻め崩す事が出来ずにいた。
『ギルフォード卿』
「どうした」
『コーネリア殿下がゼロと戦い負傷したという情報が……』
「ナニッ!? 姫様が!?」
ギルフォードはその情報に顔から血の気が失せた事を自覚した。
「その情報は確かなのか?」
『確かな事は……、しかし、味方内で噂が広まっています』
「バカ者ッ!! 敵の流言に決まっておろう!!」
ギルフォードは敵の謀略だと看破したが、報せてきたブリタニア軍人は動揺している。
『し、しかし、殿下は戦場にはおられず……』
「姫様がゼロごときに遅れを取るとでも言うのか!!」
『いえ! けしてその様な事は!』
ギルフォードは怒鳴り付けて否定したが、他の兵達が動揺している事を肌で感じていた。
『ギルフォード卿』
「どうした、アルフレッド」
『兵が動揺しています。ここは敵の流言を打ち消し、兵の士気を高めて敵軍にトドメを刺す為にもコーネリア皇女殿下に自ら先陣に立って頂くべきかと』
「そうだな」
ギルフォードも同じ事を考えていたので主君へ出陣の要請をすべく通信を試みたが繋がらなかった。
「ん?」
『どうかされましたか?』
「いや、何でもない」
流言など取るに足らぬものだと考えている。しかし、何故か通信が繋がらなかった為に嫌な予感と供に悪寒が背筋を這い上がってきた。
そこへ此方の不安を見透かしたかの様に敵軍の動きが活発になった。
『敵将コーネリアは負傷し、指揮を執る事もできない! 今が好機だ! 反撃に転じる!!』
藤堂がわざわざ外部スピーカーをオンにして此方側にも聞こえる様にして叫んだ後に此方へと向かってきた。味方は明らかに動揺している。
「狼狽えるな!! ただのハッタリだ!!」
ギルフォードはそう叫ぶと藤堂の機体へ向かってランスを突き出す。
「見えすいた策だな、藤堂!!」
『フッ、ではコーネリアの無事な姿を見せてもらおうか?』
「ナニッ!?」
『口で命じるだけでなく、自ら戦線に立つのがコーネリアの享受だったのではなかったか?』
「ッ!?」
『さぁ、健在だと言うのならばコーネリア自ら我等の前に出て来い!!』
藤堂があまりにも自信ありげなので、さすがのギルフォードも不安になる。
(藤堂程の男がこんなくだらない策をなんの根拠もなく用いるだろうか? こんな策、姫様が通信の一つでも入れれば嘘はすぐに露呈する。まさか、本当に姫様が?)
ギルフォードが悩んだのはほんの一瞬だったが周りを不安にさせるには十分な時間だった様だ。兵達が目に見えて動揺し出した。
「落ち着け!! 姫様がゼロごときに遅れを取るはずがない!! 敵の苦し紛れの策だ!!」
そう味方へ向けて叫ぶと飛び退いて藤堂の機体と距離を取りもう一度主君との通信を試みた。
が、やはり繋がらない。
(まさか本当に姫様の身に何か!?)
動揺は自軍全体に伝わり動きが鈍り、気がついた時には敵軍は混戦状態を抜け出し、秩序だって距離を取り出している。
主君の安否は確認できず、敵軍に立ち直る隙を与えてしまった。
「ええい!!」
ギルフォードは苛立ちをパネルへぶつけた。
ギルフォードが指揮するエリア11駐留軍の主力部隊は黒の騎士団に容易な退却は許していないが攻め崩す事が出来ずにいた。
『ギルフォード卿』
「どうした」
『コーネリア殿下がゼロと戦い負傷したという情報が……』
「ナニッ!? 姫様が!?」
ギルフォードはその情報に顔から血の気が失せた事を自覚した。
「その情報は確かなのか?」
『確かな事は……、しかし、味方内で噂が広まっています』
「バカ者ッ!! 敵の流言に決まっておろう!!」
ギルフォードは敵の謀略だと看破したが、報せてきたブリタニア軍人は動揺している。
『し、しかし、殿下は戦場にはおられず……』
「姫様がゼロごときに遅れを取るとでも言うのか!!」
『いえ! けしてその様な事は!』
ギルフォードは怒鳴り付けて否定したが、他の兵達が動揺している事を肌で感じていた。
『ギルフォード卿』
「どうした、アルフレッド」
『兵が動揺しています。ここは敵の流言を打ち消し、兵の士気を高めて敵軍にトドメを刺す為にもコーネリア皇女殿下に自ら先陣に立って頂くべきかと』
「そうだな」
ギルフォードも同じ事を考えていたので主君へ出陣の要請をすべく通信を試みたが繋がらなかった。
「ん?」
『どうかされましたか?』
「いや、何でもない」
流言など取るに足らぬものだと考えている。しかし、何故か通信が繋がらなかった為に嫌な予感と供に悪寒が背筋を這い上がってきた。
そこへ此方の不安を見透かしたかの様に敵軍の動きが活発になった。
『敵将コーネリアは負傷し、指揮を執る事もできない! 今が好機だ! 反撃に転じる!!』
藤堂がわざわざ外部スピーカーをオンにして此方側にも聞こえる様にして叫んだ後に此方へと向かってきた。味方は明らかに動揺している。
「狼狽えるな!! ただのハッタリだ!!」
ギルフォードはそう叫ぶと藤堂の機体へ向かってランスを突き出す。
「見えすいた策だな、藤堂!!」
『フッ、ではコーネリアの無事な姿を見せてもらおうか?』
「ナニッ!?」
『口で命じるだけでなく、自ら戦線に立つのがコーネリアの享受だったのではなかったか?』
「ッ!?」
『さぁ、健在だと言うのならばコーネリア自ら我等の前に出て来い!!』
藤堂があまりにも自信ありげなので、さすがのギルフォードも不安になる。
(藤堂程の男がこんなくだらない策をなんの根拠もなく用いるだろうか? こんな策、姫様が通信の一つでも入れれば嘘はすぐに露呈する。まさか、本当に姫様が?)
ギルフォードが悩んだのはほんの一瞬だったが周りを不安にさせるには十分な時間だった様だ。兵達が目に見えて動揺し出した。
「落ち着け!! 姫様がゼロごときに遅れを取るはずがない!! 敵の苦し紛れの策だ!!」
そう味方へ向けて叫ぶと飛び退いて藤堂の機体と距離を取りもう一度主君との通信を試みた。
が、やはり繋がらない。
(まさか本当に姫様の身に何か!?)
動揺は自軍全体に伝わり動きが鈍り、気がついた時には敵軍は混戦状態を抜け出し、秩序だって距離を取り出している。
主君の安否は確認できず、敵軍に立ち直る隙を与えてしまった。
「ええい!!」
ギルフォードは苛立ちをパネルへぶつけた。