scene02:総司令代行
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どうにか戦場からは撤退できた。
だが、残った団員の少なさに幹部格のみになると、卜部が思わずつぶやいた。
「たったこれだけか……」
今までブリタニアの追撃から逃げる事で精一杯だったが、とりあえず逃げ切り、改めて現実を見ると、戦死や捕縛された者だけでなく、行方不明者になった者、強行軍であった為について来れず脱落した者、旗色が悪くなると同時に逃亡した者。現在の戦力は寂しい限りだった。
つい最近まで日本最大の反ブリタニア組織が、今ではここまで少なくなったのだ。卜部が口に出さなくとも他の人間が言っていた事だろう。
また全体の数字だけの問題ではない。幹部も殆どいない。
ゼロがいない
ゼロと一緒にいたC.C.もいない
ゼロを追い掛けて行ったカレンもいない
藤堂もいない。もちろん朝比奈、千葉、仙波もいない
扇もいなければ南や杉山もいない
うるさい玉城ですらいない
吉田、井上、影崎は死んだからこの世にいない
さっきまで臨時的な代行として采配を振るっていた信也はベットの上で熱に魘されている
「随分寂しくなっちゃったわねぇ~」
キセルをくわえながら脱力した感じで述べたラクシャータに誰も言葉を返さない。
「残っているメンバーで中佐達の救出と言うわけには……」
「フッ! 卜部さん、ゼロもいない中、たったこれだけの人数でそれが可能だと思っているのですか?! できるはずがない!」
やさぐれているディートハルトの発言はちょっと人を小バカにしたような響きがあり、我関せずのラクシャータ以外が嫌な顔をした。
「この戦力でゼロ様抜きでの軍事行動は不可能だと思います。しかしながら、我々はゼロ様抜きでこの先の事を決めねばなりません」
「この先……と言われてもな」
卜部だけでなく皆が困惑した表情になる。今までの指導者であったゼロはおらず、退却を指揮した信也も今はベットの上である。
「中華連邦へ亡命するしかないんじゃなぁ~い?」
「それが一番現実的な手ですが、その前に確認すべき事があるみたいです」
「神根島?」
「ええ」
ラクシャータの言葉に神楽耶は強く頷くが、ディートハルトは懐疑的だ。
「どうして神根島なんです?」
「さぁね。キョウトのボーヤがそう言ったんでしょ」
「何か確信でもあるのでしょうか?」
「詳しい事は私も。ただ何の意味も根拠もない事をあんな状態で言うとは思えないですし、とりあえず向かってみませんか?」
神楽耶の言葉に卜部は首を傾げる。
「彼が言ったからと言うだけで何の根拠もなしに向かうのか?」
「しかしながら紅月隊長が向かった方角とは一致します。彼だけが知っているゼロの何かと関わりがあるのかもしれません」
「でも、ただ同じ方角なだけかも知れないけどねぇ」
「兎に角、神根島へ向かい島の近海で様子をうかがう事にしましょう。どのみち、今はやる事もできる事もありませんから」
横から口を挟んだ内藤の言葉に少しの間沈黙が流れたが、神楽耶が気を取り直す様に口を開く。
「いずれにせよ、本州近海より離れる必要があります」
「確かに、ブリタニアの追手から逃れる為だけでなく、富士から逃れたキョウトの方々と合流する為にも外洋へ出る必要はあります」
「じゃあ、とりあえず神根島へ行く事でいいんじゃなぁい? 私は紅蓮とガウェインがどうなったか確認したいし」
「ではこれより神根島へ向かいましょう」
「着いてからどうするんだ? それにそもそも何を確認するんだ?」
卜部の疑問はもっともで言った本人が寝込んでいるのだから着いた後でどうするのだと言う事となる。
「大丈夫よ。向かってる途中で愛しのカレンちゃんが心配で心配で仕方がないボーヤはきっと目を覚ますから」
ラクシャータが特に根拠がない事を自信満々に言ったが、そこだけは全員が納得した。着いたがカレンを探さなくていいのか?と耳元で言ったら飛び起きそうである。
だが、残った団員の少なさに幹部格のみになると、卜部が思わずつぶやいた。
「たったこれだけか……」
今までブリタニアの追撃から逃げる事で精一杯だったが、とりあえず逃げ切り、改めて現実を見ると、戦死や捕縛された者だけでなく、行方不明者になった者、強行軍であった為について来れず脱落した者、旗色が悪くなると同時に逃亡した者。現在の戦力は寂しい限りだった。
つい最近まで日本最大の反ブリタニア組織が、今ではここまで少なくなったのだ。卜部が口に出さなくとも他の人間が言っていた事だろう。
また全体の数字だけの問題ではない。幹部も殆どいない。
ゼロがいない
ゼロと一緒にいたC.C.もいない
ゼロを追い掛けて行ったカレンもいない
藤堂もいない。もちろん朝比奈、千葉、仙波もいない
扇もいなければ南や杉山もいない
うるさい玉城ですらいない
吉田、井上、影崎は死んだからこの世にいない
さっきまで臨時的な代行として采配を振るっていた信也はベットの上で熱に魘されている
「随分寂しくなっちゃったわねぇ~」
キセルをくわえながら脱力した感じで述べたラクシャータに誰も言葉を返さない。
「残っているメンバーで中佐達の救出と言うわけには……」
「フッ! 卜部さん、ゼロもいない中、たったこれだけの人数でそれが可能だと思っているのですか?! できるはずがない!」
やさぐれているディートハルトの発言はちょっと人を小バカにしたような響きがあり、我関せずのラクシャータ以外が嫌な顔をした。
「この戦力でゼロ様抜きでの軍事行動は不可能だと思います。しかしながら、我々はゼロ様抜きでこの先の事を決めねばなりません」
「この先……と言われてもな」
卜部だけでなく皆が困惑した表情になる。今までの指導者であったゼロはおらず、退却を指揮した信也も今はベットの上である。
「中華連邦へ亡命するしかないんじゃなぁ~い?」
「それが一番現実的な手ですが、その前に確認すべき事があるみたいです」
「神根島?」
「ええ」
ラクシャータの言葉に神楽耶は強く頷くが、ディートハルトは懐疑的だ。
「どうして神根島なんです?」
「さぁね。キョウトのボーヤがそう言ったんでしょ」
「何か確信でもあるのでしょうか?」
「詳しい事は私も。ただ何の意味も根拠もない事をあんな状態で言うとは思えないですし、とりあえず向かってみませんか?」
神楽耶の言葉に卜部は首を傾げる。
「彼が言ったからと言うだけで何の根拠もなしに向かうのか?」
「しかしながら紅月隊長が向かった方角とは一致します。彼だけが知っているゼロの何かと関わりがあるのかもしれません」
「でも、ただ同じ方角なだけかも知れないけどねぇ」
「兎に角、神根島へ向かい島の近海で様子をうかがう事にしましょう。どのみち、今はやる事もできる事もありませんから」
横から口を挟んだ内藤の言葉に少しの間沈黙が流れたが、神楽耶が気を取り直す様に口を開く。
「いずれにせよ、本州近海より離れる必要があります」
「確かに、ブリタニアの追手から逃れる為だけでなく、富士から逃れたキョウトの方々と合流する為にも外洋へ出る必要はあります」
「じゃあ、とりあえず神根島へ行く事でいいんじゃなぁい? 私は紅蓮とガウェインがどうなったか確認したいし」
「ではこれより神根島へ向かいましょう」
「着いてからどうするんだ? それにそもそも何を確認するんだ?」
卜部の疑問はもっともで言った本人が寝込んでいるのだから着いた後でどうするのだと言う事となる。
「大丈夫よ。向かってる途中で愛しのカレンちゃんが心配で心配で仕方がないボーヤはきっと目を覚ますから」
ラクシャータが特に根拠がない事を自信満々に言ったが、そこだけは全員が納得した。着いたがカレンを探さなくていいのか?と耳元で言ったら飛び起きそうである。
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