ヴァリアー編 第9話
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金属で出来ているエレットゥリコ・サーキットに熱を与え避雷針を溶解させる。重みに耐えきれなくなった避雷針は一斉に倒れた。
「いくら大事だと言われても、ボンゴレリングだとか、次期ボスの座だとか……。そんなものの為に俺は戦えない」
静かに宿る炎は段々と小さくなり、
「でも、友達が、仲間が傷つくのは嫌なんだ!」
炎が消える頃にはいつも通りの綱吉に戻っていった。
(……なるほど、君は)
ボンゴレの未来の為、なんて大層な理由ではなく。
ただ仲間の為に、仲間を守りたいが為に力を使うのか。
これが沢田綱吉という男。
「――ほざけ」
瞬間、頭が理解するより先に体が動いていた。
ぞわりと肌が逆立つような、瞬間的な殺気を感じ取ったニナは綱吉に向かって走る。
「う、うわぁ!?」
赤黒い灰のような炎が綱吉に向かって放たれた。
が、ニナは瞬時に綱吉を抱えその場から離れる。
炎が放たれた場所は床に亀裂が生じていた。
ニナは炎の持ち主がいるであろう方向を睨む。
「XANXUS……!」
「カスがハエのようにちょこまかと動きやがって」
XANXUSはもう一度手に光を宿す。ニナはとっさに綱吉を庇うようにして身構える。
しかし綱吉は震えながらもキッと弱々しくXANXUSを睨んだ。
「……なんだ、その目。おまえまさかこの俺に本気で俺を倒して後継者になれると思っているのか?」
「そんなこと思っていないよ。ただ俺はこの戦いで仲間を誰一人失いたくないんだ!」
XANXUSは光り続ける手を振りかざす。
「いけません! ここで手を上げてはリング争奪戦の意味が!」
「うっせぇ!」
その光は綱吉達ではなくチェルベッロに向けられた。
為す術もなく直撃したチェルベッロはそのまま倒れる。
「俺はキレちゃいねぇ。むしろ楽しくなってきやがったぜ。……おい女、続けろ」
「はい。今回の守護者対決は沢田氏の妨害によりレヴィ・ア・タンの勝利とし、雷のリングならびに大空のリングはヴァリアー側のものとなります」
片方のチェルベッロは淡々と結果を告げ、ランボと綱吉のリングを回収する。
「そ、そんな……!」
「フィールドの破損は勝負への妨害とみなします」
フィールドに入ってはいなくとも、ランボを助ける為にフィールドを壊した事実は立派なルール違反だろう。
だがチェルベッロの存在自体がルールであるということは、いつでも彼女達の意思でルールを湾曲できるということ。
(公平を謳っているが、本当に彼女達は中立なのか?)
リングを回収したチェルベッロはXANXUSにリングを渡した。
半分に分かれていたリングが、繋がった。
「これはここにあるのは当然のことだ。これで俺の名でボンゴレの名の下おまえらをいつでも殺せる」
「……!」
「だが、ただおまえを殺すだけじゃつまらん。おまえをやるのはリング争奪戦で本当の絶望を味合わせてからだ。あの老いぼれのようにな」
その。その発言は。
あたかも九代目になんらかの危害を加えたと肯定するような。
「貴様! 九代目に何をした!」
「ぶはっ! それを調べるのがおまえの仕事だろ、門外顧問」
「落ち着け家光」
激昂する家光を止めるリボーンだが、リボーンの手に強く握られている拳銃が冷静を装っていることがうかがえる。
「喜べもどきども。おまえらにはチャンスをやる。残りの勝負も全て行い万が一おまえらが勝ち越すようなことがあれば、リングも地位も全てくれてやる」
これ以上にない傲慢な宣言であった。絶対的な強さの自信のあらわれ。ボスとしての強さ。
「だが負けたら、おまえの大切なもんはすべて消える。せいぜい見せてみろ。あの老いぼれが惚れ込んだ力を」
XANXUSは言いたいことを言って飽きたのか、その場を去った。
「では、明晩のリング争奪戦の対戦カードを発表します。明日の対戦は嵐の守護者の対決です」
嵐、となると。
(ベルフェゴールか……)
八歳の頃に自らヴァリアーに入隊した変わり者。王族の血を引きながらも暗殺者としての道を歩んだ。
(ナイフと爆弾 か。難しいな……)
ベルは頭も切れる。戦闘センスに関してはヴァリアーの中でもトップを誇る。
「ランボ!!」
全員がランボの元へ駆け寄った。特殊な体質とはいえ何度も雷を受け、無事なはずがない。
「すぐに病院へ運ぼう。私が病院まで走る方が早い」
ニナはチラリとヴァリアー側を見る。
そこにはヴァルがまだいた。ヴァルもまた、こちらを見ているような気がした。
だがニナはヴァルを無視し、ランボを抱えて病院へと向かう。
「…………ニナ、おまえは」
ヴァルの声は、雨音に遮られて誰の耳にも届くことはなかった。
「いくら大事だと言われても、ボンゴレリングだとか、次期ボスの座だとか……。そんなものの為に俺は戦えない」
静かに宿る炎は段々と小さくなり、
「でも、友達が、仲間が傷つくのは嫌なんだ!」
炎が消える頃にはいつも通りの綱吉に戻っていった。
(……なるほど、君は)
ボンゴレの未来の為、なんて大層な理由ではなく。
ただ仲間の為に、仲間を守りたいが為に力を使うのか。
これが沢田綱吉という男。
「――ほざけ」
瞬間、頭が理解するより先に体が動いていた。
ぞわりと肌が逆立つような、瞬間的な殺気を感じ取ったニナは綱吉に向かって走る。
「う、うわぁ!?」
赤黒い灰のような炎が綱吉に向かって放たれた。
が、ニナは瞬時に綱吉を抱えその場から離れる。
炎が放たれた場所は床に亀裂が生じていた。
ニナは炎の持ち主がいるであろう方向を睨む。
「XANXUS……!」
「カスがハエのようにちょこまかと動きやがって」
XANXUSはもう一度手に光を宿す。ニナはとっさに綱吉を庇うようにして身構える。
しかし綱吉は震えながらもキッと弱々しくXANXUSを睨んだ。
「……なんだ、その目。おまえまさかこの俺に本気で俺を倒して後継者になれると思っているのか?」
「そんなこと思っていないよ。ただ俺はこの戦いで仲間を誰一人失いたくないんだ!」
XANXUSは光り続ける手を振りかざす。
「いけません! ここで手を上げてはリング争奪戦の意味が!」
「うっせぇ!」
その光は綱吉達ではなくチェルベッロに向けられた。
為す術もなく直撃したチェルベッロはそのまま倒れる。
「俺はキレちゃいねぇ。むしろ楽しくなってきやがったぜ。……おい女、続けろ」
「はい。今回の守護者対決は沢田氏の妨害によりレヴィ・ア・タンの勝利とし、雷のリングならびに大空のリングはヴァリアー側のものとなります」
片方のチェルベッロは淡々と結果を告げ、ランボと綱吉のリングを回収する。
「そ、そんな……!」
「フィールドの破損は勝負への妨害とみなします」
フィールドに入ってはいなくとも、ランボを助ける為にフィールドを壊した事実は立派なルール違反だろう。
だがチェルベッロの存在自体がルールであるということは、いつでも彼女達の意思でルールを湾曲できるということ。
(公平を謳っているが、本当に彼女達は中立なのか?)
リングを回収したチェルベッロはXANXUSにリングを渡した。
半分に分かれていたリングが、繋がった。
「これはここにあるのは当然のことだ。これで俺の名でボンゴレの名の下おまえらをいつでも殺せる」
「……!」
「だが、ただおまえを殺すだけじゃつまらん。おまえをやるのはリング争奪戦で本当の絶望を味合わせてからだ。あの老いぼれのようにな」
その。その発言は。
あたかも九代目になんらかの危害を加えたと肯定するような。
「貴様! 九代目に何をした!」
「ぶはっ! それを調べるのがおまえの仕事だろ、門外顧問」
「落ち着け家光」
激昂する家光を止めるリボーンだが、リボーンの手に強く握られている拳銃が冷静を装っていることがうかがえる。
「喜べもどきども。おまえらにはチャンスをやる。残りの勝負も全て行い万が一おまえらが勝ち越すようなことがあれば、リングも地位も全てくれてやる」
これ以上にない傲慢な宣言であった。絶対的な強さの自信のあらわれ。ボスとしての強さ。
「だが負けたら、おまえの大切なもんはすべて消える。せいぜい見せてみろ。あの老いぼれが惚れ込んだ力を」
XANXUSは言いたいことを言って飽きたのか、その場を去った。
「では、明晩のリング争奪戦の対戦カードを発表します。明日の対戦は嵐の守護者の対決です」
嵐、となると。
(ベルフェゴールか……)
八歳の頃に自らヴァリアーに入隊した変わり者。王族の血を引きながらも暗殺者としての道を歩んだ。
(
ベルは頭も切れる。戦闘センスに関してはヴァリアーの中でもトップを誇る。
「ランボ!!」
全員がランボの元へ駆け寄った。特殊な体質とはいえ何度も雷を受け、無事なはずがない。
「すぐに病院へ運ぼう。私が病院まで走る方が早い」
ニナはチラリとヴァリアー側を見る。
そこにはヴァルがまだいた。ヴァルもまた、こちらを見ているような気がした。
だがニナはヴァルを無視し、ランボを抱えて病院へと向かう。
「…………ニナ、おまえは」
ヴァルの声は、雨音に遮られて誰の耳にも届くことはなかった。