ヴァリアー編 第7話
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「はー負けた負けた!」
「そんなに嬉しそうに負けを認めるんじゃない」
あちこちに痣を作り、笑顔で床に倒れている。
対してニナは気丈として立ったままだ。
「いやーホントニナって強いのな。剣術も使えるなんてすごいぜ」
「……剣技は、スクアーロに教えてもらった。……それと、ヴァルからも」
その言葉で、山本の笑みが消えた。
雨の守護者である山本とスクアーロ。初めて対戦して負けた日から、山本はずっとスクアーロに対して悔しさを抱えている。
「教えてくれよ、アイツのこと」
「そうだな。少しでも情報はあった方がいいか」
~
「う゛お゛ぉい! おまえがヴァルの妹かぁ!?」
バァンッと荒々しくドアが開いた。開いた、と言うよりか蹴破られたと言うべきか。
少し長めの銀髪。黒いヴァリアーの隊服を纏った男、スクアーロはカツカツと歩みを止めずニナの元へまで来た。
「……誰。兄さんの知り合いですか」
「ああ。アイツの妹が見つかったって聞いたからなぁ! 溺愛しているのは知っていたし、顔でも見に行ってやろうかと」
そういうとスクアーロはニナの顔をマジマジと見つめ、不意に胸ぐらを掴んだ。
「――おまえ、人を殺したな」
「……離せ」
掴んでいない方の腕にちくりとした痛みが広がった。
果物ナイフがスクアーロの腕にかすかだが刺さっていた。
ニナの横にある机には、果物が置かれている。
恐らくヴァルが持ってきたのだろう。その時にナイフも置きっ放しにしていたのか。
「それは、おまえの兄貴にでも習ったのか?」
「違う」
(確か、元々こいつらの家は由緒ある家系だったな)
クラルヴァイン家は代々軍人として国に仕えていた。父親も軍人であり、厳格で公平な男だったとか。
(血筋、か。面白いじゃねぇか)
「……もう離してください。じゃないと腕を切る」
「ほう、口だけは達者だなぁ」
そう言うとパッと手を離した。ニナはベッドの上で軽く跳ねる。
「おまえ、これからどうするつもりだ」
「知らない。兄さんにはここにいろと言われた」
「そのまま何十年も部屋に引きこもってんのか?」
「そういうわけじゃ……でも行くところがないだけで……」
「ならちょうどいい。おまえ、ヴァリアーに入れ」
「ゔぁりあー……?」
初めて聞く、聞きなれない単語だった。
スクアーロはドガッと豪快にベッドへ腰かける。
「おまえの兄貴もそこにいる。ヴァリアーはプロの暗殺集団だ」
「暗殺……」
幼いニナでも分かる暗殺という意味。目の前にいる男は何人もの人を殺しているという事実。
「兄さんも、人を殺すんですか」
「ああ。……なんだぁ? その顔は。一人殺そうが何人殺そうが、人を殺した事実は変わらねぇんだ。おまえも俺達と同じだ」
違う、と言いたかった。だけどスクアーロのめちゃくちゃな理論は正しい。
それ以前にこの男が怖かった。
圧倒的な力を持ちそれを躊躇うことなく振るうこの男が。
でも、心のどこかでは私はこの男と同じなのだと。そう納得している自分がいる。
「ヴァルがヴァリアーにいる以上、カス共はアイツの弱みになるおまえをこぞって狙うだろうな。最初はいいだろうが、いつかおまえの存在がアイツの足枷となる」
その時は、きっと兄さんは私を。
「私は、強くなれますか」
「俺は教えるだけだ。後は自分でなんとかしろ」
「そんなに嬉しそうに負けを認めるんじゃない」
あちこちに痣を作り、笑顔で床に倒れている。
対してニナは気丈として立ったままだ。
「いやーホントニナって強いのな。剣術も使えるなんてすごいぜ」
「……剣技は、スクアーロに教えてもらった。……それと、ヴァルからも」
その言葉で、山本の笑みが消えた。
雨の守護者である山本とスクアーロ。初めて対戦して負けた日から、山本はずっとスクアーロに対して悔しさを抱えている。
「教えてくれよ、アイツのこと」
「そうだな。少しでも情報はあった方がいいか」
~
「う゛お゛ぉい! おまえがヴァルの妹かぁ!?」
バァンッと荒々しくドアが開いた。開いた、と言うよりか蹴破られたと言うべきか。
少し長めの銀髪。黒いヴァリアーの隊服を纏った男、スクアーロはカツカツと歩みを止めずニナの元へまで来た。
「……誰。兄さんの知り合いですか」
「ああ。アイツの妹が見つかったって聞いたからなぁ! 溺愛しているのは知っていたし、顔でも見に行ってやろうかと」
そういうとスクアーロはニナの顔をマジマジと見つめ、不意に胸ぐらを掴んだ。
「――おまえ、人を殺したな」
「……離せ」
掴んでいない方の腕にちくりとした痛みが広がった。
果物ナイフがスクアーロの腕にかすかだが刺さっていた。
ニナの横にある机には、果物が置かれている。
恐らくヴァルが持ってきたのだろう。その時にナイフも置きっ放しにしていたのか。
「それは、おまえの兄貴にでも習ったのか?」
「違う」
(確か、元々こいつらの家は由緒ある家系だったな)
クラルヴァイン家は代々軍人として国に仕えていた。父親も軍人であり、厳格で公平な男だったとか。
(血筋、か。面白いじゃねぇか)
「……もう離してください。じゃないと腕を切る」
「ほう、口だけは達者だなぁ」
そう言うとパッと手を離した。ニナはベッドの上で軽く跳ねる。
「おまえ、これからどうするつもりだ」
「知らない。兄さんにはここにいろと言われた」
「そのまま何十年も部屋に引きこもってんのか?」
「そういうわけじゃ……でも行くところがないだけで……」
「ならちょうどいい。おまえ、ヴァリアーに入れ」
「ゔぁりあー……?」
初めて聞く、聞きなれない単語だった。
スクアーロはドガッと豪快にベッドへ腰かける。
「おまえの兄貴もそこにいる。ヴァリアーはプロの暗殺集団だ」
「暗殺……」
幼いニナでも分かる暗殺という意味。目の前にいる男は何人もの人を殺しているという事実。
「兄さんも、人を殺すんですか」
「ああ。……なんだぁ? その顔は。一人殺そうが何人殺そうが、人を殺した事実は変わらねぇんだ。おまえも俺達と同じだ」
違う、と言いたかった。だけどスクアーロのめちゃくちゃな理論は正しい。
それ以前にこの男が怖かった。
圧倒的な力を持ちそれを躊躇うことなく振るうこの男が。
でも、心のどこかでは私はこの男と同じなのだと。そう納得している自分がいる。
「ヴァルがヴァリアーにいる以上、カス共はアイツの弱みになるおまえをこぞって狙うだろうな。最初はいいだろうが、いつかおまえの存在がアイツの足枷となる」
その時は、きっと兄さんは私を。
「私は、強くなれますか」
「俺は教えるだけだ。後は自分でなんとかしろ」