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ヴァリアー編 第6話

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主人公の名前

夜の十一時。この時間の学校は人っ子一人おらず、恐ろしいほど静かだった。

そんな静寂を破る者が数名。

ヴァリアーはとっくに学校に来ており、綱吉達はバラバラながらも集まっていた。

ニナは。

「……」

綱吉達とは離れた所、屋上でニナは事の成り行きを見守る。

極力ヴァリアー側と顔を合わしたくないという思いからニナは全員と距離を取っていた。

そしてどことなく現れたチェルベッロ機関は静かに告げた。

「厳正なる競技の結果今宵のリング争奪戦、第一戦は晴れの守護者同士の対決です」

(ルッスーリアか)

了平、ルッスーリアも格闘技を得意とする。

代々晴れの守護者は強力な拳や足を持っていたという。

「まぁ! あなたいい体してるじゃない!!」

了平が服を脱いだ瞬間、現れる屈強な体にルッスーリアは歓喜した。

ルッスーリアには収集癖があった。自分好みの体があると必ず持ち帰り、コレクションにする。

(ただし死体で、だけど)

そんなルッスーリアに気に入られるほど了平は自身を鍛えているということだ。

それはいいことなのだが。運がないとも思える。

晴の対決に用意された特設リングは四方八方から照らされる光、擬似太陽により中の様子が全く見えない。

まぶしさにニナは目を細めながら、どうしたものかと悩んでいると、

「これを使え」

そう言ってサングラスを差し出したのは家光だった。横には弟子のバジルもいる。

バジルと会うのはスクアーロが突然来た日以来だ。怪我も治ったらしい。

「……ありがとう」

サングラスがなければ何も見えないので、ここは素直に受け取る。

「さて、この状況を見てどう思う? ニナ

「不利に決まっている。ルッスーリアは元からサングラスをかけているが、了平には何もない。何より」

了平のパンチにわざわざ当たりにいったルッスーリアは空中にはじき飛ばされる。

また構えを取った了平は今の感触でルッスーリアは空中にいると察し、構えを取る。

「ルッスーリアの左足は最強だ」

了平の拳がルッスーリアの左足に当たる。だが悲鳴をあげたのは了平だった。

「ぐあっ! 腕が!」

電熱により熱せられたローブにより、もたれても背を焼き尽くされる。

「ルッスーリアの左足には鋼鉄が埋め込まれている。リョウヘイの手は使い物にならないだろう」

「それにライトの熱で脱水症状を起こしています。このままだと……」

やはり無理だったか。とニナは落胆した。数日前までただの中学生だった彼等がプロの暗殺者に勝つなど。

「いいや、まだだ」

圧倒的不利な状況だというのに、家光は諦めていなかった。

晴の守護者の役割は逆境を砕くこと。

ならば今の了平の状況こそ逆境を砕く時。

「立てコラ!」

現れるは小さな赤ん坊。リボーンと同じ、おしゃぶりを持っている。

「アルコバレーノ……?」

「コロネロ師匠!」

「おまえの本当の力を見せてやれ、了平!」

コロネロ、その名前には聞き覚えがあった。

元イタリア海軍潜水奇襲部隊員。狙撃の腕は誰よりも強い。

そんな赤ん坊が何故ここにいるのか。

「コロネロには笹川了平の家庭教師を頼んだ」

その疑問に答えるよう家光は告げた。

「……フッ」

思わず笑みがこぼれる。綱吉といるといつも予想外の事が起きる。

これほどの人材を集めるとは。いや、綱吉ではなく家庭教師のリボーンの力か。

(全く、ツナヨシの周りには面白い人がたくさんいるな)
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