ヴァリアー編 第5話
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「……は」
見慣れた天井。やけに目覚めがいい。
もしかして今の今まで全て悪い夢だったのでは。
「……なわけないよな」
手首にハッキリと残る手形が全て現実だと思い知らせる。
~
綱吉達とXANXUS達の前に現れた家光。九代目からの勅命を持って。
内容はこうだ。九代目はXANXUSを支持し、家光は綱吉を支持すると意見が分かれた。
無益なファミリー同士の争いを避けるため、ボンゴレ公認の決闘。すなわち一対一の真剣勝負を行うことを決めた。
そして決闘を審判するは、自らをチェルベッロ機関と名乗る謎の女性達。
今回の勝負においてチェルベッロ機関の決定は九代目の決定と同義だと。
真の守護者を決める勝負は明日。明晩十一時で並盛中学にて勝負は行われる。
伝えることだけを伝えて、チェルベッロとヴァリアーは消えた。
これ以上にこの場にいる意味はないし、ニナも帰ろうとすると獄寺に強く腕を捕まれた。
「待て。さっきの変なヤローといい、おまえは一体何者なんだ」
「そ、そうだよ。ニナさんてあの人と知り合いなの?」
これ以上隠すのは無理か。ニナがチラリと山本を見ると、決まりが悪そうに笑った。
「教えてあげたいのも山々だが、タケシが私に勝ったら教えると賭けをしていてね」
「なんだと!?」
「いや、悪い悪い。まだ一度も勝ててないんだわ」
今にも噛みつきそうな獄寺に山本は笑う。
「まぁ隠しているというのも悪いし、少しだけならいいぞ。……そうだな、明日の昼休みに屋上に来てくれ」
~
「はぁ……面倒だ」
嫌々ながらも制服に着替える。昼ご飯はいつもコンビニで買っていた。
今日から、リング争奪戦が始まる。
ニナの出番はいつになるのだろうか。
(それより毎日ヴァルと会うのが嫌すぎる)
遠い所から見るというのは駄目なのか。
目の前にニナがいてヴァルが冷静でいられるは思わない。
ここは皆の安全の為に離れて観戦したほうが良い気がする。
「行かなきゃ」
カバンを持って部屋を出た。
そういえば五日も学校に来ていない。
ニナが学校に来なくても、通常通り日常は進んでいることに少し寂しく思ったり。
(何考えているんだ。いつかは日本から離れないといけないのに)
チラホラと同じ制服で登校している生徒が増えてきた。
(学生ごっこは、中々楽しかったが)
思ったより、この生活を楽しんでいる自分がいることに驚く。
柄でもないな、と誰にも気づかれないように密かに笑った。
~
「スクアーロ」
バルコニーでワインを飲むスクアーロに静かに声をかけるヴァル。
「なんだぁ、ヴァレンティーン」
「おまえ、ニナがここにいることを何故教えなかった」
「知らねぇなぁ」
見え透いた嘘を。隠し持っている短剣を強く握りしめた。
「ニナがどこにいようが、何をしようが知ったこっちゃねぇ。……と、言いたいとこだが今回はそういうわけにはいかねぇなぁ?」
ヴァルの風のリングがキラリと光る。
向こうの風の守護者はニナ。ということはヴァルとニナの対決は逃れようがない。
おまえは、ニナと戦えるのか?
暗にスクアーロはそう言っている。ヴァルはフッと冷たく笑った。
「妹の過ちをただすのは兄の役目だ。……そうだな、今度こそ俺以外の人間に見向きもしないぐらい、痛めつけて痛めつけて教育し直すのもいいな」
手足の一本ぐらい、失ったって良い。要はニナがここにいればいいのだから。
以前までは力がなかった。自分一人でニナを守れる程の力が。
だが今は違う。この身一つでもニナを守れる。
もう十二年前のような無力で無能だった自分ではない。
「……相変わらず気味の悪いやつだなぁ」
歪みすぎた愛情に、辟易しながらワインをあおる。
――私は、いわば人形なんだ。がんじがらめに糸を絡められた、指一本すら動くことの出来ない人形。
いつだったか、ニナが告げた言葉を思い出す。
「……だからおまえは、いつまで経ってもカスなんだ」
見慣れた天井。やけに目覚めがいい。
もしかして今の今まで全て悪い夢だったのでは。
「……なわけないよな」
手首にハッキリと残る手形が全て現実だと思い知らせる。
~
綱吉達とXANXUS達の前に現れた家光。九代目からの勅命を持って。
内容はこうだ。九代目はXANXUSを支持し、家光は綱吉を支持すると意見が分かれた。
無益なファミリー同士の争いを避けるため、ボンゴレ公認の決闘。すなわち一対一の真剣勝負を行うことを決めた。
そして決闘を審判するは、自らをチェルベッロ機関と名乗る謎の女性達。
今回の勝負においてチェルベッロ機関の決定は九代目の決定と同義だと。
真の守護者を決める勝負は明日。明晩十一時で並盛中学にて勝負は行われる。
伝えることだけを伝えて、チェルベッロとヴァリアーは消えた。
これ以上にこの場にいる意味はないし、ニナも帰ろうとすると獄寺に強く腕を捕まれた。
「待て。さっきの変なヤローといい、おまえは一体何者なんだ」
「そ、そうだよ。ニナさんてあの人と知り合いなの?」
これ以上隠すのは無理か。ニナがチラリと山本を見ると、決まりが悪そうに笑った。
「教えてあげたいのも山々だが、タケシが私に勝ったら教えると賭けをしていてね」
「なんだと!?」
「いや、悪い悪い。まだ一度も勝ててないんだわ」
今にも噛みつきそうな獄寺に山本は笑う。
「まぁ隠しているというのも悪いし、少しだけならいいぞ。……そうだな、明日の昼休みに屋上に来てくれ」
~
「はぁ……面倒だ」
嫌々ながらも制服に着替える。昼ご飯はいつもコンビニで買っていた。
今日から、リング争奪戦が始まる。
ニナの出番はいつになるのだろうか。
(それより毎日ヴァルと会うのが嫌すぎる)
遠い所から見るというのは駄目なのか。
目の前にニナがいてヴァルが冷静でいられるは思わない。
ここは皆の安全の為に離れて観戦したほうが良い気がする。
「行かなきゃ」
カバンを持って部屋を出た。
そういえば五日も学校に来ていない。
ニナが学校に来なくても、通常通り日常は進んでいることに少し寂しく思ったり。
(何考えているんだ。いつかは日本から離れないといけないのに)
チラホラと同じ制服で登校している生徒が増えてきた。
(学生ごっこは、中々楽しかったが)
思ったより、この生活を楽しんでいる自分がいることに驚く。
柄でもないな、と誰にも気づかれないように密かに笑った。
~
「スクアーロ」
バルコニーでワインを飲むスクアーロに静かに声をかけるヴァル。
「なんだぁ、ヴァレンティーン」
「おまえ、ニナがここにいることを何故教えなかった」
「知らねぇなぁ」
見え透いた嘘を。隠し持っている短剣を強く握りしめた。
「ニナがどこにいようが、何をしようが知ったこっちゃねぇ。……と、言いたいとこだが今回はそういうわけにはいかねぇなぁ?」
ヴァルの風のリングがキラリと光る。
向こうの風の守護者はニナ。ということはヴァルとニナの対決は逃れようがない。
おまえは、ニナと戦えるのか?
暗にスクアーロはそう言っている。ヴァルはフッと冷たく笑った。
「妹の過ちをただすのは兄の役目だ。……そうだな、今度こそ俺以外の人間に見向きもしないぐらい、痛めつけて痛めつけて教育し直すのもいいな」
手足の一本ぐらい、失ったって良い。要はニナがここにいればいいのだから。
以前までは力がなかった。自分一人でニナを守れる程の力が。
だが今は違う。この身一つでもニナを守れる。
もう十二年前のような無力で無能だった自分ではない。
「……相変わらず気味の悪いやつだなぁ」
歪みすぎた愛情に、辟易しながらワインをあおる。
――私は、いわば人形なんだ。がんじがらめに糸を絡められた、指一本すら動くことの出来ない人形。
いつだったか、ニナが告げた言葉を思い出す。
「……だからおまえは、いつまで経ってもカスなんだ」