ヴァリアー編 第4話
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イタリアのどこか。おどろおどろしい城。
じっと窓の外から風景を眺めている男がいた。
ここは男の部屋ではない。ズラリと壁一面に並んだ本棚。テレビの横にキチンと並んでいるゲームカセット。
ここはかつて男が誰よりも愛していた少女の部屋。
十二年前に離れ離れになり、六年前にやっと見つけた、血の繋がった妹。
「……どこだ」
それなのに。無情にもまた彼女はこの手から離れていった。
あんなに愛していたのに。あんなに大切にしていたのに。どうして。
「……待っていろニナ。すぐに迎えに行くからな」
~
『だーかーらー。手紙じゃいつどこで勝手に読まれるか分からないからああやって曖昧な風にしたんじゃないですかぁ』
「そもそも手紙だと届くのに時間がかかるだろう! 電話にしてくれ」
『それはそれで盗み聞きされる心配もありますよー。ていうかそろそろ専用の携帯買ってくださいよニナさん』
情報屋の言う事にも一理はある。そもそも何故手紙を送ってきたかというと通常の連絡手段だと相手に居場所をかぎつけられる可能性がある。
手紙が安全なわけではないが、百パーセントニナがここにいるということを確信づけられるものではない。
――動き出した。
あの手紙には、一文だけしか書かれていなかった。
だから昨日スクアーロが来るとは思わなかったし、ボンゴレリングの争いが始まっているなんて全く知らなかった。
ニナはディーノから受け取った風のリングを見つめる。
「……リングが動いたということは、目覚めたのか」
『そうみたいっすね。まぁ目覚めたのは一ヶ月前で、ボンゴレ本部がそのことを知ったのはつい最近みたいですよ』
「おまえ、知っていたな」
『僕はニナさんの兄貴の行動を見張れとしか言われてませんしねー。今だってニナさんだから特別に情報を提供しているんですよ』
腕は確かなのだが、姑息な上にかなりの高額を要求してくる。
そんな強欲なところは、ヴァリアーのあの術士を連想させてしまう。
「なら今の金額の倍は払う。この一ヶ月のヴァリアーの行動、そしてこれからの行動について情報を集めてくれ」
『はいはい。デートしてくれるなら三割引にしときますよ』
「死ね」
『冗談ですって。料金も今と同じでいいですよ。Arrivederci! 』
そう言って電話は切れた。イタリア人特有の軽さと調子が良すぎるところは苦手だ。
それより問題なのは、
「XANXUS……」
この六年間、ついに会うことはなかった男。八年前のあの事件から凍り漬けになってしまった人。
ボス不在の組織に、誰も異を唱える者はいなかった。理由を聞こうとも聞ける空気じゃなかった。
だから自分で調べることにした。XANXUS。ボンゴレファミリー九代目の息子。
実力、カリスマ性共に申し分ない。だがある日、事件が起こった。
「……と、いけない。学校に遅れる」
時計を見ると今から出ないと遅刻する時刻だった。
並盛中学には規則に厳しい風紀委員がいる。彼等にニナが負けるとは思っていないが、無闇に争うことは好まない。
急いで制服に着替えて部屋を出た。
だが道に立っている人物を見て、思わず足を止めた。
「沢田家光……」
門外顧問のボスにして九代目の次に権力を持つ男。
そして綱吉の父親
「初めまして。君がニナ・クラルヴァインだな」
「……初めまして」
「ディーノの代わりに返事を聞きに来た。いい返事を聞けると期待しているが」
「分からない。どうして私を守護者として選んだのか。それが納得出来なければこれは断る」
「うむ、いいだろう。何を隠そう君を風の守護者に選んだのは俺だからな」
ますます分からなくなった。この男はニナの素性を知っているはずだ。
「君はいまこう思っているな? 何故元ヴァリアー隊員である自分を選んだのかと」
じっと窓の外から風景を眺めている男がいた。
ここは男の部屋ではない。ズラリと壁一面に並んだ本棚。テレビの横にキチンと並んでいるゲームカセット。
ここはかつて男が誰よりも愛していた少女の部屋。
十二年前に離れ離れになり、六年前にやっと見つけた、血の繋がった妹。
「……どこだ」
それなのに。無情にもまた彼女はこの手から離れていった。
あんなに愛していたのに。あんなに大切にしていたのに。どうして。
「……待っていろニナ。すぐに迎えに行くからな」
~
『だーかーらー。手紙じゃいつどこで勝手に読まれるか分からないからああやって曖昧な風にしたんじゃないですかぁ』
「そもそも手紙だと届くのに時間がかかるだろう! 電話にしてくれ」
『それはそれで盗み聞きされる心配もありますよー。ていうかそろそろ専用の携帯買ってくださいよニナさん』
情報屋の言う事にも一理はある。そもそも何故手紙を送ってきたかというと通常の連絡手段だと相手に居場所をかぎつけられる可能性がある。
手紙が安全なわけではないが、百パーセントニナがここにいるということを確信づけられるものではない。
――動き出した。
あの手紙には、一文だけしか書かれていなかった。
だから昨日スクアーロが来るとは思わなかったし、ボンゴレリングの争いが始まっているなんて全く知らなかった。
ニナはディーノから受け取った風のリングを見つめる。
「……リングが動いたということは、目覚めたのか」
『そうみたいっすね。まぁ目覚めたのは一ヶ月前で、ボンゴレ本部がそのことを知ったのはつい最近みたいですよ』
「おまえ、知っていたな」
『僕はニナさんの兄貴の行動を見張れとしか言われてませんしねー。今だってニナさんだから特別に情報を提供しているんですよ』
腕は確かなのだが、姑息な上にかなりの高額を要求してくる。
そんな強欲なところは、ヴァリアーのあの術士を連想させてしまう。
「なら今の金額の倍は払う。この一ヶ月のヴァリアーの行動、そしてこれからの行動について情報を集めてくれ」
『はいはい。デートしてくれるなら三割引にしときますよ』
「死ね」
『冗談ですって。料金も今と同じでいいですよ。
そう言って電話は切れた。イタリア人特有の軽さと調子が良すぎるところは苦手だ。
それより問題なのは、
「XANXUS……」
この六年間、ついに会うことはなかった男。八年前のあの事件から凍り漬けになってしまった人。
ボス不在の組織に、誰も異を唱える者はいなかった。理由を聞こうとも聞ける空気じゃなかった。
だから自分で調べることにした。XANXUS。ボンゴレファミリー九代目の息子。
実力、カリスマ性共に申し分ない。だがある日、事件が起こった。
「……と、いけない。学校に遅れる」
時計を見ると今から出ないと遅刻する時刻だった。
並盛中学には規則に厳しい風紀委員がいる。彼等にニナが負けるとは思っていないが、無闇に争うことは好まない。
急いで制服に着替えて部屋を出た。
だが道に立っている人物を見て、思わず足を止めた。
「沢田家光……」
門外顧問のボスにして九代目の次に権力を持つ男。
そして綱吉の父親
「初めまして。君がニナ・クラルヴァインだな」
「……初めまして」
「ディーノの代わりに返事を聞きに来た。いい返事を聞けると期待しているが」
「分からない。どうして私を守護者として選んだのか。それが納得出来なければこれは断る」
「うむ、いいだろう。何を隠そう君を風の守護者に選んだのは俺だからな」
ますます分からなくなった。この男はニナの素性を知っているはずだ。
「君はいまこう思っているな? 何故元ヴァリアー隊員である自分を選んだのかと」