第2話
夢小説設定
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「すみませんでした」
「まさかゲーセンで役の名前呼ばれるとは思わなかった」
あの後、瀬奈がティボルトと叫んだことで周りの人がざわめきだした。
ティボルトってなんだ? なんか聞いたことある。ロミジュリでいなかったっけ?
そのような呟きが聞こえてくる。瀬奈は自分のせいで騒ぎになり今すぐこの場を去りたくなった。
一方ティボルトと呼ばれた男は。
「……ちょっと来て」
そう言って瀬奈の手を引き外に連れ出した。
「え、あの」
「いいから。気まずいでしょ」
ゲームセンターの裏側にまで連れてこられた瀬奈は怯えながら男を見る。
「……フッ。別に取って食わないから。で、なんで俺のことティボルトって呼んだの?」
改めて真正面から見ると、世に言うイケメンだった。
きっと会社でもモテているのであろう。
「えっと、この前の公演観に行ったから……春組の」
「なるほどね。それで俺のこと覚えてたんだ」
どんなにイケメンでも尋問されてはたまったものではない。
ジリジリと恐怖心から後ろに下がり、とうとう壁にぶつかった。
「だからそう怖がらないでって。別に怒ってはないんだから」
「そ、そうなんですか?」
男は横の自動販売機でジュースを二本買い、瀬奈に一本渡した。
「いいんですか?」
「うん。怖がらせたお詫び」
「ありがとうございます。ティボルトさん?」
「プッ。ティボルトじゃなくて茅ヶ崎至ね。君は?」
「……く、栗生瀬奈です」
ティボルト、もとい至は笑いながらジュースを飲む。
「劇観に来てくれたんだ?」
「はい。クラスメイトが碓氷君のファンで。半ば無理矢理連れてこられたんですけど」
「ああ、アイツファン多そうだしね」
「でも、実際観に行ったらすごく面白かったです。まさか碓氷君が演劇やってるなんて思わなかったし。学校では全く喋らないけど」
「想像できるわ。真澄と同じクラス?」
「はい。でも向こうは私のこと知らないと思いますよ。多分未だにクラス全員の名前把握してないかと」
「でもロミオやった佐久間咲也って花咲学園三年だし、咲也だけは知ってるんじゃないかな」
「え、そうなんですか」
三年のことは把握してないがまさか同じ学校にロミオをやった役者がいるなんて。
(日本って狭いなぁ)
「あの……茅ヶ崎さんてゲーム好きなんですか?」
「そうだよ。意外?」
「いえ。スーツ着てゲーセン行くってよほどジャンキーなんだなって。後、すごい爽やかに見えるのにゲームが好きって、見た目と中身が一致しないってよく言われません?」
至はパチクリと目を見開き##NAME1#を見た。
何かマズいことを言ったかと思い、身を縮める。
最初に至はクックと笑いを堪えるが、耐えきれなかったのか笑い出した。
さながらRPGのボスキャラが段階を分けて笑うように。
「俺、会社では出来る爽やかキャラで通ってんの。だから誰にもゲームが趣味って言ってないんだわ」
さきほどと打って変わり、ラフな喋り方になった。
「いやー初対面で初めて言われた。ま、ゲーセン来てる時点で爽やかキャラ通すのは無理だと思ってたけど」
(さ、さっきと全然違う……!)
「がっかり?」
「いや、むしろそっちの方が面白いしいいと思います」
「ハハッ。面白い、ね。栗生さんも中々面白いとは思うけど」
「そうですか? 茅ヶ崎さんほどではないと思うんですけど」
「あ、至でいいよ。俺も瀬奈さんって呼ぶし」
流石に社会人を下の名前で呼んで良いのか気が引けたが、本人がいいと言うなら呼ぶしかない。
「至さん?」
「そう。じゃ、そろそろ帰った方がいいよ。遅くなったら危ないし」
(面白い人だったな)
偶然出会っただけだが、これからもまた会うことになるとは今の瀬奈は思いもしなかった。
「まさかゲーセンで役の名前呼ばれるとは思わなかった」
あの後、瀬奈がティボルトと叫んだことで周りの人がざわめきだした。
ティボルトってなんだ? なんか聞いたことある。ロミジュリでいなかったっけ?
そのような呟きが聞こえてくる。瀬奈は自分のせいで騒ぎになり今すぐこの場を去りたくなった。
一方ティボルトと呼ばれた男は。
「……ちょっと来て」
そう言って瀬奈の手を引き外に連れ出した。
「え、あの」
「いいから。気まずいでしょ」
ゲームセンターの裏側にまで連れてこられた瀬奈は怯えながら男を見る。
「……フッ。別に取って食わないから。で、なんで俺のことティボルトって呼んだの?」
改めて真正面から見ると、世に言うイケメンだった。
きっと会社でもモテているのであろう。
「えっと、この前の公演観に行ったから……春組の」
「なるほどね。それで俺のこと覚えてたんだ」
どんなにイケメンでも尋問されてはたまったものではない。
ジリジリと恐怖心から後ろに下がり、とうとう壁にぶつかった。
「だからそう怖がらないでって。別に怒ってはないんだから」
「そ、そうなんですか?」
男は横の自動販売機でジュースを二本買い、瀬奈に一本渡した。
「いいんですか?」
「うん。怖がらせたお詫び」
「ありがとうございます。ティボルトさん?」
「プッ。ティボルトじゃなくて茅ヶ崎至ね。君は?」
「……く、栗生瀬奈です」
ティボルト、もとい至は笑いながらジュースを飲む。
「劇観に来てくれたんだ?」
「はい。クラスメイトが碓氷君のファンで。半ば無理矢理連れてこられたんですけど」
「ああ、アイツファン多そうだしね」
「でも、実際観に行ったらすごく面白かったです。まさか碓氷君が演劇やってるなんて思わなかったし。学校では全く喋らないけど」
「想像できるわ。真澄と同じクラス?」
「はい。でも向こうは私のこと知らないと思いますよ。多分未だにクラス全員の名前把握してないかと」
「でもロミオやった佐久間咲也って花咲学園三年だし、咲也だけは知ってるんじゃないかな」
「え、そうなんですか」
三年のことは把握してないがまさか同じ学校にロミオをやった役者がいるなんて。
(日本って狭いなぁ)
「あの……茅ヶ崎さんてゲーム好きなんですか?」
「そうだよ。意外?」
「いえ。スーツ着てゲーセン行くってよほどジャンキーなんだなって。後、すごい爽やかに見えるのにゲームが好きって、見た目と中身が一致しないってよく言われません?」
至はパチクリと目を見開き##NAME1#を見た。
何かマズいことを言ったかと思い、身を縮める。
最初に至はクックと笑いを堪えるが、耐えきれなかったのか笑い出した。
さながらRPGのボスキャラが段階を分けて笑うように。
「俺、会社では出来る爽やかキャラで通ってんの。だから誰にもゲームが趣味って言ってないんだわ」
さきほどと打って変わり、ラフな喋り方になった。
「いやー初対面で初めて言われた。ま、ゲーセン来てる時点で爽やかキャラ通すのは無理だと思ってたけど」
(さ、さっきと全然違う……!)
「がっかり?」
「いや、むしろそっちの方が面白いしいいと思います」
「ハハッ。面白い、ね。栗生さんも中々面白いとは思うけど」
「そうですか? 茅ヶ崎さんほどではないと思うんですけど」
「あ、至でいいよ。俺も瀬奈さんって呼ぶし」
流石に社会人を下の名前で呼んで良いのか気が引けたが、本人がいいと言うなら呼ぶしかない。
「至さん?」
「そう。じゃ、そろそろ帰った方がいいよ。遅くなったら危ないし」
(面白い人だったな)
偶然出会っただけだが、これからもまた会うことになるとは今の瀬奈は思いもしなかった。