第6話
夢小説設定
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「咲良ちゃん! 足は大丈夫!?」
体育館に戻ると、真っ先に千鶴が咲良の元へ行った。
「悪いな、歩ける程度には治ったが試合に出さない。交代した奴はそのまま続けてくれ」
生徒会席に座った咲良は、まず全員に謝った。
「ごめんなさい。役に立てなくて、迷惑をかけて」
あれだけ勢いよく啖呵を切って。結局このザマだった。
勢いよく頭を下げる。続く沈黙が咲良を襲っていた。
「……ま、まぁ大事にならなくて良かったっていうか」
「そうだよな。ちょっと無茶させすぎたな」
そう言ったのは、先日咲良に対して不満を呟いたクラスメイトだった。
少し気まずそうに、だけど自分達の非はハッキリと認めて。
「ごめん。練習の時に馬鹿にして。如月さんすっげぇ頑張ってたし、練習も俺等よりやってたし……」
「と、とにかくごめん」
「あ、いや別に謝る必要なんか……むしろ私の方こそごめんっていうか……」
「そこまでだ。お互い反省したならそれでいい。球技大会はクラスの仲を深めるためにあるんだ。勝ち負けは二の次だ。……だが」
そこで土方は一旦言葉を切り、ニヤリと笑った。
「おまえ等も、やるからには勝ちたいだろう?」
場の雰囲気が変わった。全員の気持ちが一致したような、気持ちが高ぶっていくような感覚。
「よし、じゃあ行ってこい」
「うっしゃ、頑張るぞ!」
「おお!」
「……すごいですね」
率直にそう思った。自分のせいで場の雰囲気が悪くなりかけたのに、土方はすぐに良い方向へと変えていった。
(前世はどこかの国の軍師でもやってたんじゃないか?)
「私も、自分の仕事をしないと」
試合は休ませてもらった。だが生徒会の仕事を放棄するわけにはいかない。
「咲良さん、足の怪我は大丈夫ですか」
「はい。捻挫なので試合には出られませんが、仕事はちゃんとやります」
この時ほど、生徒会にもっと人数がいればと思った時はない。
来年からは人員獲得の為にもっと頑張ろうと心に決めた。
「後何試合ですか?」
「三試合です。咲良さんのクラスも順調に勝ち進んでいるようですね」
その言葉を聞いてフッと笑みがこぼれる。
負けるときは負ける。そんなことを言っていたのに、存外あの先生も負けず嫌いなようだ。
「そういえば、天霧さんは土方先生のことはどれくらい知っているんですか?」
「そうですね……まず土方さんは風間と年が同じで、同級生でしたので彼の学生時代の頃はよく存じ上げていますよ」
――ガタッ!
これは咲良が勢いよく椅子から転げ落ちた音だ。
風間と土方が同い年。そして同級生。
二重の驚きで思わずコントのように椅子から落ち、地べたにへたりつく。
「咲良さん!? 足の怪我は」
「だ、大丈夫です……。風間と先生が、同級生?」
それなら風間は一体何年高校生を……。と思ったが。
「ああ、実は風間はとっくに高校は飛び級で卒業し大学で博士号も取得しているのですよ」
――ガッ!
これは咲良が椅子に座り直そうとし、そして勢いよく足を椅子にぶつけた音だ。
「咲良さん!?」
「大丈夫です。捻挫していない方の足をぶつけただけなので。……風間がとっくに高校を卒業しているって、本当ですか?」
「ええ。高校二年目の時点で卒業に必要な単位を取ってしまったので。そのまま風間はイギリスの大学に」
「イ、イギリス……」
ならば何故また高校に。という疑問は浮かんだがなにせあの風間だ。咲良には到底理解できないであろうし理解したくもない。
「本当に分からない人だな……」
体育館に戻ると、真っ先に千鶴が咲良の元へ行った。
「悪いな、歩ける程度には治ったが試合に出さない。交代した奴はそのまま続けてくれ」
生徒会席に座った咲良は、まず全員に謝った。
「ごめんなさい。役に立てなくて、迷惑をかけて」
あれだけ勢いよく啖呵を切って。結局このザマだった。
勢いよく頭を下げる。続く沈黙が咲良を襲っていた。
「……ま、まぁ大事にならなくて良かったっていうか」
「そうだよな。ちょっと無茶させすぎたな」
そう言ったのは、先日咲良に対して不満を呟いたクラスメイトだった。
少し気まずそうに、だけど自分達の非はハッキリと認めて。
「ごめん。練習の時に馬鹿にして。如月さんすっげぇ頑張ってたし、練習も俺等よりやってたし……」
「と、とにかくごめん」
「あ、いや別に謝る必要なんか……むしろ私の方こそごめんっていうか……」
「そこまでだ。お互い反省したならそれでいい。球技大会はクラスの仲を深めるためにあるんだ。勝ち負けは二の次だ。……だが」
そこで土方は一旦言葉を切り、ニヤリと笑った。
「おまえ等も、やるからには勝ちたいだろう?」
場の雰囲気が変わった。全員の気持ちが一致したような、気持ちが高ぶっていくような感覚。
「よし、じゃあ行ってこい」
「うっしゃ、頑張るぞ!」
「おお!」
「……すごいですね」
率直にそう思った。自分のせいで場の雰囲気が悪くなりかけたのに、土方はすぐに良い方向へと変えていった。
(前世はどこかの国の軍師でもやってたんじゃないか?)
「私も、自分の仕事をしないと」
試合は休ませてもらった。だが生徒会の仕事を放棄するわけにはいかない。
「咲良さん、足の怪我は大丈夫ですか」
「はい。捻挫なので試合には出られませんが、仕事はちゃんとやります」
この時ほど、生徒会にもっと人数がいればと思った時はない。
来年からは人員獲得の為にもっと頑張ろうと心に決めた。
「後何試合ですか?」
「三試合です。咲良さんのクラスも順調に勝ち進んでいるようですね」
その言葉を聞いてフッと笑みがこぼれる。
負けるときは負ける。そんなことを言っていたのに、存外あの先生も負けず嫌いなようだ。
「そういえば、天霧さんは土方先生のことはどれくらい知っているんですか?」
「そうですね……まず土方さんは風間と年が同じで、同級生でしたので彼の学生時代の頃はよく存じ上げていますよ」
――ガタッ!
これは咲良が勢いよく椅子から転げ落ちた音だ。
風間と土方が同い年。そして同級生。
二重の驚きで思わずコントのように椅子から落ち、地べたにへたりつく。
「咲良さん!? 足の怪我は」
「だ、大丈夫です……。風間と先生が、同級生?」
それなら風間は一体何年高校生を……。と思ったが。
「ああ、実は風間はとっくに高校は飛び級で卒業し大学で博士号も取得しているのですよ」
――ガッ!
これは咲良が椅子に座り直そうとし、そして勢いよく足を椅子にぶつけた音だ。
「咲良さん!?」
「大丈夫です。捻挫していない方の足をぶつけただけなので。……風間がとっくに高校を卒業しているって、本当ですか?」
「ええ。高校二年目の時点で卒業に必要な単位を取ってしまったので。そのまま風間はイギリスの大学に」
「イ、イギリス……」
ならば何故また高校に。という疑問は浮かんだがなにせあの風間だ。咲良には到底理解できないであろうし理解したくもない。
「本当に分からない人だな……」