ツイッターコナーまとめ
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「警部補の居場所をご存知ありませんか。」
まるで犬みたいにハンクを探し回るアンドロイドがおかしくて、ちょっと意地悪してやろう、なんて思った私は「私にキスできたら教えてあげるわ、子犬ちゃん」と笑った。くるり、と彼のLEDが黄色に回ったのを見て「お、困ってる」なんて喜んだのもつかの間、「ちゅ」と唇に感触。鼻の先が一瞬擦れて、キスをされたことを悟る。
「さあ、教えて下さい」
ちっとも動じもしないでアンドロイドが言うから、わたしはおもしろくない。ムッとして意地になった。
「ダメよ、今のは全然セクシーじゃなかったもの。」
ドキドキさせてくれなきゃダメなんだから。指先でツイと彼の顎を持ち上げて挑発すると
「お言葉ですが」とゆっくりとした、それでいて威圧するような動きで壁に追い詰められる。
ひた、と彼の手が壁について、わたしに覆いかぶさるような体制をとった。まるで「逃がさない」と言っているみたいに。
「あなたはご存知ないようだ。」
「な、なにを」
「アンドロイドにも性欲があるということを。」
「!」
「…この後、どうなっても?」
耳元で低く囁かれてぞわりと背筋が粟立つ。
怖いような、それでいて仄暗い色っぽさを秘めたような声だった。
冷たい視線に射抜かれ、思わず生唾を飲んだ。彼がネクタイを緩める仕草が、やたらとゆっくりに見える。
少しでも動けば、唇に触れてしまう。そうなってしまったら、もうどうなるかはわからない。ばくばくと心臓はうるさく鳴っていて私の本能が警鐘を鳴らした。
「…ア、アンダーソン警部補は先ほど昼食を取りに。行きつけの店へ。」
恐ろしさが勝った私が早口にそう告げると、彼はケロッとして身を退け
「そうですか。ご協力ありがとうございます。」
といつものように淡々と告げた。ネクタイをキュっと締め直す彼を見て「一杯食わされた」と歯噛みした。アンドロイドに性欲があるなんて真っ赤な嘘だったようだ。
「失礼をお許しください。しかし所内の女性に乱暴なキスをするのも、如何なものかと思われましたから。」
それでは良い1日を。と颯爽と立ち去っていく彼の後ろ姿を、私はぼう然として眺めていた。心臓はまだ高鳴っていて、全然静かになってくれない。冷ややかで鋭く、獣のような彼の眼差しが忘れられなかった。
「やっぱり、キスしちゃえばよかった」
自らを抱くようにして、指先で自分の唇をなぞった。
まるで犬みたいにハンクを探し回るアンドロイドがおかしくて、ちょっと意地悪してやろう、なんて思った私は「私にキスできたら教えてあげるわ、子犬ちゃん」と笑った。くるり、と彼のLEDが黄色に回ったのを見て「お、困ってる」なんて喜んだのもつかの間、「ちゅ」と唇に感触。鼻の先が一瞬擦れて、キスをされたことを悟る。
「さあ、教えて下さい」
ちっとも動じもしないでアンドロイドが言うから、わたしはおもしろくない。ムッとして意地になった。
「ダメよ、今のは全然セクシーじゃなかったもの。」
ドキドキさせてくれなきゃダメなんだから。指先でツイと彼の顎を持ち上げて挑発すると
「お言葉ですが」とゆっくりとした、それでいて威圧するような動きで壁に追い詰められる。
ひた、と彼の手が壁について、わたしに覆いかぶさるような体制をとった。まるで「逃がさない」と言っているみたいに。
「あなたはご存知ないようだ。」
「な、なにを」
「アンドロイドにも性欲があるということを。」
「!」
「…この後、どうなっても?」
耳元で低く囁かれてぞわりと背筋が粟立つ。
怖いような、それでいて仄暗い色っぽさを秘めたような声だった。
冷たい視線に射抜かれ、思わず生唾を飲んだ。彼がネクタイを緩める仕草が、やたらとゆっくりに見える。
少しでも動けば、唇に触れてしまう。そうなってしまったら、もうどうなるかはわからない。ばくばくと心臓はうるさく鳴っていて私の本能が警鐘を鳴らした。
「…ア、アンダーソン警部補は先ほど昼食を取りに。行きつけの店へ。」
恐ろしさが勝った私が早口にそう告げると、彼はケロッとして身を退け
「そうですか。ご協力ありがとうございます。」
といつものように淡々と告げた。ネクタイをキュっと締め直す彼を見て「一杯食わされた」と歯噛みした。アンドロイドに性欲があるなんて真っ赤な嘘だったようだ。
「失礼をお許しください。しかし所内の女性に乱暴なキスをするのも、如何なものかと思われましたから。」
それでは良い1日を。と颯爽と立ち去っていく彼の後ろ姿を、私はぼう然として眺めていた。心臓はまだ高鳴っていて、全然静かになってくれない。冷ややかで鋭く、獣のような彼の眼差しが忘れられなかった。
「やっぱり、キスしちゃえばよかった」
自らを抱くようにして、指先で自分の唇をなぞった。
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