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アンドロイドの恋愛カルテ

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サイバーライフの研究者

研究室の扉を開けると、デスクの光だけが灯る薄暗い部屋の中で、青いLEDランプがチカチカと光った。白い電灯の光がぼんやりと届く位置に、RK-800「コナー」は待機していた。冷たく無機質な診察台、もとい実験台の上にちょこんと座って。足を揃えて遠慮がちに座る様は誠実で謙虚な性格を思わせる。
「こんにちは、コナー。調子はどうかしら?」
「こんにちはドクター***。システムは良好です。」
それは良かった。と微笑むとコナーも少しだけ唇の端を上げて、友好的な視線を送ってきた。
彼が私の研究室にいる理由は他でもない。今後変異体が現れたときの対応を練るためである。彼で実験してデータを収集するのだ。対応を練るため、と前述したが、正しくは「変異体を二度と出さないために変異のメカニズムを調査する」というのがおおよそ正しい。

最新型とはいえ、コナーモデルの変異の可能性は大いにあり得る。いやむしろ、他のアンドロイドよりもその確率は高い。より知的なモデルであるためだ。彼は人類最後の盾。「コナー」に変異体になられてしまっては困る。そのため私の任務は重要と言えた。

また、暴力による変異の兆候はすでに実験でも実例でもすでに確認済みである。今回の実験内容は「コミュニケーションによって変異は起こりえるか」ということに焦点が当てられた。
つまり、私のその重要任務とやらはアンドロイドとおしゃべりするなりなんなりして仲良くなることなのである。ふざけた内容だが、RK-900の開発に貢献する内容なのだ。

「さて、コナー。今回の実験内容はご存じ?」
「ええ、データをスキャン済みです。」
「助かるわ、説明の手間が省ける。」
入れたばかりのコーヒーを啜りながら、ファイルに目を通していると「ドクター、心拍数が上がっています。カフェインの摂取のしすぎです。コーヒーはお控えになられては?」とコナー。
「あら、流石賢いのね。開発者に嫉妬しちゃうわ。」
そう受け流すと、私はもう一口コーヒーを啜った。
彼に今心境があるかは定かでないが、ただ瞳を静かに伏せた。

今日から私はこの子と一ヶ月を過ごす。
前例のない実験だ。不安でないといえば嘘になる。
しかし、新たな変異体の一面を暴くその瞬間を想像すると、心が躍るような気持ちを覚えて、私はコーヒーを煽った。連日の徹夜も覚悟だ。
「ドクター、体に毒です。」
「これくらいで死にやしないわよ。」
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