君が僕を忘れないように僕が君を覚えている
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「もう朝か…」
帰ってきたのが日付を跨ぐ少し前。
それから彼女のベッドへ横にしたあと彼女の身元となるものを探したり風見に連絡したりネットで調べたりしているうちに日付がまたぎ仮眠と思って寝たのが3時を過ぎた頃だろうか。
リビングのソファで寝ていた俺は数時間の仮眠をとったのちに自身の寝室を覗いた。
一体どこから来たのか、ハイセキュリティーのこのマンションに入り尚且つ俺の部屋に寝ていた女性は未だ俺の寝室として使っているベッドでぐっすりと寝ている。
起こさないようにそっとドアを閉めてひとまず朝食を作る。
夏だから日が登るのも早く風通しを良くしようと思い窓をあければすでにじっとりとした暑さを感じる。これはもう少し日が昇れば猛暑日の完成だな。なんて思いながら手を動かす。
それが終われば今日朝一からのバイト予定であるポアロの店員、梓さんに電話をかける。
「あぁ、梓さん。おはようございます。朝早くにすみません。」
『おはようございますぅあむろさん…どうしたんですかぁ…』
まだ朝の6時すぎだ。
梓さんは寝ていたのである寝ぼけたような声で応対してくれる。
「今日ポアロを開けるの僕だったんですが急用が入ってしまいまして…」
『あ、そうなんですね、じゃあ私代わりにやっておきます』
「えぇ、すみません…終わり次第すぐに向かいますので。」
電話を切ったところで寝室の方から動く気配がした。
彼女が起きたのだろう。
「どこ、ここ…」
微かに聞こえた声にこれは完全に覚醒したな。と思った俺はゆっくりとドアを開ける。
そうすればそちらに目を向けている彼女は俺を見て驚いた表情を見せる。
まぁ目が覚めたら知らない場所で尚且つ初対面の人間を見れば誰もがそうなるだろうけど。
「目が覚めたみたいですね」
「え、あ…ぁ…」
俺は“安室透”になるのが得策だろうと瞬時に判断し人のいい笑みを浮かべる。
そうすれば俺を見るなり目を見開いた彼女は口をパクパクとさせて「あ、」とか「あの…」と混乱した様子で声にならない声を出している。
「起きたら知らない男の部屋でビックリしますよね。昨夜、貴方が僕の家の前で寝たいたものですからそのままにする訳にも行かないと思って失礼ながら中に運ばせてもらいました」
昨夜の自分は相当疲れていたのだろうな。本来ならば警察に連絡して保護してもらえばいい話だがそれすらも面倒だった(と思う)から家に入れたという軽率な行動した気がしてきた。
いや、しかし万が一彼女が組織の人間であれば俺が保護すべきなのだ。
様々な可能性を考えた結果だと自分に言い聞かせる。
「なにしているんですか?」
「夢じゃない…」
「は?」
この現実に初歩的な夢か現かを確認する彼女にやや力が抜ける。
なんというか、無防備…。
そう思っていたら静かな空間に空腹を知らせる音がなる。
もちろん自分じゃない、彼女の方からだ。
無防備というか無警戒というか…そんな彼女に思わず小さく笑ってしまった。
初対面の人、それも男性の前でお腹を鳴らしたことに恥ずかしく思ったのか頬を染めて俯いてしまった。
このままお腹を空かせたまま話をするのも申し訳ないのでとりあえず朝食をとってもらおうと隣のリビングへ促す。
自分の名前と彼女の名乗ろうとしたなとともに。
2脚ある椅子の一つに彼女―槙村さんを座らせてテーブルに数分前に作っておいたサンドイッチと淹れたてのコーヒーを置く。
そうすればすぐに手を出さずにしばらく険しい顔をしてサンドイッチを睨みつけている。
そこは警戒するのか…。
「どうしました?」
「(ヤバい、これがあの世界だとしたら毒が入ってるんじゃとか警戒をしてる自分がいる)いえ、いただきます」
僕が声をかけてようやく端っこの方を一口口に含みゆっくりと咀嚼する。
「ん、美味しい…」
「よかった…ところで、毒でも入ってるかもお思いましたか?」
素直に褒めてくれる彼女の頬は緩んでいる。正直言って褒められて嬉しくないこともない。
しかし先ほどの警戒心が気になりそれとなく“毒”という単語を入れてみたら案の定彼女は動揺したのかむせた。仕掛けたのが自分だが大丈夫ですか。と声をかければコーヒーを一口飲んで落ち着く。
まぁ知らない男から急に食べ物を与えられたら警戒しないわけもないか。
彼女はそれを是とは答えずサンドイッチの並べ方を今度は褒められそのあとも手を止めることなく食べてくれた。
正直本当に美味しそうに食べてくれたから作った甲斐はあったと内心嬉しくなったのは内緒だ。
「……(一眠りしてから風見からの連絡はまだない。彼女が何者か知る必要がある、そのためには…)槙村さん…」
「?(ごくっ)はい…」
そんな和やかなムードが漂いつつあったが昨夜連絡した風見からの連絡がまだないことを確認し声をかける。
早急にとはいったが夜勤であっても何が起こるかわからないから空いている時間に調べてくれさえしていればいい話なのだが。
サンドイッチの一つ目を平らげたところで彼女に和やかな朝食ムードから真剣なものにかえる。
これ以上警戒されてもなんなので“安室透”としてもう一度名乗り現在私立探偵をしながら毛利小五郎の探偵助手をしつつ彼の周囲で起こる事件についてまわるべく自宅下にあるポアロでアルバイトをしていることと昨夜の出来事を明かす。
「そ、そうだったんですね、さすが探偵さん…」
「ええ、ですがそれ以外あなたに関する情報がなくて…もし何らかの事件に巻き込まれているようなら早く解決したいと思いますし……昨日、何があったか覚えていますか?」
「…えっと……」
そう言って彼女はまた俯いてしまった。
簡単に思い出せないことなのか、そうとなればやはり事件の可能性が否定できなくなってくる。
「思い出せませんか?」
「…はい……あの、一体ここはどこですか?(朝食にありつくことでいっぱいいっぱいでここがどこだか聞くの忘れてた)」
せめてなにか少しでも分かることがあれば。と思い彼女を見つめるが顔をあげた彼女は首を横に振り尚且つ地名を訪ねた。
「(薬か何かを使われているのか…)ここは米花町にあるマンションです」
「米花、町……」
米花町、といえば反復するように小さく呟く槙村さん。
知っているようなどうもしっくりこない様子の槙村さんに今度は家族構成について尋ねてみたがこれにも首を横に振られる。
「(記憶を失っているのか、いや混乱している…誤魔化しているという可能性もあるな…ひとまず彼女の話に乗っておきますか…)そうですか…すみません、無理に思い出すことはないので何か思い出したことがあればすぐに伝えてくださいね」
槙村さんが何かを思い当たることがあるのか隠しているのか本当にわからないのか不明だ。(俺もそこまで完璧に人の心が読めるわけではない)
風見から情報を待ちながら灯台下暗し。ではないが実は身近なところに彼女を探している人がいてもおかしくないと思い毛利探偵とそこに住む小さな探偵を頼ることを提案した僕は朝食を済ませた後に彼女を愛車に乗せてポアロまで行くのであった。
帰ってきたのが日付を跨ぐ少し前。
それから彼女のベッドへ横にしたあと彼女の身元となるものを探したり風見に連絡したりネットで調べたりしているうちに日付がまたぎ仮眠と思って寝たのが3時を過ぎた頃だろうか。
リビングのソファで寝ていた俺は数時間の仮眠をとったのちに自身の寝室を覗いた。
一体どこから来たのか、ハイセキュリティーのこのマンションに入り尚且つ俺の部屋に寝ていた女性は未だ俺の寝室として使っているベッドでぐっすりと寝ている。
起こさないようにそっとドアを閉めてひとまず朝食を作る。
夏だから日が登るのも早く風通しを良くしようと思い窓をあければすでにじっとりとした暑さを感じる。これはもう少し日が昇れば猛暑日の完成だな。なんて思いながら手を動かす。
それが終われば今日朝一からのバイト予定であるポアロの店員、梓さんに電話をかける。
「あぁ、梓さん。おはようございます。朝早くにすみません。」
『おはようございますぅあむろさん…どうしたんですかぁ…』
まだ朝の6時すぎだ。
梓さんは寝ていたのである寝ぼけたような声で応対してくれる。
「今日ポアロを開けるの僕だったんですが急用が入ってしまいまして…」
『あ、そうなんですね、じゃあ私代わりにやっておきます』
「えぇ、すみません…終わり次第すぐに向かいますので。」
電話を切ったところで寝室の方から動く気配がした。
彼女が起きたのだろう。
「どこ、ここ…」
微かに聞こえた声にこれは完全に覚醒したな。と思った俺はゆっくりとドアを開ける。
そうすればそちらに目を向けている彼女は俺を見て驚いた表情を見せる。
まぁ目が覚めたら知らない場所で尚且つ初対面の人間を見れば誰もがそうなるだろうけど。
「目が覚めたみたいですね」
「え、あ…ぁ…」
俺は“安室透”になるのが得策だろうと瞬時に判断し人のいい笑みを浮かべる。
そうすれば俺を見るなり目を見開いた彼女は口をパクパクとさせて「あ、」とか「あの…」と混乱した様子で声にならない声を出している。
「起きたら知らない男の部屋でビックリしますよね。昨夜、貴方が僕の家の前で寝たいたものですからそのままにする訳にも行かないと思って失礼ながら中に運ばせてもらいました」
昨夜の自分は相当疲れていたのだろうな。本来ならば警察に連絡して保護してもらえばいい話だがそれすらも面倒だった(と思う)から家に入れたという軽率な行動した気がしてきた。
いや、しかし万が一彼女が組織の人間であれば俺が保護すべきなのだ。
様々な可能性を考えた結果だと自分に言い聞かせる。
「なにしているんですか?」
「夢じゃない…」
「は?」
この現実に初歩的な夢か現かを確認する彼女にやや力が抜ける。
なんというか、無防備…。
そう思っていたら静かな空間に空腹を知らせる音がなる。
もちろん自分じゃない、彼女の方からだ。
無防備というか無警戒というか…そんな彼女に思わず小さく笑ってしまった。
初対面の人、それも男性の前でお腹を鳴らしたことに恥ずかしく思ったのか頬を染めて俯いてしまった。
このままお腹を空かせたまま話をするのも申し訳ないのでとりあえず朝食をとってもらおうと隣のリビングへ促す。
自分の名前と彼女の名乗ろうとしたなとともに。
2脚ある椅子の一つに彼女―槙村さんを座らせてテーブルに数分前に作っておいたサンドイッチと淹れたてのコーヒーを置く。
そうすればすぐに手を出さずにしばらく険しい顔をしてサンドイッチを睨みつけている。
そこは警戒するのか…。
「どうしました?」
「(ヤバい、これがあの世界だとしたら毒が入ってるんじゃとか警戒をしてる自分がいる)いえ、いただきます」
僕が声をかけてようやく端っこの方を一口口に含みゆっくりと咀嚼する。
「ん、美味しい…」
「よかった…ところで、毒でも入ってるかもお思いましたか?」
素直に褒めてくれる彼女の頬は緩んでいる。正直言って褒められて嬉しくないこともない。
しかし先ほどの警戒心が気になりそれとなく“毒”という単語を入れてみたら案の定彼女は動揺したのかむせた。仕掛けたのが自分だが大丈夫ですか。と声をかければコーヒーを一口飲んで落ち着く。
まぁ知らない男から急に食べ物を与えられたら警戒しないわけもないか。
彼女はそれを是とは答えずサンドイッチの並べ方を今度は褒められそのあとも手を止めることなく食べてくれた。
正直本当に美味しそうに食べてくれたから作った甲斐はあったと内心嬉しくなったのは内緒だ。
「……(一眠りしてから風見からの連絡はまだない。彼女が何者か知る必要がある、そのためには…)槙村さん…」
「?(ごくっ)はい…」
そんな和やかなムードが漂いつつあったが昨夜連絡した風見からの連絡がまだないことを確認し声をかける。
早急にとはいったが夜勤であっても何が起こるかわからないから空いている時間に調べてくれさえしていればいい話なのだが。
サンドイッチの一つ目を平らげたところで彼女に和やかな朝食ムードから真剣なものにかえる。
これ以上警戒されてもなんなので“安室透”としてもう一度名乗り現在私立探偵をしながら毛利小五郎の探偵助手をしつつ彼の周囲で起こる事件についてまわるべく自宅下にあるポアロでアルバイトをしていることと昨夜の出来事を明かす。
「そ、そうだったんですね、さすが探偵さん…」
「ええ、ですがそれ以外あなたに関する情報がなくて…もし何らかの事件に巻き込まれているようなら早く解決したいと思いますし……昨日、何があったか覚えていますか?」
「…えっと……」
そう言って彼女はまた俯いてしまった。
簡単に思い出せないことなのか、そうとなればやはり事件の可能性が否定できなくなってくる。
「思い出せませんか?」
「…はい……あの、一体ここはどこですか?(朝食にありつくことでいっぱいいっぱいでここがどこだか聞くの忘れてた)」
せめてなにか少しでも分かることがあれば。と思い彼女を見つめるが顔をあげた彼女は首を横に振り尚且つ地名を訪ねた。
「(薬か何かを使われているのか…)ここは米花町にあるマンションです」
「米花、町……」
米花町、といえば反復するように小さく呟く槙村さん。
知っているようなどうもしっくりこない様子の槙村さんに今度は家族構成について尋ねてみたがこれにも首を横に振られる。
「(記憶を失っているのか、いや混乱している…誤魔化しているという可能性もあるな…ひとまず彼女の話に乗っておきますか…)そうですか…すみません、無理に思い出すことはないので何か思い出したことがあればすぐに伝えてくださいね」
槙村さんが何かを思い当たることがあるのか隠しているのか本当にわからないのか不明だ。(俺もそこまで完璧に人の心が読めるわけではない)
風見から情報を待ちながら灯台下暗し。ではないが実は身近なところに彼女を探している人がいてもおかしくないと思い毛利探偵とそこに住む小さな探偵を頼ることを提案した僕は朝食を済ませた後に彼女を愛車に乗せてポアロまで行くのであった。