君が僕を忘れないように僕が君を覚えている
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「……さ、……急用…でき…」
「ん…」
微かに聞こえた人の声とカーテンの間から差し込む朝の光で目を覚ました私はゆっくりと閉じていた瞳を開く。
しばらくボーッとしてゆっくりと思考を展開していく。
「どこ、ここ…(あれ、昨日私…どうしたんだっけ)」
体を起こし自分の視界に映るものに見覚えがない。
今自分が寝ていたであろうベッドとパソコンの置かれたデスク。
頻回に使用するためか、スーツの一式が壁ラックにかけられている。
必要最低限しかない物寂しい部屋は自分の部屋と大違い。
「え…と(昨日は残業して帰ってる途中で何か急に頭が痛くなって……あ、途中で安室さんに会う?夢を見た気がする。目の前に綺麗な顔があって眼福だった…じゃなくて!)」
昨日の行動を振り返っているとガチャと隣の部屋に続くドアが空いた。
「目が覚めたみたいですね」
「え、あ…ぁ…」
人間、ありえないことが起こると声が出なくなるのか。
「あ、えっと……(あ、安室さん!?降谷零?え、どっち?いやどっちも一緒だけど!)」
入ってきた人物に目を見開いてる(と思う)
というか本物なわけない、よね。コスプレの人とか?にしては似すぎてる…
そしてさっきから私は「あ」とか「あの」とかしか言ってない。
なにこれどうなってんの?
「起きたら知らない男の部屋でビックリしますよね。
でも昨夜、貴方が僕の家の前で寝ていたものですからそのままにする訳にも行かないと思って失礼ながら中に運ばせてもらいました」
「?!(は、運んだ、だと?誰が?誰を?!)」
頭の中はパニック状態。
誰が?なんて決まってる、目の前にいる安室透さんらしき人が。
誰を…私しかいない。
何ていう展開?
夢小説を見ていた私としてまさか自分に降りかかるなんて思いもしない。
やっぱりこれは夢で目の前の人はコスプレの人か何かだきっと。
「……」
「何をしているんですか?」
「(感触もあって痛い)夢じゃない…」
「は?」
思いっきり頬をつねってみたが痛いだけで現実のようだ。
いや、ほんとに何がどうなってる?
そして目の前の安室さんらしき人は私の行動にキョトンとしている。
ちょっと可愛い…
-ぐぅ-
「!(なんだ今の!私のお腹のバカ!)」
不意になった空腹を知らせる音。
部屋は私と目の前の彼しかおらずバッチリとその音を聞かれて恥ずかしさで俯く。顔が熱い。多分今顔赤い
そんな私を見てフフッと笑う安室さんらしき人(もう安室さんでいいや)
「朝食でも取りながらお話しましょうか、あぁ、僕の名前は安室透です。」
「(やっぱりか!)私は…」
「槙村輝さん、ですよね」
こちらですよ、と先にドアへ向かい一拍遅れた私はなぜ自分の名前が知られているのかとか、今見えた顔は一瞬真剣そのもの…降谷さんのものだったとか…ますます訳が分からないまま彼のあとをついていった。
あ、格好は昨日のままだ。
「どうしました?」
「(ヤバい、これがあの世界だとしたら毒が入ってるんじゃとか警戒をしてる自分がいる)いえ、いただきます」
コーヒーの香りと見た目とても綺麗なサンドイッチに食欲を掻き立てられ手を伸ばす。
端っこの方からパクリと一口食べる。
「ん、美味しい…」
「よかった…ところで、毒でも入ってるかもお思いましたか?」
「つ!ゴホゴホ!」
大丈夫ですか?と(白々しく見える)声をかける安室さんに大丈夫です。とコーヒーを一口飲む。
「そんなことありません。目の前にとても綺麗なサンドイッチが並べられたので食べるのもったいないなぁって思っただけです。(一瞬でも疑いました!すみません!)」
目の前にいる安室さんがそんなことするはず無いだろう!(組織関係の仕事じゃない限り…多分)と思いながら半分本当、半分嘘を並べる。
「(にしても本当に美味しい…レタスがシャキシャキ)♪」
「……(一眠りしてから風見からの連絡はまだない。彼女が何者か知る必要がある、そのためには…)槙村さん…」
「?(ごくっ)はい…」
ふと真剣に安室さんに見られていることに名前を呼ばれたことで気付いて(というかやっぱりなんで知ってるんだろう)首をかしげる。
そこからの話はギャグとか思えるものじゃなかった。
昨夜、私は何かの拍子で気を失ったあとの事を覚えていないのはもちろん。
彼から話を聞けば仕事から帰ってきた彼のこの家の前に私は寝ていたのだという。
さらに彼は“安室透”と改めて紹介して私立探偵をしながらとあるカフェ(ポアロですね、わかります)にアルバイトをしていて尚且つ有名な探偵の弟子となっているそうだ。
うん、明らかに潜入捜査真っ只中ですね。
で、そこに私を置いておくのもなんだと家に入れたそうだ。
悪いと思いましたが…と一言加えて私の傍にあった鞄も調べたという。
そこで財布に入ってあった免許証で名前を知ったという。
目の前の現実に驚きすぎて自分の持ち物どころではなかったから彼からさっきいた寝室に一緒に置いてあると聞いた時ホッとした。
「そ、そうだったんですね、さすが探偵さん…」
「ええ、ですがそれ以外あなたに関する情報がなくて…もし何らかの事件に巻き込まれているようなら早く解決したいと思いますし……昨日、何があったか覚えていますか?」
「…えっと……」
これはどうするべきだろうか。
ここで私が“頭が痛くなったと思ったら漫画の世界に迷い込んだみたいです”と言ったところで信じてはもらえないだろう。
頭のおかしいやつか、下手をすれば彼の知らない黒の組織のメンバーと思われかねない。ってそれは考え過ぎか…。
「思い出せませんか?」
「(あ、これを利用しよう)…はい……あの、一体ここはどこですか?(朝食にありつくことでいっぱいいっぱいでここがどこだか聞くの忘れてた)」
考えるようにして俯いていた顔をあげてそう問いかける。そうすれば先程の笑みも消え真剣な安室さんが見えた。
「(薬か何かを使われているのか…)ここは米花町にあるマンションです」
「米花、町……」
かの有名な犯罪都市じゃねーの。って思ったけどそこは何もわからないフリして復唱する。
「あなたのご家族は…?」
「家族……(多分、いやきっとこの世界にはいない…)」
「覚えて、いないですか…」
「……(嘘をつくのは忍びないけど、彼に信用してもらうまでは…どこまで嘘が通じるのかわからないけど、一か八か……)」
私は再び顔を俯かせながら首を横に振った。
真剣な顔つきの安室さんは顎に右手を添えて考える素振りを見せる。
「(記憶を失っているのか、いや混乱している…誤魔化しているという可能性もあるな…ひとまず彼女の話に乗っておきますか…)そうですか…すみません、無理に思い出すことはないので何か思い出したことがあればすぐに伝えてくださいね」
「あ、はい…ありがとう、ございます」
信じてくれたのか、いや鋭い彼の事だから探りを入れてくることも考えられる。
ひとまず私はボロが出ないように振舞わなくては。
「さて、僕の情報だけでは心もとないので毛利探偵のところで依頼しましょうか。」
なんの情報も出せず落ち込んでいると思われたのか張り詰めた雰囲気を変えるように安室さんは声を明るくそう言った。
顔を上げれば安室さんはニコリと笑みを向けてくれる。
嘘をついていることに関して忍びないがここはあの“名探偵コナン”の世界ならば(というか目の前の人からほぼ100%そうなんだろうけど)確かめたりしなければ。
「よろしくお願いします。」
一言、お礼を述べて早めに朝食を食べた。
「ん…」
微かに聞こえた人の声とカーテンの間から差し込む朝の光で目を覚ました私はゆっくりと閉じていた瞳を開く。
しばらくボーッとしてゆっくりと思考を展開していく。
「どこ、ここ…(あれ、昨日私…どうしたんだっけ)」
体を起こし自分の視界に映るものに見覚えがない。
今自分が寝ていたであろうベッドとパソコンの置かれたデスク。
頻回に使用するためか、スーツの一式が壁ラックにかけられている。
必要最低限しかない物寂しい部屋は自分の部屋と大違い。
「え…と(昨日は残業して帰ってる途中で何か急に頭が痛くなって……あ、途中で安室さんに会う?夢を見た気がする。目の前に綺麗な顔があって眼福だった…じゃなくて!)」
昨日の行動を振り返っているとガチャと隣の部屋に続くドアが空いた。
「目が覚めたみたいですね」
「え、あ…ぁ…」
人間、ありえないことが起こると声が出なくなるのか。
「あ、えっと……(あ、安室さん!?降谷零?え、どっち?いやどっちも一緒だけど!)」
入ってきた人物に目を見開いてる(と思う)
というか本物なわけない、よね。コスプレの人とか?にしては似すぎてる…
そしてさっきから私は「あ」とか「あの」とかしか言ってない。
なにこれどうなってんの?
「起きたら知らない男の部屋でビックリしますよね。
でも昨夜、貴方が僕の家の前で寝ていたものですからそのままにする訳にも行かないと思って失礼ながら中に運ばせてもらいました」
「?!(は、運んだ、だと?誰が?誰を?!)」
頭の中はパニック状態。
誰が?なんて決まってる、目の前にいる安室透さんらしき人が。
誰を…私しかいない。
何ていう展開?
夢小説を見ていた私としてまさか自分に降りかかるなんて思いもしない。
やっぱりこれは夢で目の前の人はコスプレの人か何かだきっと。
「……」
「何をしているんですか?」
「(感触もあって痛い)夢じゃない…」
「は?」
思いっきり頬をつねってみたが痛いだけで現実のようだ。
いや、ほんとに何がどうなってる?
そして目の前の安室さんらしき人は私の行動にキョトンとしている。
ちょっと可愛い…
-ぐぅ-
「!(なんだ今の!私のお腹のバカ!)」
不意になった空腹を知らせる音。
部屋は私と目の前の彼しかおらずバッチリとその音を聞かれて恥ずかしさで俯く。顔が熱い。多分今顔赤い
そんな私を見てフフッと笑う安室さんらしき人(もう安室さんでいいや)
「朝食でも取りながらお話しましょうか、あぁ、僕の名前は安室透です。」
「(やっぱりか!)私は…」
「槙村輝さん、ですよね」
こちらですよ、と先にドアへ向かい一拍遅れた私はなぜ自分の名前が知られているのかとか、今見えた顔は一瞬真剣そのもの…降谷さんのものだったとか…ますます訳が分からないまま彼のあとをついていった。
あ、格好は昨日のままだ。
「どうしました?」
「(ヤバい、これがあの世界だとしたら毒が入ってるんじゃとか警戒をしてる自分がいる)いえ、いただきます」
コーヒーの香りと見た目とても綺麗なサンドイッチに食欲を掻き立てられ手を伸ばす。
端っこの方からパクリと一口食べる。
「ん、美味しい…」
「よかった…ところで、毒でも入ってるかもお思いましたか?」
「つ!ゴホゴホ!」
大丈夫ですか?と(白々しく見える)声をかける安室さんに大丈夫です。とコーヒーを一口飲む。
「そんなことありません。目の前にとても綺麗なサンドイッチが並べられたので食べるのもったいないなぁって思っただけです。(一瞬でも疑いました!すみません!)」
目の前にいる安室さんがそんなことするはず無いだろう!(組織関係の仕事じゃない限り…多分)と思いながら半分本当、半分嘘を並べる。
「(にしても本当に美味しい…レタスがシャキシャキ)♪」
「……(一眠りしてから風見からの連絡はまだない。彼女が何者か知る必要がある、そのためには…)槙村さん…」
「?(ごくっ)はい…」
ふと真剣に安室さんに見られていることに名前を呼ばれたことで気付いて(というかやっぱりなんで知ってるんだろう)首をかしげる。
そこからの話はギャグとか思えるものじゃなかった。
昨夜、私は何かの拍子で気を失ったあとの事を覚えていないのはもちろん。
彼から話を聞けば仕事から帰ってきた彼のこの家の前に私は寝ていたのだという。
さらに彼は“安室透”と改めて紹介して私立探偵をしながらとあるカフェ(ポアロですね、わかります)にアルバイトをしていて尚且つ有名な探偵の弟子となっているそうだ。
うん、明らかに潜入捜査真っ只中ですね。
で、そこに私を置いておくのもなんだと家に入れたそうだ。
悪いと思いましたが…と一言加えて私の傍にあった鞄も調べたという。
そこで財布に入ってあった免許証で名前を知ったという。
目の前の現実に驚きすぎて自分の持ち物どころではなかったから彼からさっきいた寝室に一緒に置いてあると聞いた時ホッとした。
「そ、そうだったんですね、さすが探偵さん…」
「ええ、ですがそれ以外あなたに関する情報がなくて…もし何らかの事件に巻き込まれているようなら早く解決したいと思いますし……昨日、何があったか覚えていますか?」
「…えっと……」
これはどうするべきだろうか。
ここで私が“頭が痛くなったと思ったら漫画の世界に迷い込んだみたいです”と言ったところで信じてはもらえないだろう。
頭のおかしいやつか、下手をすれば彼の知らない黒の組織のメンバーと思われかねない。ってそれは考え過ぎか…。
「思い出せませんか?」
「(あ、これを利用しよう)…はい……あの、一体ここはどこですか?(朝食にありつくことでいっぱいいっぱいでここがどこだか聞くの忘れてた)」
考えるようにして俯いていた顔をあげてそう問いかける。そうすれば先程の笑みも消え真剣な安室さんが見えた。
「(薬か何かを使われているのか…)ここは米花町にあるマンションです」
「米花、町……」
かの有名な犯罪都市じゃねーの。って思ったけどそこは何もわからないフリして復唱する。
「あなたのご家族は…?」
「家族……(多分、いやきっとこの世界にはいない…)」
「覚えて、いないですか…」
「……(嘘をつくのは忍びないけど、彼に信用してもらうまでは…どこまで嘘が通じるのかわからないけど、一か八か……)」
私は再び顔を俯かせながら首を横に振った。
真剣な顔つきの安室さんは顎に右手を添えて考える素振りを見せる。
「(記憶を失っているのか、いや混乱している…誤魔化しているという可能性もあるな…ひとまず彼女の話に乗っておきますか…)そうですか…すみません、無理に思い出すことはないので何か思い出したことがあればすぐに伝えてくださいね」
「あ、はい…ありがとう、ございます」
信じてくれたのか、いや鋭い彼の事だから探りを入れてくることも考えられる。
ひとまず私はボロが出ないように振舞わなくては。
「さて、僕の情報だけでは心もとないので毛利探偵のところで依頼しましょうか。」
なんの情報も出せず落ち込んでいると思われたのか張り詰めた雰囲気を変えるように安室さんは声を明るくそう言った。
顔を上げれば安室さんはニコリと笑みを向けてくれる。
嘘をついていることに関して忍びないがここはあの“名探偵コナン”の世界ならば(というか目の前の人からほぼ100%そうなんだろうけど)確かめたりしなければ。
「よろしくお願いします。」
一言、お礼を述べて早めに朝食を食べた。