君が僕を忘れないように僕が君を覚えている
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「はあー、(今日も疲れた…でもあの人無事に退院出来て良かった…)」
どうも、東京のしがない病院で働いてる槙村輝です。
看護師になって早数年、それなりのことも任せられるようになり忙しい日々を送っている。
今日とて定時よりも2時間ほどの残業を終えて帰宅中なわけであり外は暗め…
夜道は気をつけて帰りましょー
「(なんてね)〜♪」
適当な鼻歌を歌いながら帰路を歩く。
「っ…!(いった…)」
ふと目の前の視界がぐにゃりと歪みその後には急激な頭痛に襲われた。
「はっ…はぁ、はぁ…!(何、これ…)」
立っていられられないくらいの目眩にも襲われ足を止めて近くの電柱にもたれ掛かる。
「(疲れてる、のかな…メニエール?あ、ダメ…)」
頭にはいくつかの可能性を思い浮かべるもついには足にも力が入らなくなりズルズルと座り込みついには意識を失った。
不幸なことにその道には1人も通ることがなかった
ところ変わりハイセキュリティ高級マンション。
「(明日はポアロでバイトが入ってたな…)」
俺は今日この日は公安の仕事を終えての夜遅めの帰宅だ。数十回建のマンションのエレベータに乗り込み自分の部屋のある上層階へのボタンを押す。
ゆっくりと上っていくエレベータ内は1人。
安室透としての役割…ポアロという喫茶店での明日の仕事のことを思いながら自分の階に到着するのを待つ。
やがて、目的の階に到着したことを告げる音が鳴るとゆっくりと両開きの扉が開く。
コツコツと誰もいない廊下に自分一人分の靴音だけが響く。
自分の部屋の前に来たところでふいにその歩みを止めた。
「ん?(部屋の前に誰かいる?組織の者か…)」
ふと、自分の部屋の前を誰かがいることに気付いて警戒をする。
安室透とは別に黒の組織、バーボンとしての動きもしている俺にとって、ノックリスト…裏切り者とバレてはいけない。
そんな考えが過ぎる
もしや気づかれたのか。
警戒しながら自宅前にいるその人物にそっと近づく。玄関扉の横の壁にもたれ掛かっている。
「(女性…?こんな夜中に…)」
ここに住み始めてからは見たことない。
見る限りは目立った外傷はない。
新たな住人か?酔っ払って間違って俺の部屋の前に来た…というところか?
いやそれにしては少し違うような。
例えばそう。
身なりが整いすぎている。
酔ったのなら多少なりとも服の乱れや靴が脱げているなんてことがあってもおかしくはない(と思う)
近くに彼女のものであろう鞄も落ちているがそれもまたただ、落ちているいや置いているだけなのだ。
鍵を取り出そうとしたり途中で力尽きて寝てしまったとして大半の人はカバンは無造作に置かれ、場合によっては中身が露出するなんてこともあるだろう。
しかしそれがまったくない。
そう、カバンは落ちているというよりそっと置かれたような。そんな印象を持った。
「(まさか、死んでいる…)」
それはそれで厄介な…誰がなんのために公安である俺のことを知ってか知らずか家の前に見つけてくれと言わんばかりにこんなにも綺麗に座らせる必要があるのか…
「息は、あるな…(脈も正常だ…)」
しゃがみこんで彼女の安否を確かめる。
幸いなことにそれは死人ではなく生きた人間。
遠目からでは分からなかったが近くによればかすかに肩を上下させている。
そっと首の脈を触れれば拍動もしっかりとしていた。
内心はホッとしたものの、どうしたものか。と考える。
このままここにいさせる訳にはいかない。
いくら夏とはいえ多少夜は冷える。
それに人として…男として目の前の女性を置き去りにするのは如何なものか。
かと言って先程の思考から考えて酔っ払いとも考えにくい。
「(何らかの事件に巻き込まれて誰かに運ばれた、か?)」
今1番に可能性として近いのはこれか。
彼女を思う誰かが彼女を生かしたいがために誰かを頼った。
それが俺だった。
「すみません…」
目の前でスヤスヤと眠る彼女を起こすのは忍びないが何があったのか聞く必要はある。
そっと2度ほど肩を叩き彼女を起こす。
「……」
「あの…すみません…」
「…ん……」
1度目は何の反応がない。もう一度、声をかければ今度は身じろぎをしうっすらと瞳が開かれる。
「………ぁ、むろ…さ…」
「?!」
薄目で俺を見た彼女はすぐにまた目を閉じた。
だが、彼女は俺の…僕の名前を呼ぶとやわらかく笑い再び瞼を閉じた。
ポアロでアルバイトを始めてから多数の女性に言い寄られてはいる。
その一人一人を完璧に覚えている訳では無いが職業柄尾行に気付かないほど馬鹿でもない。
だが今のはなんだ?囁くような小声ではあったが明らかに僕の名前を呼んだ。
「(調べる、か…ここにいさせる訳にもいかないしな)」
小さくため息をつく。一先ず玄関を開けてからスヤスヤ眠るこの彼女を横抱きにして部屋に入れた。(鞄ももちろん忘れてはいない)
必要最低限しかない広めのリビング。
その横にもう1つ、寝室として使っている部屋へと入りベッドに寝かせる。
「さて、身辺調査とするか…(貴方には悪いですが調べさせてもらいますよ)」
ベッドに寝かせた彼女を見るがさっきも思ったが服や顔、見える肌には特に目立った外傷は見当たらない。
服装は半袖か。その上に薄いカーディガンを羽織っている。下はズボンではなくスカート。特に派手でもなく控えめ。しかし決してお洒落じゃない訳ではなさそうだ。
特に変わった所がない、一般の女性。
次に彼女のものであろう荷物を手に取る。
「失礼しますよ」
まずは盗聴器やGPS、盗撮といった類の機械がないかくまなく探す。
化粧ポーチ、ティッシュやハンカチ、なにかの資料か、折りたたまれた数枚重ねのA4用紙。
中は一般向けではないと思わせる内容の書かれた専門用語の羅列した資料。
「医療関係者、か?」
内容から何となくそう察する。
他にも何かないかと探れば彼女のものであろうスマホ見つけ電源のスイッチを押すがロック画面を示す。こればかりはどうしようもないか。
さらに財布も健在しておりカードの類を見ていればようやく彼女の名前と住所の乗った免許証を見つけた。
槙村輝。
それが彼女の名前らしい。
名前と生年月日の書かれたそれ。
しかしひとつ不可思議な点があった。
それは住所だ。都内であるのだろうそれは俺は聞いたことのない地名。
それに不審を抱きながらも免許証をしまい俺は自分のスマホを手に取る。
たしか今日はあいつが夜勤でいたはずだ。
『もしもし降谷さん?どうしましたか?』
「風見…調べてほしいことがある…なるべく早急にだ…(これで彼女が何者か分かるはずだ…)」
どうも、東京のしがない病院で働いてる槙村輝です。
看護師になって早数年、それなりのことも任せられるようになり忙しい日々を送っている。
今日とて定時よりも2時間ほどの残業を終えて帰宅中なわけであり外は暗め…
夜道は気をつけて帰りましょー
「(なんてね)〜♪」
適当な鼻歌を歌いながら帰路を歩く。
「っ…!(いった…)」
ふと目の前の視界がぐにゃりと歪みその後には急激な頭痛に襲われた。
「はっ…はぁ、はぁ…!(何、これ…)」
立っていられられないくらいの目眩にも襲われ足を止めて近くの電柱にもたれ掛かる。
「(疲れてる、のかな…メニエール?あ、ダメ…)」
頭にはいくつかの可能性を思い浮かべるもついには足にも力が入らなくなりズルズルと座り込みついには意識を失った。
不幸なことにその道には1人も通ることがなかった
ところ変わりハイセキュリティ高級マンション。
「(明日はポアロでバイトが入ってたな…)」
俺は今日この日は公安の仕事を終えての夜遅めの帰宅だ。数十回建のマンションのエレベータに乗り込み自分の部屋のある上層階へのボタンを押す。
ゆっくりと上っていくエレベータ内は1人。
安室透としての役割…ポアロという喫茶店での明日の仕事のことを思いながら自分の階に到着するのを待つ。
やがて、目的の階に到着したことを告げる音が鳴るとゆっくりと両開きの扉が開く。
コツコツと誰もいない廊下に自分一人分の靴音だけが響く。
自分の部屋の前に来たところでふいにその歩みを止めた。
「ん?(部屋の前に誰かいる?組織の者か…)」
ふと、自分の部屋の前を誰かがいることに気付いて警戒をする。
安室透とは別に黒の組織、バーボンとしての動きもしている俺にとって、ノックリスト…裏切り者とバレてはいけない。
そんな考えが過ぎる
もしや気づかれたのか。
警戒しながら自宅前にいるその人物にそっと近づく。玄関扉の横の壁にもたれ掛かっている。
「(女性…?こんな夜中に…)」
ここに住み始めてからは見たことない。
見る限りは目立った外傷はない。
新たな住人か?酔っ払って間違って俺の部屋の前に来た…というところか?
いやそれにしては少し違うような。
例えばそう。
身なりが整いすぎている。
酔ったのなら多少なりとも服の乱れや靴が脱げているなんてことがあってもおかしくはない(と思う)
近くに彼女のものであろう鞄も落ちているがそれもまたただ、落ちているいや置いているだけなのだ。
鍵を取り出そうとしたり途中で力尽きて寝てしまったとして大半の人はカバンは無造作に置かれ、場合によっては中身が露出するなんてこともあるだろう。
しかしそれがまったくない。
そう、カバンは落ちているというよりそっと置かれたような。そんな印象を持った。
「(まさか、死んでいる…)」
それはそれで厄介な…誰がなんのために公安である俺のことを知ってか知らずか家の前に見つけてくれと言わんばかりにこんなにも綺麗に座らせる必要があるのか…
「息は、あるな…(脈も正常だ…)」
しゃがみこんで彼女の安否を確かめる。
幸いなことにそれは死人ではなく生きた人間。
遠目からでは分からなかったが近くによればかすかに肩を上下させている。
そっと首の脈を触れれば拍動もしっかりとしていた。
内心はホッとしたものの、どうしたものか。と考える。
このままここにいさせる訳にはいかない。
いくら夏とはいえ多少夜は冷える。
それに人として…男として目の前の女性を置き去りにするのは如何なものか。
かと言って先程の思考から考えて酔っ払いとも考えにくい。
「(何らかの事件に巻き込まれて誰かに運ばれた、か?)」
今1番に可能性として近いのはこれか。
彼女を思う誰かが彼女を生かしたいがために誰かを頼った。
それが俺だった。
「すみません…」
目の前でスヤスヤと眠る彼女を起こすのは忍びないが何があったのか聞く必要はある。
そっと2度ほど肩を叩き彼女を起こす。
「……」
「あの…すみません…」
「…ん……」
1度目は何の反応がない。もう一度、声をかければ今度は身じろぎをしうっすらと瞳が開かれる。
「………ぁ、むろ…さ…」
「?!」
薄目で俺を見た彼女はすぐにまた目を閉じた。
だが、彼女は俺の…僕の名前を呼ぶとやわらかく笑い再び瞼を閉じた。
ポアロでアルバイトを始めてから多数の女性に言い寄られてはいる。
その一人一人を完璧に覚えている訳では無いが職業柄尾行に気付かないほど馬鹿でもない。
だが今のはなんだ?囁くような小声ではあったが明らかに僕の名前を呼んだ。
「(調べる、か…ここにいさせる訳にもいかないしな)」
小さくため息をつく。一先ず玄関を開けてからスヤスヤ眠るこの彼女を横抱きにして部屋に入れた。(鞄ももちろん忘れてはいない)
必要最低限しかない広めのリビング。
その横にもう1つ、寝室として使っている部屋へと入りベッドに寝かせる。
「さて、身辺調査とするか…(貴方には悪いですが調べさせてもらいますよ)」
ベッドに寝かせた彼女を見るがさっきも思ったが服や顔、見える肌には特に目立った外傷は見当たらない。
服装は半袖か。その上に薄いカーディガンを羽織っている。下はズボンではなくスカート。特に派手でもなく控えめ。しかし決してお洒落じゃない訳ではなさそうだ。
特に変わった所がない、一般の女性。
次に彼女のものであろう荷物を手に取る。
「失礼しますよ」
まずは盗聴器やGPS、盗撮といった類の機械がないかくまなく探す。
化粧ポーチ、ティッシュやハンカチ、なにかの資料か、折りたたまれた数枚重ねのA4用紙。
中は一般向けではないと思わせる内容の書かれた専門用語の羅列した資料。
「医療関係者、か?」
内容から何となくそう察する。
他にも何かないかと探れば彼女のものであろうスマホ見つけ電源のスイッチを押すがロック画面を示す。こればかりはどうしようもないか。
さらに財布も健在しておりカードの類を見ていればようやく彼女の名前と住所の乗った免許証を見つけた。
槙村輝。
それが彼女の名前らしい。
名前と生年月日の書かれたそれ。
しかしひとつ不可思議な点があった。
それは住所だ。都内であるのだろうそれは俺は聞いたことのない地名。
それに不審を抱きながらも免許証をしまい俺は自分のスマホを手に取る。
たしか今日はあいつが夜勤でいたはずだ。
『もしもし降谷さん?どうしましたか?』
「風見…調べてほしいことがある…なるべく早急にだ…(これで彼女が何者か分かるはずだ…)」