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プロローグ


「はーちゃん おおきくなったら たいちゃんのおよめさんになる」

小さな白い歯を見せながら太陽のような眩しい笑顔を向ける女の子。
向かい合い砂を弄っていた男の子の手が止まる。
視線だけを女の子に向けると何かを期待しているのか、キラキラした瞳で見つめている。

「………」

男の子は返事に困っていた。
夏休みの一週間だけ遊んだ女の子。
親の帰省に伴い隣家に泊まっている。
明日は自宅へ戻るというのだ。
小さいながらも期待させるような事を言ってはならないと感じていた。
無責任な言動はしてはならないと父から厳しく躾けられていたからだ。

次に会えるとしても来年の夏休み。
その頃になれば気持ちも変わっているかもしれないと幼心に思うのだった。
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