偽りの恋人
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―りん、
お兄ちゃん…?
リョ「りん、白石さんが来たよ」
『……え、え!』
何でいきなり?嬉しいけど、心の準備が…っ
白「りんちゃん」
『ごめんなさいあの、私まだパジャマでして!えと、』
白「…跡部と付き合うてるってほんま?」
ほ、ぇ…?
『えっと…何処に?』
白「跡部の女になったって聞いたけど」
『!!』
そ、それは丁重にお断りしたはずで…
しかも何で白石さんが知って…?
白「…俺に隠してたんやな」
『!違いますっ跡部さん何か間違って…それに、跡部さんが私みたいな子好きになるはずがないとゆうか…っ』
白「りんちゃんは鈍すぎる。もううんざりや」
『白石さ…』
っ待って…!
リョ「りんがそんな女だと思わなかった」
お、お兄ちゃんまで!?
違うの、
違う、
ちが……
『違うんですぅー!!』
リョ「何が?」
ガバッと勢い良く身を起こし辺りを見渡すと、お兄ちゃんが呆れたように溜め息を吐いた。
『(ゆ、夢…?)』
お兄ちゃんの腕から抜け出したカルピンが私にすり寄ってきて、こっちが現実なんだって思えた。
す、凄い夢だったな…
バクバクする胸を押さえていると、そんな私にお兄ちゃんは眉を寄せていた。
リョ「…大丈夫?顔色悪いけど」
『だだ大丈夫だよ!』
慌てて首を振る私の額に、ぴたとお兄ちゃんの掌が添えられる。
熱がないとわかると、その掌は私の頭に置かれた。
ぽんぽんと優しく撫でられて、少し驚きつつも頬が自然と緩んでしまう。
私を落ち着かせるためなんだとわかったら、余計に嬉しくなった。
リョ「もう朝食だから。用意出来たら来て」
『あ、ごめんねっ作れなくて』
「いいよ」とお兄ちゃんは背中を向けて出ていった。
昨日、跡部さんから言われた言葉が頭から離れなくて…
目を瞑ってもどうしても眠れなくて、朝方まで起きてたせいで寝坊してしまった。
『(今日が日曜で良かった…)』
ううん、部活が休みで良かった。
お兄ちゃんもだけど、先輩達は私の様子が可笑しいことにすぐ気付いてしまうから。(何でかな?)
余計な心配かけたくないもんね。
自然と溜め息を溢してベットから起き上がった時、机の上の携帯電話が鳴った。
慌てて手に取り、名前を見ても知らない番号で。
?と首を捻りながらボタンを押す。
『?もしもし』
《あ、りんちゃん?》
えっと…
『鳳さん…?』
《うん。おはよう》
反射的におはようございますと口から零れてしまったけれど、暫くして何で鳳さんが?と疑問に思った。
《急に電話しちゃってごめんね。えっと…突然何だけど、》
『は、はいっ』
《今から、跡部さんの家に来てくれないかな?》
……………
頭の中が整理出来ず何も言えないでいると、鳳さんの焦った声が聞こえた。
《跡部さんが話したいそうなんだ。りんちゃんが誤解してるからって》
『跡部さんが?』
やっぱりあの言葉は私の勘違いだったんだ…
そりゃそうだよね、と心の中で自己解決して大きく頷く。
《大丈夫だよ、俺や先輩達もいるから。それに俺も会いたいし…………え》
『え、』
《あ、いやっ会いたいって皆も言ってるよって言いたかったんだ…!本当に気にしないで俺《何言うてんねん鳳!》
『あ、あの…』
《長太郎!朝っぱらから恥ずかしいこと言ってんじゃねぇぞ《ええっ違いますよ宍戸さん!》
『えと…』
《ていうか何でそもそも鳳が電話してんだよ!?》
《岳人それはなぁ、鳳が1番物腰柔らかに誘えるんやないかと言う企みで…》
『え、えっと…』
電話越しに色んな人の声が聞こえてきて、私はどうしたら…?と戸惑っていると、電話の相手が忍足さんに代わった。
《堪忍なぁりんちゃん。今から来て貰うこと出来ひんやろか?》
『は、はいっ今から行きますね』
《ほんまに?》
私が何か誤解してるなら、ちゃんと聞いてあげなきゃいけないし…勝手に勘違いしてたことも跡部さんに謝らなくちゃ。
《ほんなら、用意出来たら外出て来てや。迎えが行っとると思うから》
『へ?む、迎えですか?』
キョトンと目を丸くしながらも小窓から覗いてみると、家の玄関の前に高級そうな車が停まっていた。
明らかに目立っていて、近所の方達が呆然としているのが目に映る。
『(…は、早く行かなきゃ!)』
このままじゃご近所さんに妙な噂が流れてしまうと、電話を切り慌てて用意をし始めた。