桜の下で 前編
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お目当ての場所は、お花見スポットとしても有名な大きな公園。
『うわぁーすごい綺麗…』
その桜並木の中央に立ち、りんは目をきらきらと輝かせる。
もうたくさんの人達で溢れていて、良い場所は既に取られていると思ったが。
桃「おーいたいた!」
一際大きな桜の木の下に、海堂と乾の姿があった。
手「二人共、ご苦労だった。礼を言うぞ」
海「いや、気にしないで下さい」
乾「ここの場所からだったらすべての桜が見渡せる確率99.5%…」
場所取りをしてくれた二人の努力のかいがあって、何とも絶景の位置だった。
菊「ねーねーお弁当食べようにゃ!」
桃「お、待ってましたぁ!」
二人は身を乗り出して、まだかまだかとりん+持ち物を見つめる。
『あ、はい。今用意しますね!』
りんはランチボックスを開け、重箱も開け…兎に角すべての荷物を開けた。
と、それを見た皆は固まってしまった。
「「「(レ、レストラン?)」」」
全員、思ったことは同じだった。
色とりどりの野菜、にんじんはハート型や星型に切られていて、一つ一つ味付けも違っていた。
サンドイッチやおにぎり、フルーツまで付いていた。
『あ、あと…コーンスープにお味噌汁、あとはお茶もありますよ』
『冷めないうちにどうぞ』と、首に掛けていた水筒達をドンと置く。
皆はここまで予想していなかったので、一瞬躊躇ったが…パクっと、ほぼ同時に一口食べた。
不「うん。美味しいよ」
菊「…~んっまーい!!」
桃「ヤバイな!!」
パクパクと食べる姿を見て、りんは良かったと嬉しくなり微笑んだ。
出来ることならぜひりんを嫁に欲しいと、皆はこの時強く感じた。
リョ「…りん、お味噌汁ちょうだい」
『うん。はい、お兄ちゃん!』
この豪華な料理を目の前にしても動じないリョーマを見て、やはり妹にも欲しいと考え直したのだった。
『あれ、お皿が足りない…?』
ちゃんと数えたはずなのに、一つ足りない。
見渡せば、一人で何個ものお皿を使っている桃城の姿が。
『……わ、私、誰かに貰いに行って来ますね』
リョ「一緒に行こうか?」
『ううん、大丈夫!』
リョーマの優しさを嬉しく感じたが、すぐに戻るからと断わった。
席を離れて、りんは花見客の前を歩いてゆく。
『(誰にお願いしようかな…?)』
なるべく心優しそうな人がいいなぁと、ナンパの体験から大きく頷く。
ふと、視線は一つのレジャーシートにいった。
まるでコックが作ったような料理が並べられ、明らかに他のところと違う。
コップやお皿もたくさんあって、りんは思い切って声をかけた。
『あの…もし良かったらお皿を一枚下さいませんか?』
「ああ、いいですよ」
その人はすんなりと譲ってくれて、振り返った。
『お、鳳さん…っ』
鳳「りんちゃん!」
ほぼ同時に声を発して驚く。
何でここに?と思ったのは向こうも一緒らしく、目を丸くしている。
宍「よぅ」
日「…偶然だな」
『宍戸さん、日吉さん!皆さんもお花見を…?』
突然のことに驚きを隠せないでいると、「そうだよ」と鳳に頷かれてやっと理解出来た。
『り、料理すごいですね』
鳳「ああ、うん。跡部さんが持って来てくれたんだ」
『そう言えば跡部さん達は?』
りんが辺りを見渡していると、ドドドと近付いて来る足音が響いた。
芥「りんちゃ~ん!」
『ジロちゃん!』
ガバァとジローに抱き付かれて、反動から後ろに倒れそうになる。
すりすりしてくる姿を素直に可愛いと感じて、頭を撫でていると…続いて歩いて来る人達に気付いた。
岳「おーりん!」
忍「りんちゃん、久しぶりやなぁ」
跡「青学も花見か?」
『皆さん、こんにちは』
ペコリと、礼儀正しく頭を下げる。
の前に、「いつまでやってんだ」と、眉を寄せる跡部にジローは剥がされていた。
『はい。あっちの方に皆いますよ。
あ、良かったらご一緒しませんか?』
芥「する!一緒に遊びたいCー!」
まるで小学生が挙手するように、勢い良く手を上げるジロー。
岳人も忍足も賛成し、同意を求めるように跡部を見つめる。
跡「…しょうがねぇな」
溜め息混じりの言葉に、ぱぁっと、ジローとりんの目は輝く。
『あっちですよっ』とりんに誘導されて行き、氷帝の皆は移動することにした。