ふたり。
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四天宝寺中は不動峰中に勝利し、準決勝は青学と四天宝寺が戦うことになった。
リョ「りん、」
『何?お兄ちゃん』
勝ったら焼肉と言われ、桃城や菊丸が後ろではしゃいでいる中、リョーマは真剣な顔をしている。
リョ「…あの人と知り合いなの?」
あの人と言われ、思いつくのはただ1人。
『うん…抽選会の時に会ったの』
本当は夢のこともあったけど、確かではないし、リョーマに心配もかけたくなかったのでやめた。
手「よし、油断せず行こう!!」
「「「おーっ!!」」」
皆で輪になり手を合わせて、青学のメンバーはコートへ向かった。
コートは凄く広くて、その大きさにりんは目を見開いた。
整列をして、第1試合が始まる。
シングルス3は…
不「うん、いい風だ」
青学には不二の名前、四天宝寺は白石の名前が映った。
桃「不二先輩、まずは一勝頼みますよ!!」
『………』
りんはコートに立つ白石を自然と目で追っていた。
『(い、今は不二先輩の応援をしなくちゃ!)』
ブンブンと首を振り、試合に集中しようと前を向く。
河「前の氷帝戦では温存してたから、不二も気合い十分って感じだね」
乾「だがあの男、白石も侮れない。昨年四天宝寺は立海にストレートで負けている。
当日2年にしてシングルス1、部長だった彼には回っていない。
言わば未だベールに包まれし男…それが白石蔵ノ介だ」
不二のサーブからゲームは始まった。
両コーナーぎりぎりを狙い分けたショット、ローボレーで相手を崩し…最後にはネットにすかさず詰める。
白「んんー絶頂!」
不二は呆気なく1ポイントを取られてしまった。
手「完璧だ…彼のテニスには、微塵も無駄がない」
滅多に人のことを褒めない手塚が静かに試合を見つめていて、つられてりんも小さく頷いた。
不二の消えるサーブを瞬時に打ち返し、仕返しのドロップショットも白石はあっさり返す。
ヒグマ落とし、つばめ返し、そして白鯨…
白石は三種の返し球を全て返した。
『…すごい…』
隙もなく無駄がない、完璧なテニス。
試合は5-0と、不二は完全に押されていた。
そして白石のマッチポイントとなった時、不二はその場に倒れた。
『不二先輩…っ』
駆け出そうとするりんをリョーマが腕で制す。不二の近くまで歩いて行き、「本気でやってよ」と一言発した。
不「…そうだね。このままじゃ、何か悔しいや」
小さく笑い、不二は立ち上がる。
「あと1球!!」と周りが叫ぶ中、不二の目の色が変化した。
ついに1ゲームを奪う。
不「…鳳凰返し」
つばめ返しよりも手前で沈む打球。
不「白龍」
戻ってくる白鯨と違って、ライン上に落ちても戻ってこなかった。
不「いくよ…第5の返し球(ファイナルカウンター)」
ラケットの裏面も使って、超回転をかけた。
白石は打ち返すが、
不「君の打球…もうネットを越えないよ」
ボールがスルリとネット前に落ちてしまった。
第5の返し球、゙百腕巨人(ヘカトンケイル)の門番゙
ロブも、トップスピンも、スライスも…全てネット前に落ちてしまう。
5-0で追い詰められていたはずなのに、今は不二がマッチポイントと完全に流れを変えていた。
『(…頑張って、)』
技を繰り返す不二。
逆回転をかけ、徐々にボールをネットの上に上げてゆく白石。
どっちも負けて欲しくない、そんな風にりんは思っていた。
ふと白石を見ていて、頭を過った夢の出来事。
『(な、に…今の…)』
必死で思い出そうと頭を抱える。
『……あ、』