王者と挑戦者
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『(き、緊張して来た…)』
ついに関東大会決勝の日を迎えた。
コートに立つ青学と立海を見て、りんはゴクリと唾を呑み込む。
「只今より関東大会決勝戦立海大附属VS青春学園の試合を始めます!!」
審判の声と共に観客席から歓声が沸き起こった。
部長同士が握手をする為に前に出てー…
大「俺達は勝つ為に来た!」
大石が勢い良く言うと、周りが一瞬静まった。
それから我に返ったように手を離し慌てる大石。
「「ナイス、大石…部長!」」
青学一同、笑顔で迎えた。
『…大石先輩。』
その光景を見ていたりんは、ギュッと服の袖を握りしめた。
朋「あ!いたいたりんちゃ~ん!」
『朋ちゃん、桜乃ちゃん!』
朋香と桜乃が手を振りながら走って来た。
…学ラン姿で。
『どうしたの?その格好』
桜「と、朋ちゃんが無理やり…」
朋「だって立海は応援団までいるのよ?こっちも目立たなきゃ!」
恥ずかしそうに顔を赤くする桜乃と、自信満々の朋香。
朋「はい、りんちゃんの分よ」
もう一着持っていたらしい。目の前に学ランと長ハチマキを差し出される。
『…う、うん。ありがとう』
一瞬戸惑ったりんだったが、せっかく持ってきてくれたので喜んで着ることにした。
『青学ーフャイオー!』
リョ「…何してんの」
『!!』
リョーマは学ラン姿のりんをマジマジと見る。
『と、朋ちゃんが持ってきてくれたの!』
朋「あ!リョーマ様~
これでバッチリ応援するわよ」
小さく溜め息を吐き呆れ顔のリョーマ。
不「頼もしい応援団だね」
不二はそう微笑みながら言うと、りんの頭を優しく撫でた。
リョ「…不二先輩、始まるっスよ」
不「はいはい」
不満顔のリョーマを見て、不二は小さくクスッと笑った。
何故兄の機嫌が悪いのかわからず、首を傾げるりんだった。
ダブルスは2試合とも立海が勝利した。
その圧倒的な強さに、誰もが目を見開き驚いた。
シングル3は乾VS柳。
柳は立海で゙参謀゙とも呼ばれている実力者。
『頑張れ、乾先輩…』
思わず小さく呟いた。
それはりんだけじゃなく、青学の皆の願いだった。
…乾はデータテニスを捨てて、がむしゃらに動いているように見える。
ついに6-6まで行き、タイブレークに突入した。
リョ「頑張れ乾先輩!」
『(お兄ちゃん…)』
普段黙って見ているリョーマがコートに向かって叫んだ。
長いラリーが続き、勝利を掴んだのはー…
「ゲームセット ウォンバイ… 乾 7-6!!」
立海から1勝した。
菊丸と桃城は勢い良く乾に飛び付き、その反動で倒れそうになっていた。
『先輩、お疲れ様です』
乾「ありがとう」
りんからドリンクとタオルを受け取る。
荒「いや、もう乾汁だろうがペナル茶だろうがOKっスよ!!」
そう叫んだ荒井が乾汁の餌食になり、後悔する羽目になるのは時間の問題だった。