合宿Ⅰ
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菊「こ、ここ?」
桃「マジっスか…?」
軽井沢に着いた青学一同の目の前には、今にも廃棄されそうな建物。
竜「あたしの教え子の別荘を貸してもらってね。
もう使わないらしいから、好きに使ってくれとのことだ」
大「み、皆!良いところじゃないか」
落胆して固まるメンバーを、大石は慌ててフォローする。
不「でも…自然がいっぱいで楽しそうだね」
『はい!』
大石と不二とりんだけが楽しそうだった。
桃「ま、まぁ…中に入りましょうか…」
苦笑いして桃城がドアを開けようとしたところ…
キィ…
ドアが勝手に開き、中に人が立っていた。
桃「ぎゃー出たー!!」
勢いよく逃げ出す桃城。
朋「ひっどーい、桃城先輩!」
『と、朋ちゃん?』
そこに立っていたのは、頬を膨らませた朋香だった。
桜「こんにちは…」
朋香の後ろから、桜乃が遠慮がちに顔を覗かせた。
『2人ともどうしたの?』
突然の登場に驚きを隠せないりん。
朋「私達も何かお手伝いできないかと思って、先に来て掃除とかしてたの」
桜「う、うん」
顔を合わせて言う2人。
『…ありがとう!』
嬉しくて満面の笑顔で微笑んだら、2人は照れたように笑った。
荷物を置いたら、さっそく練習が始まった。
テニスラケットは持たないで、ランニング。
菊「ちぇーラケットなしかぁ」
不「少しなんだし、我慢しようよ」
菊「…うん」
菊丸は納得がいかない顔で頷いた。
竜「ほぉらー!しっかり走らんかぁ!!」
坂道を駆け上がる青学メンバーを、後ろからスミレが追跡するように自転車で追い掛ける。
大「青学ぅー!」
菊「ファイッオー!」
乾「青学ー!」
海「ファイッオー!」
坂道を駆け上がった後は、急な崖を登る。
竜「ホレホレ、スピードが落ちとるぞ!」
「「キ、キツすぎる…」」
全員が汗だくになりながら思った。
走ってきた道を再びランニングして戻って行くと、りんが笑顔で手を振っていた。
『お疲れ様です!』
駆け寄ってドリンクとタオルを差し出す。
「「…癒しだ…」」
さっきまでの疲れは吹き飛び、皆笑顔になった。
コートに入ると、ラケットは使わないで素手でボールを取る練習。
堀「コート整備終わりましたー!」
海「!お、お前ら何でここに…」
コートから走って来た1年生トリオ。
カチロー「僕たち、手伝いに来たんです!」
カツオ「小石拾ったり、結構大変だったんですよ」
『3人ともありがとう』
手伝いに来てくれたことが凄く嬉しかった。
堀「まぁな、俺らも青学テニス部のメンバーだし!」
『ふふ…うん!』
胸を張る堀尾を見て、りんは微笑んだ。
皆がまだ練習をしてる中、りんはもう1つの仕事をしに宿舎に戻った。
台所に行き食材を机に並べる。
『…よし、やるぞぉ!』
気合いを入れて服の袖をまくり、調理に入った。
暫くして、桜乃と朋香も手伝いに来てくれた。
シュルシュル
「「……」」
トントン
「「……」」
『…あの、』
てきぱきと調理をするりんを、朋香と桜乃は目を開いて凝視している。
朋「すごい…うちのお母さんよりすごい」
桜「早いし、綺麗だし…」
とても同年代には見えなくて、感心しっぱなしの2人だった。
桃「あ~腹減ったー」
菊「俺も~フラフラだにゃ~」
皆が練習を終え、宿舎に戻ると…
桃「んん!?何かいい香りがするぜ!」
宿舎に漂うカレーの香り。
『お疲れ様です。先にお風呂に入って下さいね』
菊「え~飯食おうよ!」
大「英二、汗を流してからだ」
不「そうだね。楽しみは後に取っておいた方が良いんじゃないかな」
菊「うぅ…わかった」
「そうと決れば風呂場へダーシュ!!」と叫びながら、菊丸は走り出した。
桃「あ~ずるいっスよ!一番風呂なんて!」
皆が風呂場へ向かった後、取り残されたリョーマが口を開いた。
リョ「…全員分作るの大変だっただろ」
『そんなことないよ!
桜乃ちゃんと朋ちゃんも手伝ってくれたし』
りんがそう言った後、リョーマがゆっくり視線を合わせた。
何か言いたそうだったけど、すぐに視線を戻して皆の後に続いて行ってしまった。
『?』
りんは不思議に思ったが、早く盛り付けなきゃと急いで台所に戻った。