妹離れ
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*りんside*
最近お兄ちゃんの様子がおかしい。
部活に行く時も先に行っちゃうし、食事中も前より口数が減った。
(私…何かしたのかな?)
もしかしたら、何か怒らせるようなことをしたのかもしれない。
う~んと頭を悩ませていると、部屋のドアの隙間からカルピンが顔を覗かせた。
『カルピン、おいで』
両手を差し出して手招きすると、とことこと向かって来た。
腕の中で「ほぁら」と鳴くカルピンを撫でていると、落ち込んでいた気持ちが自然とはれていく気がした。
(…うん、元気だそう)
暗い顔してたら、皆に心配かけちゃうから。
明日は関東大会の2回戦。勝てば、ベスト4進出だ。
(私も頑張らなきゃ)
頬を軽く叩くと、キッチンへと足を向けた。
翌日、竜崎先生から試合のオーダーが発表された。
お兄ちゃんはシングルス3だった。
『お兄ちゃん、頑張ってね』
リョ「…うん」
やっぱり、目を合わせてくれない…
試合は3試合同時に行う。先輩達のコートへも行こうと思ったけど、お兄ちゃんの試合を見ててと全員に言われた。
試合は、青学が3試合全勝した。
次の対戦相手は千葉の六角中。
その前に昼休憩を挟む。
桃「マジでうますぎるぜ…!!」
菊「あ~乾!それ俺が食べようと思ってたんだからなぁ!」
海「……」
不「いつもお弁当ありがとう」
『いいえ!喜んでもらえて、良かったです』
実は人数分作る為に、昨日の夜から仕込んでいたお弁当。
皆喜んで食べてくれた…
良かったぁ。
『あの、お兄ちゃんは…?』
さっきからお兄ちゃんの姿が見えない。
桃「あぁ、俺もさっきから探してんだよ」
河「越前なら、メシ食ったから昼寝だって」
河村先輩の言葉を聞き、一瞬戸惑った。
(メシ…?)
いつ食べたのかな…
試合が始まるまでまだ時間はあるので、お兄ちゃんを探すことにした。
『お兄ちゃん何処にいるんだろ…』
キョロキョロと辺りを見渡すけど、それらしき人物はいない。
思わず溜め息を吐きそうになった時ー
『きゃっ!』
「うわぁ!!」
前から走って来た人とぶつかってしまった。
その拍子に尻餅をついた。
「だ、大丈夫ですか?
すいません、前見てなくて…」
『いいえ、私こそすみません…』
顔を上げたら、男の人はすごく目を丸くしていた。
瞬きもせずこちらを凝視している。
『?』
ジャージに目を向けると、“六角中”と書かれていた。
(…六角中だ)
思わずじっと見ていると、その人の顔は赤くなった。
ど、どうしたのかな…
「…あの!ボク、六角中1年の葵剣太郎と言います。君の名前は?」
勢いよく聞かれたから、びっくりした。
『青学のマネージャーの、越前りんです』
「越前?ひょっとして越前君の兄妹か何かですか?」
『はい。双子の妹です』
そういうと、葵さん?は興味深そうな表情を向けた。
葵「そうだったんですかぁーいやー奇遇だなぁ」
葵さんはニッコリと笑った。
親しみやすそうな人だな。
「剣太郎~早くしないと試合始まるぞ!」
遠くの方から、六角のジャージを来た人が叫んでいる。
葵「そうだ!メシ食わなきゃ。
じゃあまた、りんさん。」
『はい!また…』
去りぎわにもう一度微笑んで、葵さんは走って行ってしまった。