妹離れ
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朋「ごめんなさい!私ったらリョーマ様の妹に失礼なことを…!」
『全然気にしてないよ。だから、その…頭を上げて』
さっきから何度も頭を下げ続ける朋香。
『それと…敬語じゃなくていいよ。同い年なんだし』
朋「うん…!」
朋香は顔を上げてりんを見る。
りんは優しく微笑んでいた。
朋「りんちゃん!
私に何かお手伝いできることない?」
桜「と、朋ちゃん?」
朋香は必死に頼みこむ。
りんは断ろうとしたけど、あまりにも真剣な表情の朋香を見て心が揺れた。
『…じゃあ、ボールを運ぶのを手伝ってもらえないかな。1人だと重くて』
朋「任せて!桜乃も手伝うよね?」
桜「うん。部活の時間までなら…」
りんは2人にお礼を言って、皆でボールが入った籠を運んだ。
さらに数日後、りんのファンクラブがあっとゆう間にできた。
その会員は日に日に増えていて、特に1年生が多かった。
カチロー「リョーマ君、最近元気ないね」
堀「そりゃあ、あんだけ妹の人気が凄いからだろ」
机に肘をついて窓からグランドを見るリョーマを見て、堀尾達は心配する。
「おい、越前~
今度はいつテニス部に妹来るんだよ」
「俺ランニング中に見た!すっげー可愛いかった」
「サッカー部にもあんなマネ欲しいよな~」
ここ最近毎日こんな感じなので、リョーマは慣れていた。
しかし、
「お、おい!どこ行くんだよ越前」
リョ「…静かなとこ。」
机を囲む男子を背に、リョーマは歩き出した。
カツオ「リョーマ君…」
堀「ほっとけって。そのうち戻って来るだろ」
カチロー「堀尾君冷たい……」
堀「!!」
屋上へと階段を昇る。
重たいドアを開けると、人の気配はなく辺りは静まりかえっていた。
真ん中まで歩いて行き、リョーマはそこに寝っ転がる。
上を見上げれば、青空に雲が流れていた。
腕を顔の上に被せ、自然と瞳を閉じる。
暫くそうしていたら、急に屋上のドアが開かれた。
足音はリョーマの側まで近づき、目の前で止まる。
桃「こんなとこでサボりかよ、越前」
リョ「…桃先輩、」
そう言って、リョーマと反対側に寝っ転がる桃城。
リョ「先輩もサボってるじゃないスか」
桃「ま~な、だって次数学だぜ?」
「やってらんねーな、やってらんねーよ」と呟いて寝返りを打つ。
桃「…2年の中でも、すげー人気だぞ。お前の妹」
リョ「……知ってる」
桃「さっきも色々聞かれてさ~うるせぇから逃げて来た」
リョ「…同じ」
桃「まーりん可愛いからなぁ」
……………
暫く沈黙が続き、気まずい空気が流れる。
桃「な、何か言えよ。恥ずかしいだろ俺が//」
リョ「ふーん…桃先輩のタイプってりんなんだ」
桃「な…っ!!そうゆう意味じゃねーよ!妹みたいだってことだよ//」
リョーマは、赤くなり慌てる桃城に冷たい視線を送る。
桃「それはお前もだろ?」
リョ「……は?」
桃「妹離れ、できてねーだろ」
桃城の言葉に、リョーマは固まった。
そんなこと、考えたこともなかったから。
暫くするとチャイムがなり、桃城は先に教室に行ってしまった。
“妹離れできてねーだろ”
その言葉が、リョーマの中にいつまでも残っていた。