妹離れ
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噂はすぐに広まった。
朋「ちょっとちょっと桜乃~!!」
教室に慌てて入ってきた朋香に、桜乃は目を開いた。
桜「ど、どうしたの朋ちゃん」
朋「大ニュースよ!青学にマネージャーが入ったんだって!」
桜「え!?」
朋「しかも!リョーマ様の恋人とかゆう噂よぉ」
朋香は本当に落胆した様子で、顔を手で覆う。
あまりにも大声だったので、教室にいた全員が朋香を見た。
桜「で、でも…噂じゃないの?」
朋「それが、この前リョーマ様といるところを見たって言う子がいるのよ!
頭なでなでされてたんだって~!」
「私もされたことないのに」と付け加えて、朋香は悔しそうに嘆いた。
朋「行くわよ桜乃!」
桜「行くって…?」
朋「リョーマ様ファンクラブとして、黙ってられないわ!
徹底的に調べてやるのよ」
桜「(な、なんとゆう行動力)」
ガッツポーズを取り火花を散らす朋香の気迫に、桜乃はただ呆然としていた。
そして、翌日の土曜日
木の影からコートを覗く2人の姿。
朋「あっあの子よ!
だってタオル渡してる!」
桜乃は言われた通り視線を動かすと、試合を終えたレギュラーの皆にタオルを渡している女の子の姿があった。
後ろ姿なのでよくは見えないけれど。
朋「よし、チャンスね。
行くわよ~桜乃!」
1人で蛇口の方へ歩く様子を見て、朋香は飛び出し後をつける。
桜「ま、待ってよ!朋ちゃん」
慌てて桜乃も付いて行く。
朋「ちょっと良いかしら」
桜「(朋ちゃん、それじゃイジメてるみたいだよ)」
蛇口の水でタオルを濡らしていた女の子が手を止め、振り向いた。
雪のように真っ白な肌、丸くて大きな瞳、桜色の唇、さらさらでウェーブのかかった栗色の髪。
2つに緩く結んでいるけど、小柄な体型にすごく似合っている。
まるで、
朋「(…フ、フランス人形みたい)」
朋香は怒気を忘れ、目の前の少女を惚れ惚れと見つめていた。
桜「りんちゃん!」
『桜乃ちゃん!』
桜乃の声でハッとして我にかえる朋香。
朋「知り合いなの?桜乃」
桜「うん。大会の時に会って…」
『びっくりしたぁ、桜乃ちゃん急に後ろにいたから』
桜「私も驚いたよ。マネージャーになったんだね」
『うん!』
朋「ち、ちょっと待って!」
和やかに話す2人を見ていた朋香が、急に間に入った。
朋「私が聞きたいのは!
リョーマ様とどーゆう関係かってこと!」
『関係…?』
朋「そう!」
朋香は肩を掴んで話す。
後ろから桜乃の声がするけど、今の彼女には聞こえていなかった。
りんは暫くきょとんとしていたが、すぐに理解したかのように頷いた。
『越前りんと言います。
関係は…双子の妹です。』
微笑んで話すりん。
朋香は再び呆然と固まるのであった。