氷帝
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*りんside*
(すごい…)
長いラリーが続く。
手塚部長は、あえて持久戦を選んだ。
青学の勝利のために。
あと1ポイントで勝てるとゆう時、急に手塚部長が肩を押さえて座り込んだ。
(!!)
皆一斉に部長の元へ駆け出す。
手「来るな、戻ってろ!
…まだ試合は終わっていない」
皆が試合続行を反対する中、大石先輩が“がんばれ”って言って部長と腕を合わせた。
リョ「俺に勝っといて負けんな」
ベンチに座っていたお兄ちゃんが、呟くように言う。
手「…俺は負けない」
その後、桃城先輩とアップをしに行ってしまった。
お兄ちゃんなりのエールだとすぐにわかった。
試合はタイブレークまで及んだ。
「ゲームセットウォンバイ氷帝学園、跡部!」
握手後、跡部さんは手塚部長の腕を高く上げた。
次の試合は、控え選手同士が行う。
お兄ちゃんの試合。
(すごく見たいよ)
だけど…
手塚部長は、竜崎先生と一緒に病院に行くことになった。
『…あ、あの!』
先生と部長が振り向く。
『私も…一緒に行きたいです』
竜「本当かい?」
コクンと頷いて竜崎先生を見ると、了解してくれた。
その時、手塚部長と目が合った。
竜崎先生は、車を取りに先に行ってしまった。
手「…越前。」
急に呼ばれて、背の高い部長を見上げるように見ると真剣な表情をしていた。
手「越前の試合は良いのか」
『…はい』
お兄ちゃんの応援がしたい
でも、
手塚部長のことが、心配。
肩を痛めて、傷つけて、それでも…最後まで部長としての役割を果たそうとした。
気付くと、温かい涙が頬をつたっていた。
そのことに自分が一番驚く。
『あ、ご…ごめんなさい…な、んで…』
止まらない。
一番泣きたいのは、部長だと思うのに。
(部長…困ってるよね)
顔を上げて見ると、手塚部長は静かに見つめていた。
その瞳は、優しい色をしている。
手「…心配かけて、すまない」
ゆっくりと視線を合わせる。
手「1つ、頼みがある」
『はい…』
手「越前の試合を見ていてくれ。
あいつは、妹の応援で何倍もの力を発揮できる」
『……』
そう言った後、部長は少し言いにくそうに言葉を詰まらせた。
手「…それと、だな」
『?はい』
手「出来れば、名前で呼ばせてもらいたい」
『え、』
手「越前と呼ぶとややこしくなる」
手塚部長はすごく真剣な顔で、何だかそれが可笑しくて。
『…はい。ぜひ!』
元気いっぱいに言うと、少しだけ笑ってくれたような気がした。