初日の出
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旬「いやぁ、リョーマくんが遂にアメリカにねー…」
涼「さすが南次郎さんの息子だわぁ」
居間のソファーに座り、まったりとしつつ大人達は会話に花を咲かせていた。
菜々子がお茶や菓子を運び、その度会話が変わっているので余程楽しいのだろう。
旬「でも本当、更に可愛くなってりんちゃんは。俺の洋服のモデルお願いしようかな」
旬典はうんうんと一人頷く。
南「絶対頼むんじゃねぇよ。…断われないんでね」
未だ痛むお腹を押さえその場に横たわりながら、南次郎は即却下。
旬典はまだ諦めきれないようだったが、隣に座る涼子に足を踏まれ渋々と折れた。
倫「碧くんも大きくなったわねー」
涼「この人が仕事でアメリカに行った時以来だからね。でも最近は武士になるとか言ってるし…」
「将来が不安よ」と溜め息混じりに呟く。
倫子も、ことあるごとにお兄ちゃんお兄ちゃんと言っていた自分の娘を思い出して、深く頷いた。
一方、寺のテニスコートでは…
『そうそう、上手だよ碧くん』
碧「んっしょ…こう?」
りんは碧に一生懸命テニスを教えていた。
体には大きいラケットを必死で振る姿に、可愛いなぁと思わず微笑む。
ふと、素振りの手を止めムッと眉を寄せる碧。
碧「今、可愛いって思った?」
『え?うん』
碧「可愛くない!俺はかっこいいのっ」
力いっぱい叫んだ後、拗ねたように横を向いた。
そんな姿もりんにとっては可愛らしくて、再び口元が緩みそうになるのを我慢する。
碧「…兄貴は?いないの、」
兄貴…とはリョーマのことで、何故か碧はこう呼んでいた。(りんのことは呼び捨てだが)
りんがアメリカに行ったと説明すると、碧は「そっか…」と残念そうに顔を俯かせた。
『あ、碧くん…でもすぐに会えるよっ』
昔からリョーマを慕ってる碧だから、とてもショックなのだろう。
慌てて励まそうとするりんの手を突然握り、
碧「りんは何処にも行かない?」
『え、』
その瞳は真っ直ぐで、一瞬ドキリとしてしまうくらい真剣な顔をしていた。
碧「…行かない?」
尚も再確認してくる碧に優しく微笑み、りんはその手をギュッと握り返した。
『…行かないよ。ずっとここにいる』
゙ずっとお兄ちゃんを待ってる゙
そう続けようとしたが、思い留まる。
碧は「そっか」と笑い、顔を赤く染め目を逸らした。
りんが首を傾げていると何やらゴニョゴニョと呟き始める。
碧「…早く俺の嫁に来い、そしたらいつでも守ってやるよ///りん………りん?」
傍にいたはずの姿がなく首を動かせば、少し離れたところで誰かと電話中のりん。
『あ、先輩ですか?はい、大丈夫です。今から向かいますね。あと…』
碧はぴくっと眉を吊り上げたが、相手はりんだと言うこともあり「そんなとこも可愛いな」と呟いただけで、6歳の告白は幕を閉じた。
午後から青学の先輩達と初詣に行く約束をしていたので、りんは一緒に行くと言う碧を連れて待ち合わせ場所に向かっていた。
りんは貰った帽子とミトンをしていて、碧も偶然同じような服装をしていたので、
「あの二人可愛いー」
「姉弟かな?」
と擦れ違う人達に囁かれていた。
碧には「お似合いな恋人同士」と聞こえていて、一人優越感に浸っていた。
神社の前に行くとたくさんの人で溢れていて、小さな背で一生懸命背伸びをするりん。
辺りを見渡し姿を見付けると、人混みをくぐり抜け小走りで向かう。
菊「りんー!!明けましておめでと!」
海「英二先輩、まだ明けてないっスよ」
手を大きく振る菊丸にりんはニッコリ笑い、『おめでとうございます』とペコリお辞儀した。
受験を控えている大石、店の手伝いで忙しい河村を除き、既に全員集合していた。
桃「お、こいつが碧くん?」
碧「………」
電話で話していた為、碧のことは皆知っていた。
不二が「女の子みたいだね」と呟き、隣にいた乾も興味深そうにその姿を見る。
『はい。碧くん、私の先輩達「…敵か?」
碧は鞘から剣を抜き、桃城の前に突き立てた。
菊「何何、チャンバラごっこ??」
……違う。
碧「貴様ら、俺の剣で一気に仕留めてやるっ!」
どうやら碧は、りんに関わる男がいたら取り合えず戦いを挑むらしい。
桃「やれるものならやってみるが良い!」
しょせん子供の遊びだと桃城も構える素振りをする。
りんは被害者の父を思い出し慌てて止めようとするが、碧は既に走りだしていた。
碧「覚悟ー!!」