初日の出
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*りんside*
今年も終わりの、大晦日の日。
私と菜々子さんは早起きして台所を忙しなく動いていた。
『菜々子さん、味付けどうですか?』
菜「そうね…うん、美味しい」
年越し蕎麦を茹でながら、明日のお節も作る同時進行。
普段と違った料理だから張り切ってしまう。
午後から親戚が来るので、多めに作っておいた。
菜「ああ、そうだりんちゃん。リョーマさんからは連絡あったの?」
ふと黒豆を煮ながら問い掛けてきた菜々子さん。
私はコクンと頷いた。
『だけど、携帯にはまだなくて…』
実は、イヴの日の誕生日に、お母さんとお父さんから携帯電話を貰った。
もちろん海外対応してるけど、お兄ちゃんがしてなきゃ意味ないし…
ハガキに番号は書いて送ったから、お兄ちゃんが寮から電話してくれるのを待つしかない。
菜「でも良かったわね。
これで連絡しやすくなったし」
『うん!菜々子さんとも電話とか出来ますね。メールはまだ勉強中だけど、』
「違くて」と微笑む菜々子さん。
首を傾げる私にそっと囁き、その名前を聞いた瞬間顔が一気に赤く染まっていった。
菜「番号とか教えたの?」
『ね、年賀状に一応書いたんですけど…///』
実は、白石さんの番号はもう登録済みだったりする。
けど…受験勉強の邪魔だとか迷惑かなとか思ってしまって、まだ連絡出来ないでいた。
(…情けないな、)
自分の奥手さに心底嫌気が差す。
しゅんと落ち込みそうになった時、ピンポーンと玄関のベルが鳴った。
倫「はーい、」
出迎えに行くお母さんの後に慌てて着いて行くと、顔を覗かせたのは…
「久しぶりねー倫子」
倫「涼子姉さん!」
涼子(スズコ)叔母さんはお母さんのお姉さん…つまりは私の叔母さんです。
とても綺麗な人で、地元では華道の先生をしてる。
倫「あらー旬典さんも久しぶり」
旬「久しぶり、倫子ちゃんも元気そうで」
旬典(シュンスケ)叔父さんは涼子叔母さんの旦那さん…つまり私の叔父さんです。
洋服のデザインの仕事をしていて、お洒落でかっこいい人。
今も着物を着ていて、二人並ぶと本当に絵になる。
南「おー来たか!」
(今起きて来た)お父さんが笑顔で二人を迎える。
昔から叔父さんと仲の良いお父さんは、肩を組んで楽しそうに笑っていた。
賑やかな雰囲気から一人取り残されていると、お母さんに名前を呼ばれた。
『あ、お久しぶりです…』
涼「…りんちゃん?うわー大きくなって、」
旬「相変わらず可愛いなーとても君の子供だとは思えない」
南「何だと!?」
倫「あ、そう言えば今日碧くんは?」
お母さんが尋ねると、叔父さんの後ろから遠慮がちに顔を覗かせる一人の男の子。
『碧くん!』
以前碧(アオ)くんに会ったのは、私が9歳で碧くんが3歳の時だから…4年ぶりくらいかな?
覚えてるかな?と不安に思い近付いて行くと、
碧「…!!りんー!」
ピョンと家に上がり、碧くんは勢い良く私の膝に抱き付いて来た。
顔を上げて、ニパッと無邪気な笑顔を向ける。
髪は金色に近い茶髪で、猫毛なのかふわふわしてて、
大きな瞳は金色で、くりくりの真ん丸な目。
色も真っ白で、女の子みたいな可愛さを持つ碧くん。
碧「りん、敵は何処だ!俺の剣で今すぐ成敗してやるっ」
『え、敵…?』
碧くんは背中に背負っていた自分より大きな鞘から剣(玩具?)を抜き、私の前に仁王立ちし辺りを見渡す。
涼「こら碧!りんちゃんが困ってるでしょ?」
『??』
突然のことに頭にたくさん?マークを浮かべていると、何かを思いついたのかニッと笑うお父さん。
南「貴様が碧か。かかって来るが良い!」
碧「何ぃやはり貴様が敵か、りんは渡さん!覚悟しろ!!」
てっきり真っ直ぐ斬られると思ったのに、碧くんはお父さんのお腹目がけて突っ込んだ。
数分後、お父さんが腹部に軽症を負ったのはゆうまでもない。