妹と弟
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*りんside*
シングルス1の試合は、タイブレークまでいったけど7-6で聖ルドルフの勝利だった。
シングルス2は海堂先輩や桃城先輩が次々と必殺技を決めて、青学は勝利した。
(スマッシュが当たっちゃった人…大丈夫かな)
何だかんだ言っても、2人は良いコンビだと思う。
『先輩!お疲れさまです』
桃「おっサンキュー」
海「……フシュ~」
試合を終えた桃城先輩と海堂先輩にタオルとドリンクを渡す。
菊「とにかく1勝ー!!」
菊丸先輩と他の部員達は、両手を上げて嬉しそうだ。
『(そういえば、お兄ちゃんがいない)』
試合に夢中になっていたため、隣にいないお兄ちゃんに今頃気づいた。
『(次の試合だったよね…)』
先輩たちに一声かけて、早足でお兄ちゃんを探しに向かった。
コートとは離れた場所に行くと、壁にボールをぶつけている音がした。
『(お兄ちゃんかな…?)』
近くに寄って見てみると聖ルドルフの生徒だった。
その人が打ったショットが急に跳ね上がって、上のフェンスに挟まった。
『(…すごい) 』
あの角度からあんな球が打てるなんて…
思わずじっと見つめているとその生徒と目が合った。
目を見開いて私を見返す。
「……あんた、誰だよ」
『え、あの…』
疑うように目を細められた。
『ごめんなさい、兄を探しに来たんです…勘違いしちゃって』
私がそう言うと、男の人は短く「そうか」と頷いた。
それにしても、さっきのショット…
跳ね上がる感じが、お兄ちゃんの打つツイストサーブと似てるな。
「兄って?」
『次の試合に出るんです。青学の…「裕太?」
言いかけたとこで後ろから聞き覚えのある声がした。
振り返ると、不二先輩が笑顔で手を上げていた。
不「あれ、りんちゃんと一緒だったんだ」
『?は、はい』
2人の関係が理解出来なくて思わず首を傾げる。
裕太さん?を見ると、さっきとは違って嫌なものを見る目をしていた。
不「元気そうだね裕太。どう?寮生活には慣れた?」
そんな様子を気にしないで、ニコニコと話しかける不二先輩。
裕「…俺は、全身全霊を賭けてその1年を倒す!」
不「そう簡単にいくルーキーじゃないよ」
『(ルーキーって…)』
裕太さんは「やってみないとわかんねーよ」と言って背中を向けて歩きだした。
一瞬目が合った気がした。
不「ごめんね、裕太があんなこと言って…」
『いえ!あの、それより…』
申し訳なさそうに言う不二先輩に慌てて首を振る。
私が何を言いたいのかわかったのか、不二先輩はゆっくり口を開いた。
不「裕太はね、弟なんだ」
『!』
『(だったら、何で…)』
さっきの裕太さんの顔を思い出し不思議に思った。
不「ところで、越前は見付かった?」
不二先輩の言葉にハッっとして我に返る。
『(そうだ、お兄ちゃん!)』
私は不二先輩に別れを告げて、再びお兄ちゃんを探しに走りだした。