招待Ⅱ
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一方、他の皆はというと…
菊「お化け屋敷楽しかったにゃ~」
不「そうだね」
岳「そうか?妙にリアルで怖かったじゃん!」
楽しいと言うより怖いと言う気持ちの方が大きかった岳人は、二人に変なものでも見るような視線を送る。
忍「跡部何処行ったんやろな」
不「りんちゃんもいないしね…」
りんは携帯を持っていないので待ち合わせをしようにも出来ない。
正門に行けば会えると思っていたのに、その姿がないので皆は心配になってきた。
桃「(…跡部さんと二人…)」
海「(…危険だ、)」
もし一緒にいたら…と想像し、二人は目の色を変えて探し始めた。
もはや保護者のようになっていた。
校舎の裏に行くと、目の前に広がるのは先程とはまったく雰囲気が違う人通りのない場所。
紅葉した葉が風で舞っていて「綺麗…」と誰かが思わず呟く。
菊「あ、あれ!」
菊丸が指を差した方を見ると、一番大きな木の下で肩を並べて眠っているりんと跡部の姿。
急いで近寄ると手を繋いでいることがわかった。
忍「…抜け駆けやな」
岳「クソクソ!跡部の奴!」
保護者代わりの青学の皆もその光景を見て少々…かなり嫉妬したが、りんが余りにも気持ちよさそうに眠っているので、
不「起こすのが悪い気がするよ…」
不二がそう呟いた瞬間、
芥「あー跡部ズルいC!俺もお昼寝するー!」
忍足におんぶされ眠っていたはずのジローが、目を覚ますなり慌てて走りだした。
跡部とりんの間に素早く入り自分も眠る。
が、その拍子で跡部は思いっきり弾き飛ばされてしまった。
跡「……って、」
衝撃に目を覚ますと、何故か全員集合していて。
菊「俺も俺も~!」
岳「…お、俺も!」
菊丸につられ岳人も走りだした。
木の周りは完全にお昼寝スポット化しつつある。
忍「ええなぁ、俺も…」
不「…いや、それどころじゃないんじゃないかな」
呟く不二を首を傾げながら見ると、何やら横を向いている。
その方向に目を向けると先程尻餅を突いた跡部が俯いていて、忍足は身の危険を感じ取り身震いする。
跡「……てめぇら、」
皆が気付いた頃には、もう手遅れだった。
『…?』
りんが目を覚ました時は既に大変な騒ぎで、何があったのかと首を傾げるしかなかった。
謙「…ここにおったか」
一方、ここ四天宝寺中も今日文化祭が行われていた。
保健室のドアを開けると、謙也はそこにいる人物を見て眉を寄せる。
白「ああ、謙也」
椅子に座り白石は笑顔を向ける。
その膝には一匹の猫が乗っていて、謙也は脱力感からハァと息を吐いた。
謙「…その猫どないしたん」
白「何や千歳に頼まれてなぁ。部室に忍び込んどったらしいで」
謙「………」
保険委員の彼だから、どうやって入ったかなどは予想がついたので聞かなかった。
それよりも今こうして猫の肉球を触り「かわええなー」と和んでいる親友の姿に、ツッコミどころが多すぎて躊躇ってしまう。
謙「サボって何しとんの…紅葉めっちゃキレとんで」
白「休憩?」
謙「………」
執事喫茶と言う名目でやっている為、自分はもちろんほぼ強制的に執事服を着せられていた。
コスプレが苦手だと言う白石だが、その姿は言うまでもなく様になっていて、女子達は騒がずにはいられなかった。
突然、携帯の着メロが鳴り響き白石が猫と遊んでいた手を止め、それを開いた。
きっと紅葉からやなと謙也が一人頷いていると、案の定画面を開いた白石の顔は固まっていた。
謙「あいつ何て?」
白石の背後から携帯を覗くとそこに映っていたのは…
真っ白いワンピースを着て、眠っているりん。
その姿はまるで天使で、謙也はハッと気付くと慌てて送信者の名前を見るが、雪と言う知らない名前だった。
白「…謙也、」
謙「え?」
白「行こか、休憩終わりや」
謙「は?ちょ、」
猫を預け、「千歳に渡しといて」と残し白石は保健室を出て行った。
呆然とする謙也だったが、無事やる気を出してくれたみたいでホッと肩を落とし、ドアの方に向かって鳴く猫の頭を一撫でした。
白「…保存しとこ」
その日の白石の接客は完璧で、知らぬ間にまた女子のファンを増やしていたのだった。