招待Ⅱ
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忍「校舎の中もえらい人だかりやな」
岳「うち(氷帝)より上じゃねーか?」
取り合えず歩こうと皆は一年の教室の前の廊下を歩いていた。
目的が一緒と言うことで自然に合同しているのに、誰も気付いていない。
跡「桃城海堂、部活はいいのか?うちの日吉は毎日休まず練習してるぜ」
海「…っ今日は偶々…!」
桃「りんに誘われたから来ただけっスよ!」
当初は部活だからと断わったのだが、それを聞いたりんがあまりにも悲しそうに落ち込んでしまったので、来るしかなかった。
『待ってますね!』と本当に嬉しそうに笑ったりんの顔が浮かんだ。
桃&海「「((俺達って…))」」
つくづくりんに弱いと実感する二人だった。
雪「只今からD組でプラネタリウムやりまーす」
一番奥の教室まで歩くと、高い声が響いた。
不「あれ?あの子…雪ちゃんじゃない?」
菊「本当だ、お~い!」
菊丸が手を大きく振ると、雪は振り返り目を見開いた。
雪「こんにちは!来てたんですね。りんなら今中に…」
笑顔だった雪の顔が、後ろに立つ人物を見てはたと停止してしまった。
不二や菊丸が頭に?マークを浮かべていると、
雪「あの…っ跡部さんですよね?(と、とと隣の人もかっこいい!)」
跡「は?」
突然興奮し出す雪に、何だこの女と言うように跡部は眉を寄せる。
雪の面食いっぷりを知ってる青学の皆は苦笑するしかなかった。
また跡部が酷いことを言わないかと忍足が不安になってきた時、ガラッと教室のドアが開かれた。
『雪ちゃん、そろそろ始まるよ』
その声にぴくっと反応し、教室から顔を覗かせたりんへと、全員視線を移した。
が、その姿を見るなり言葉をなくしてしまった。
りんは真っ白なワンピースの上に、薄いヴェールのようなものを羽織って着ていた。キラキラのビーズが付いていて、遠くからでも光って見える。
髪はいつもと同じ二つ結びだったが、ふわふわのゴムで結んでいた。
その姿はまるで、
「「「(((星の妖精…)))」」」
全員見事にシンクロした瞬間だった。
『皆さん来てくれたんですね!』
皆に気付くと、りんは嬉しそうに笑い小走りで近付いて来た。
菊「りんー!!」
『ゎわ…っ』
菊丸にギュッと抱き付かれ後ろに倒れそうになるりん。
「久しぶりだにゃー」とすりすりしてくる姿は本物の猫のようで、りんは自然と頭を撫でていた。
菊「にゃ!?りんからなんて珍しい…」
『あ、ごめんなさい。何だか先輩を見てたら撫でたくなって…』
芥「あーりんちゃん俺も撫でて欲しいC!」
先程まで寝ていた人物とは思えないほどの動きの速さで、ジローはりんの前に立つ。
『よしよし、』
芥「えへへー」
優しく撫でればジローは嬉しそうに笑ったので、りんも口元を緩めた。
岳人は俺も!と言いたかったが、皆の前と言うこともあって顔を赤くしただけで押し黙ってしまった。
ジローのキャラがつくづく羨ましいと心の中で嘆く。
雪「(な、何?このほんわかした雰囲気は)」
周りに花が飛んでるように見えた雪だった。
『真上に見えますのが北斗七星で…』
暗く静かな教室の天上には、無数の星が散らばっていて、とても幻想的だった。
観客は皆りんの丁寧な説明を聞きながら、それをうっとりと見上げている。
不「教室でプラネタリウムなんて…良いアイディアだね」
普段から一人でもプラネタリウムに行く不二は、誰よりも目を輝かせて見ていた。
忍「何や恋人と見たい感じやな…ってジロー寝とるし!」
芥「zzz…」
こんなゆったりとした雰囲気の中、ジローが起きていられる訳がない。
桃城も隣で爆睡していて、ロマンチックの欠片もないと忍足は呆れたように息を吐いた。
跡「(何だ?この視線は…)」
跡部は身の知れない寒気を感じ、首を傾げつつ眉を寄せる。
少し離れたところでは…
雪「フフフ…」
「…雪何してんの」
教室の隙間から顔を覗かせ、スケッチブックを持った少女が目を光らせながら跡部を見つめ、素早く描写していた。