招待Ⅰ
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『くしゅん…っ』
聖華女学院で、りんは小さなくしゃみをしていた。
『(?風邪かな?)』
首を傾げながら、今している作業に集中しなきゃと手元に意識を戻す。
りんの学校も文化祭が近く、今はどのクラスも放課後残って準備をしていた。
日本に来てから文化祭というものに初めて参加するので、りんは今からとても楽しみにしていた。
『色塗り出来たよー』
「ありがと。さっすがりん、上出来!」
『えへへ///』
看板の色塗りを頼まれ、真剣にやっていた分誉められたことがより嬉しくて、りんは頬を染めつつ微笑む。
クラスが癒しの雰囲気になってきた時、突然もの凄い勢いでドアが開かれた。
雪「りん、大変…!」
そこには、乱れた髪で荒い息を繰り返す雪の姿。
『どうしたの?』
正反対に、キョトンとした目で雪を見つめるりん。
雪はツカツカと歩み寄り、「白石さんが…」と呟く。
『白石さんがどうかしたの?』
雪「ぶ、文化祭で…」
『?うん、』
雪「゙執事喫茶゙やるんだって!!」
雪の声で周りは一瞬しんと静まり返ったが、何事もなかったように作業を続行し始めた。
叫んでしまってから「あ、違った」と雪はコホンと小さく咳払いをする。
雪「白石さんの学校と文化祭の日が一緒でね、来れないんだって」
『え…そっか』
雪の言葉に肩を落とし、『仕方ないよ』とりんは苦笑するが、その表情は残念そうだった。
雪は以前青学に行った時に白石からメアドを聞いていて、文化祭に誘っていたのだった。
雪「でもさ、2ヶ月以上も会ってないんでしょ?」
『うん…』
夏休みに大阪に行ってから白石とはそれっきり連絡も取っていない。
向こうは受験生と言うこともあり、元々奥手なりんは遠慮して行動に移せないでいた。
『そ、それより、雪ちゃん今度の土曜日って暇?』
落ち込みそうな気持ちを払うようにブンブンと首を振り、雪に問い掛ける。
雪「土曜は駄目、部活の方の文化祭の準備だから」
美術部も展示をするので、その追い込みらしい。
「何かあるの?」と尋ねる雪に話を続けると、
雪「…立海大附属中の文化祭に…」
『でも、一人だと何だか不安だね』
不安がるりんとは反対に、雪は「いーなぁ」と本当に残念そうに嘆く。
雪「もうさ、その中で好い人見つければ?」
『へ?』
雪「遠くにいる何て、いつ会えるかわかんないし…寂しいだけじゃない?(りんに惚れてる人絶対いるだろうし)」
雪の何気ない一言に、りんは小さく頭を横に振った。
皆のことは大好きだけど、友達としてで…
それに、
『(寂しくないもん)』
何処か自分に言い聞かせるように心の中で呟く。
そして、いつものごとく「写真もよろしくね!」とキラキラした瞳で雪にカメラを持たされたのだった。