恋心
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走って走って着いた場所は、゙お好み焼き カエデ゙と書いてあるお店だった。
乱れた息を調えていると、ガラッと店の扉が開かれ中から年配の人達が出て来た。
紅「ありがとうございましたー、気ぃ付けて帰ってくださいね」
「ありがとう紅葉ちゃん。お父さんにも宜しくね」
手を振りながら、紅葉は「了解です」と笑って会釈をした。
顔を上げた時、立ち尽くすりんと目が合う。
紅「…りんちゃん?どないしたん?」
『あ、えっと…』
目を見開いて近付いて来る紅葉。
りんは何も考えないでここに来てしまったことに今気付いた。
紅「…立ち話もなんやし、中上がりや」
言葉を詰まらせたりんを見て何かを悟ったのか、紅葉はお店の中に案内した。
中にいる父親に一声掛けると紅葉はお店の奥に入って行き、慌てて後を追いりんも階段を上がって行く。
紅「ここうちの部屋。何もないけど、自由に寛いでええから」
『は、はい』
それだけ言うと、また階段を下りて行ってしまった。
部屋は和室の造りで、とてもさっぱりしていて彼女らしい。
『(私と全然違う…)』
大好きなぬいぐるみで埋め尽くされている自室を思い出して、やっぱり子供だなぁとしゅんと落ち込むりん。
ふと机に目を向けると、写真が飾られてあった。
写ってるのは、紅葉と謙也と…白石の姿。
『小さーい…』
三人とも幼稚園生で、紅葉を真ん中にして仲良く手を繋ぎ笑っていた。
幼い頃の白石を初めて見た為、りんは思わずじっと見入ってしまっていると…
紅「それなぁ、可愛えやろ」
『!!』
手に麦茶を持って急に背後に現れた紅葉に驚き、びくっと体が飛び退いた。
『はい、白石さん可愛いです…!』
口から零れてしまった言葉に言ってしまってからハッと気付き、慌てて手で口を覆う。
紅葉は一瞬キョトンと目を丸くして、それから可笑しそうに笑いだした。
紅「あははっホンマ…りんちゃんってわかりやすいなぁ」
『///えと…紅葉さんと謙也さんもすごく可愛いです!』
恥ずかしくて顔を真っ赤にしながら反論すると、「おおきに」と笑いながら腰を下ろす紅葉。
自然と丸いテーブルを挟みその向かいにりんも正座して座った。
『昨日は、すみませんでした。ろくに挨拶もしないで飛び出してしまって…』
紅「ああ、気にしてへんから」
「もしかして謝る為に来たん?」と麦茶を飲みながら紅葉は小さく笑う。
だがりんの様子を見て、コトリとコップを置いた。
紅「…他に何かあるんやな」
『えと、』
暫く静寂が続き、りんはすぅと息を吸うと、意を決して口を開けた。
『…紅葉さんは、白石さんのことが、す、好きなんですか…?』
何故気になるのか、ここへ来るまでずっと考えてた。
行き着いた答えを確かめる為に、りんは紅葉と話したくて。
紅「……好きやで」