大阪合宿
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『…んっしょ、』
大量のドリンクを作り、タオルと一緒にりんはどうにかして運ぼうとしていた。
積み重なったタオルで前が見えない為、曲がり角を曲がった時ドンッと誰かとぶつかってしまった。
『ゎわ…っ』
くらりと倒れそうになるタオルの山を慌てて押さえようとすれば、それは倒れることなくそのままの状態だった。
不思議に思い前に立つ人物を見上げると、りんの心臓はさっきよりもドキンと跳ね上がる。
『白石さん!』
白「気ぃ付けや」
タオルを押さえてくれていた為、崩れ落ちずに済んだと理解した。
白石はりんが抱え持つ山積みのタオルを半分以上取り、そのまま歩き出した。
『あ、ありがとうございます!』
慌ててお礼を言い、白石の隣に並んでりんも歩き出す。
『(な、何だか緊張する…)』
二人っきりになると何を話せば良いか悩んでしまう。
というより、緊張して頭が混乱する。
『(…先輩達といる時は、こんな風にならないのに…)』
やはり自分は病気なのかもしれない。
自然と歩調が遅くなってしまい白石の一歩後ろで歩く形になってしまった。
白「…りんちゃん?」
『あ、ごめんなさい!』
振り返り不思議そうに自分を見てくる白石。
何でもないとりんはニッコリ笑って見せる。
白「…明日、なんやけどな」
突然切り出し、白石は少し言いずらそうに頭に手を置く。
白「りんちゃん、暇?」
『え?はい、多分…』
明日はオフで、自由にそれぞれ過ごすことになっていた。
菊丸に大仏を見に行こうと言われていたけど、詳しいことは何も決めていなかった。
それがどうかしたのかなと白石を見上げると、自分を見つめる瞳とぶつかる。
白「一緒に出掛けへんか?大阪案内したる」
ドキンと大きく鳴る鼓動。
じっと見つめられ更にドキドキと鼓動が早まっていく。
『…はい』
『よろしくお願いします』と頭を下げれば、白石は可笑しそうにははと笑った。
白「こちらこそ、よろしゅうな」
その笑顔は何処か嬉しそうで、何故か直視出来ずりんは俯いた。
コートへ戻ると、金太郎と手塚の試合は既に終わってしまったらしかった。
コートに倒れる金太郎とユウジが視界に映る。
『どうしたんですか!?』
慌ててりんが駆け寄ると、金太郎は顎、ユウジは額がそれぞれ赤く腫れ上がっていることがわかった。
小春に聞くところ、必殺技をしようと高くジャンプした金太郎と、ふざけて小春に回されていたユウジとが衝突したらしい。
『と、とにかく手当てしないと…』
と言っても今手元にあるのはタオルとドリンクだけ。
『(あ、そうだ)』
何かを思いついたと思ったら、突然りんは赤くなったユウジの額に自身の手を添えた。
ユ「な、なな何や!?」
『えと、今さっきドリンクを作っていたので、きっと手は冷たいです』
ユ「な、ならドリンクを当てた方がええやろ」
赤くなりながら叫ぶユウジに首を傾げるりんだったが、そっかと納得して額から手を離した。
白「………」
ユ「(後ろの白石が怖いわ…!!)」
白石の周りにいつもと違う黒いオーラが見えた気がして、ユウジは身震いした。
しかし、金太郎はまったく気付かず、りんに丁寧に手当てをしてもらっていた。