告白
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リョ「…ねぇ、そろそろ離れたら?てゆーか離れて」
リョーマは二人を強引に離れさせ、りんを自分の元へ引き寄せた。
『お、お兄ちゃん、』
ク「相変わらず嫉妬深いな、リョーマ」
リョ「うるさい」
リョーマがフイッと視線を逸らして言えば、クリスはははと可笑しそうに笑った。
まるで昔に戻ったみたいで、りんもクスクスと可笑しそうに笑う。
リョ「…ねぇクリス、顔赤いけど」
ク「…気のせいだろ」
『?』
りんの笑顔を久しぶりに見たから、とは言えなかった。
夕方になり、アメリカ代表達がバスで帰っていく中、クリスの見送りをする為日本代表のメンバー達も集まっていた。
りんから皆に話したので、クリスの印象は少しだが変わっていた。
跡「何で俺様までいなきゃなんねーんだ?」
忍「ええやんか。りんちゃん心配やし」
跡「…まぁな」
りんのことを内心、心配していた跡部は静かに視線を前に送った。
手「(…あれがクリスか)」
幸「女性みたいな綺麗な顔立ちだね」
真「…ゆ、幸村、顔が険しいぞ…」
何故かゴオッと火花を散らす幸村を横目で見て、真田は身震いした。
金「あ、りん~!!」
『金ちゃん!』
車からぴょんっと飛び降りる金太郎の後ろには…
『し、白石さん、』
ドキンと心臓が鳴るが大きく首を横に振り、りんは慌てて駆け寄った。
『肩、大丈夫でしたか?』
白「全治二週間やって。心配かけてごめんな」
それを聞き、ほっと胸を撫で下ろす。
跡「…大丈夫なのか?」
白「ああ。テニスプレイには影響ないらしいし、」
跡「…そうか」
手塚や跡部に囲まれる白石をぼんやりと見つめていたりんは、ハッと気付き振り返った。
『ご、ごめんね』
ク「別に気にしてない(おもいっきり忘れられてたな…)」
クリスがショックを受けていると、ぽんっと肩に手を置くリョーマ。
クリスはフッと笑いりんの頭に手をのせた。
ク「またな、」
『うん…』
リョ「これからどうするの?」
リョーマが気にしていたことを聞けば、クリスは「そうだな…」と考える素振りをする。
ク「親父ともう一度話してみる。また殴られるかもしれないけど、ちゃんと気持ち伝えたことなかったから」
『そっか…』
りんが不安そうに呟くと、クリスはムギュッと頬っぺたをつねった。
『?う?』
ク「んな顔するな。大丈夫だから」
クリスの笑顔を見たら何故だか安心して、りんはコクンと頷いた。
ク「…あ、あんた」
クリスは白石に近寄る。
ク「肩治ったら、またいつか対戦したい。…いいか?」
白石は一瞬目を丸くしたが、小さく笑った。
白「ええで。俺も戦いたい」
スッと手を差し出し、二人は握手をした。
皆に背を向けて歩き出したクリスだったが、ふと足を止め振り返る。
手招きして呼ばれたので、りんは首を傾げながら近寄って行く。
ク「俺さ、りんのことが好きだった」
『え?』
ずっと、言えなかったけど。
ク「俺みたいになるなよな、りん」
「ちゃんと伝えろよ?」とウインクされたと思ったら、突然りんの頬にキスを落とした。
リョ「!!」
白「!」
跡「てめ…っ」
『な、///』
顔を真っ赤にするりんと、衝撃を受ける皆を見て張本人はフッと笑う。
ク「アメリカでは日常茶飯事じゃん」
そう言って笑うクリスは、本日一番輝いていた。
リョ「(…もっとボロボロに倒しておくべきだった)」
白「(先越されたなぁ)」
跡「(俺様の目の前で…)」
良くなりかけていた印象は、一瞬で最悪に変わったのだった。