暗闇
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その頃の皆はというと。
白「何やめっちゃ静かやな」
佐「夜なのに、まだ暑いんだね」
佐伯は額の汗を拭う。
しかしこの二人が一緒にいると、不思議と涼しげな雰囲気が漂い、暑さを感じさせなかった。
そんな時、静かだった周りから、急にドドドとこちらに向かって何かが走って来て、
謙「し、しし白石!!」
白「謙也!?何しとんの」
突然現れた謙也、更に怯えた表現に白石は訳がわからないと首をひねる。
謙「ミ、ミミ、」
白「耳?」
謙「ちゃう!ミ、ミイラ男がいてん!」
白「は…」
何を言いだすのかと思えば…と白石は呆れて言葉が出なかった。
ふと、あることに気付く。
白「…財前とりんちゃんはどうしたん?」
「ああ!」と今気付いたように声を上げる謙也。
謙「置いて来てしもーた」
白「おま…何しとんねん」
白石が深く溜め息を吐いた時、またドドドとこちらに走って来る足音がした。
一斉に振り返ると、息を切らした財前の姿。
謙「財前!お前、どないしてここに…」
財「ハァ…謙也さん、ここにいたんスか。部長も、」
白石が尋ねるより早く、財前が口を開いた。
財「越前、いなくなったんスわ」
白「いなくなった…?」
財「さっき急に…一通り探したんスけどいなくて…
あの人携帯持ってないし」
「それは大変だよ…」と黙って聞いていた佐伯が呟く。
佐「この森はとても複雑な構造になってるらしいし、奥が深いから迷ったら大変だよ」
謙「な、ホンマかいな」
佐「この森も所有地らしいし、一回戻って榊先生に聞いた方が…って白石!?」
佐伯が話している間にも、白石はかなり先を走り出していた。
謙也が「白石!」とすかさず叫ぶが、本人は聞く耳を持たず奥深くに消えて行った。
金「ギャー!!コシマエ、今何か聞こえたで!!」
リョ「…ねぇ、」
金「なな何や…!」
リョ「煩いんだけど。あと、近い」
自分にピッタリとくっついている金太郎に、リョーマは冷たく言い放つ。
木が揺れるだけで「ギャー」と叫ぶ金太郎に呆れていると、
白「越前くん…!」
リョ「白石さん?」
血相を変えて走って来る白石。
リョーマの前に立ち、乱れた息を調える。
金「あ、白石!どないしたん?」
それに気付き金太郎が駆け寄ると、白石は口を開いた。
白「りんちゃんが、いなくなったらしい…っ」
リョ「え…」
時間が止まった気がした。
白「詳しくはわからんけど、皆にも連絡して探してもらっとる」
耳を疑った。
頭に過ったのは、りんの笑った顔。
ギュッと拳を強く握り締め、リョーマは顔を上げた。
リョ「…俺も、探します」
白石は静かに頷き、二人は同時に走り出した。
金「え、皆行くん!?ちょ、わいも行くでー!」
慌てて、金太郎も二人の後を追い走りだした。
―大丈夫?
―え、うん。大丈夫だよ
リョ「(りん…っ)」
あの時、どうして気付かなかった?
りんは、あんなに心細そうだったのに。
゙どうか、無事でいで
強く願い、リョーマはひたすら走り続けた。
忍「何や騒がしないか?」
跡「あん?」
目の前に集まる参加者達を見て、二人は眉を寄せる。
忍「あれ、謙也やないか」
謙「侑士!」
見知ってる顔に驚くと同時に何をしてるのかと問えば、一通り事情を説明された。
忍「…えらいこっちゃ…って跡部!?」
既に走り出し、遥か遠くにいる跡部。
謙也達には一刻も早く戻って皆に伝えるよう言い、慌てて忍足も後を追った。