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*りんside*
コートでは金ちゃんが楽しそうに試合をしていて、その光景をぼんやりと見つめながら、隣をチラリと見上げる。
白石さんはそんな金ちゃんを呆れながら眺めていた。
(な、何か緊張して来た…)
急に二人っきりになると、何を話せば良いのかわからない。
取り合えず、本題を…っ
『あの、この前は、ごめんなさい』
白「え?」
いきなり謝られ、当然白石さんは驚いているようだ。
『一昨日の夜、白石さんが私を探してたって聞いて…』
一瞬静かになり、白石さんは「あー…」と短く呟く。
白「星がぎょうさん見えるもんやから…りんちゃんにも教えたろ思うたんや」
『え?』
星?それなら、私も朝食の仕込みをしてる時に見た。
白石さんと見たいなって、何故だか思ったから。
『えと、』
それを伝えようと白石さんの方に体の向きを変えると、ゆっくりと白石さんも視線を向けた。
白「…なぁ、」
真剣な表情に、またドキンと鼓動が鳴る。
白「りんちゃんって、跡部のこと好きなん?」
『え?』
跡部さんの話が出るとは思ってなかったから、おもわず目を見開いた。
『?はい。好きです』
跡部さんは好きだと思う。
優しいし、かっこいいし、努力家なところも尊敬できる。
でも何で?と不思議に思い白石さんを見ると、「ちゃうくて」と言いにくそうに言葉を濁らせた。
白「…男として好き?」
それって…
恋愛対象としてってこと、かな…?
一昨日の夜を思い出し、顔がカァァと赤く染まっていった。
あわあわと慌てる私を、白石さんはじっと見つめてくる。
『跡部さんは…先輩として、人として好きです。
お、男の人としては…考えたことがないです、』
俯きながら答えると、白石さんは「そうか…」と呟き優しく笑った。
その表情がどこか嬉しそうに見えるのは、気のせいかな…?
『…あの、私も聞きたいことがあるんです』
白「何?」
それは、ずっと気になってたこと。
白石さんと話すたび、胸が苦しくなる原因。
『白石さんは…つ、付き合っている女性はいますでしょうか…』
若干敬語が可笑しいことにも気付かず、俯いて返って来るのを待つ。
白「…いないで、」
『!』
良かったぁと一瞬思ったが、はたと気付き思考が停止する。
(良かった…?)
何故だろう。嬉しくて、
うーんと深く考えていると、急に白石さんの手が右頬に置かれた。
『!?///』
ぐいっと顔を近付けられて、その距離があまりにも近いから、心臓の鼓動がドキドキと鳴りだす。
『あ、の、』
白「…何で?」
真っ直ぐな瞳でじっと見つめる。
白「何で気になるん?」
『そ、それは…』
何で…なのかな。
自分でもわからないので、答えようがない。
白石さんの瞳の中には私が映っていて、またドクンと大きく鼓動が鳴った時ー…
金「超ウルトラグレードデリシャス大車輪山嵐ー!」
コートで金ちゃんが竜巻を作り、その拍子にラケットがこっちに向かって飛んで来た。
目をギュッと固く閉じたが、痛みはなかった。
その変わり、背中に草むらが当たる感触と…白石さんの髪の毛が頬に触れる感触がした。
『(!はゎわ…っ///)』
ち、ちち近い…っ
今の状況は、白石さんが私の上に馬乗りになっている。
(……?)
何だか様子が可笑しいと感じ白石さんの後ろに目を向けると、さっき飛んで来たラケットが落ちていた。
もしかして…庇ってくれたの?
白「…っ大丈夫か?」
『は、はい…!』
「良かった」と安心したように微笑む白石さん。
『背中、大丈夫ですか?
ごめんなさい、私のせいで…』
白「ははっ謝るとこちゃうで、お礼ならわかるけどな」
『(そ、そうか…)ありがとうございます』
白「うん」
ぽんぽんと頭に手を置いてニッコリ笑うと、白石さんはラケットを持ち立ち上がる。
「金太郎?」と言えば、金ちゃんはびくっと肩を揺らし、「堪忍ー!」と叫びながら走り出した。
白石さんがコートに戻って行く背中を眺めながら、まだ鳴り続ける鼓動を感じてそっと胸に手を当てた。
(…どうしよう、)
ますます、顔が見れなくなりました。
金「わぁー毒手嫌や!
…ん?」
白「…………」
金「何や?顔赤いで?」
白「…何でもない」