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昼になり昼食を作って練習が終わるのを待っていると、一番に食堂にやって来たのは…
桃「あー腹減った~りん、今日のメニューは?」
『お疲れ様です。今日は炊き込みご飯ですよ』
「疲れたー」と言って頭を掻く桃城に、りんは微笑みながら冷たい水を差し出した。
カチロー「桃ちゃん先輩、僕達も一様作ったんだけど…」
カツオ「…仕方ないよ」
当たり前のようにりんだけに聞き、桃城は椅子に座って運ばれて来るのを待つ。
そんな先輩を悲しい目をして二人は見つめていた。
ぞろぞろと皆がやって来る中、りんはある人達の姿だけが見えず首を動かす。
『…あの、白石さんと跡部さんは?』
他のメンバーは帰って来ているのに、二人だけがいない。
忍「ああ、あの二人ならまだコートにいるで」
『え、まだですか?』
忍足の言葉に目を見開き驚いた。
『(もうずいぶん時間も経ってるのに…)』
何かあったのだろうかと心配になってきた時、小春が興奮した様子で食堂に入って来た。
小「かっこええわぁ~あの二人」
ユ「浮気か、死なすど!」
『あの、何かあったんですか?』
あの二人と聞き、りんは慌てて駆け寄る。
ユ「全然試合止めへんのや。もうタイブレークやで」
さっきまで審判をしていたのだが、なかなか終わらないので戻って来たとユウジは話した。
『…私、見て来ます』
それを聞きさらに心配になったりんは、エプロンを解き出て行こうとする。
今朝の朝食の時間、白石にいつ謝ろうかと考えていたりんは、気付かぬうちにじっと見てしまっていた。
その時に、いつもと様子が違うと感じていたのだ。
小「りんちゃん、男同士の戦いよ。そっとして置いてあげて」
小春の落ち着いた声が背中越しに聞こえたが、りんは足を早め食堂を出た。
パァンパァンとボールを打つ音が響く。
『(…いた!)』
テニスコートには、ラリーを打ち続ける跡部と白石の姿があった。
審判はいないのに、二人は試合を止めるどころか、お互いの必殺技を出して一歩も譲らない。
跡「…ほぅら、凍れ!」
白「無駄多いで?」
跡部の氷の世界を見切って、的確に打ち返す白石。
りんの存在にも気付かない、二人の世界だった。
『…………』
言葉が出ない。
こんな白石を見るのも初めてで、
こんな跡部を見るのも初めてだったから。
部長とか、プライドとか、そんなのは関係なく…ただ無我夢中で打ち合っているように感じる。