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朝食はバイキング式で、和食、洋食共に選べる仕組みになっている。
千石「ねぇねぇ、りんちゃんの作ったのってどれ?」
『私は和食中心に作りましたよ』
千石「じゃあ和食にしよーっと」
千石はウキウキと体を弾ませながら、自身の皿によそっていく。
忍「りんちゃんは和食か…(ほなそうするか)」
鳳「宍戸さんも和食ですか?」
宍「ま、まぁな」
以前軽井沢の合宿で、りんの手料理を食べたことのある氷帝メンバーは、全員和食のメニューだった。
青学も勿論、全員が当然のように和食を選んでいた。
一昨日のおむすびと言い、メンバーのほぼ全員が和食を選び、洋食の列はがらんと空いている。
朋「…この不人気差」
桜「…うん」
洋食担当の朋香と桜乃は、自分達の作った料理を見渡してホロリ涙した。
謙「…白石、」
白「何や」
謙「それ、かけすぎやろ」
魚に醤油をかけすぎている白石の手を慌てて止める謙也。
薄味を好む彼には、この行動は異常だ。
白「ああ…スマン」
謙「何かあったんか?」
心配そうに尋ねる謙也に、「何かって?」と白石は小さく笑いながら返す。
落ち着かない金太郎を叱っているところなどを見ると、いつもと変わらないのだが…
謙「(何か変やなぁ)」
少しだけ様子が可笑しい親友を不思議に思い、謙也は首を傾げた。
三日目も各学校ごとに組むので、それぞれのコートに向かってすぐに練習を開始した。
氷帝は四天宝寺と不動峰、青学は立海と聖ルドルフ、山吹は六角という組み合わせだ。
堀「じゃ、りんと小坂田はあっちのコートで、竜崎と橘さんはあっちのコートな」
『うん。わかった』
朋「何でアンタが仕切ってんのよ」
朋香は、指示を下す堀尾が気に入らないようだ。
堀尾もカチンと来たらしく、言い返そうと口を開けた。
『えと…朋ちゃん、早く行こう』
険悪な雰囲気をいち早く察して、りんは朋香を連れコートに足を向けた。
竜「今日は自由にする。各自組みたい奴と組んで試合じゃ。但し、しっかりデータに入れるからね」
謙「よっしゃあ!侑二、試合やろうや」
忍「なんや謙也かいな」
自由だと聞き、皆一斉に騒めき始める。
忍足は溜め息を吐きながらもラケットを持った。
小「神尾くぅ~ん!!」
神「ぅわ、く、来るな!」
こちらでは、何故かテニスコートで鬼ごっこが繰り広げられていた。
神尾は全力で自慢の足で逃げるが、ハートを撒き散らす小春には関係のないことだった。
ユ「小春ー浮気か!!」
その後をユウジが追い、参加者は三人に増えた。
コートの周りの光景に、全員何も見てないと心の中で呟く。
橘「白石、試合しないか?」
白「橘。そやなぁ、」
白石は頷きかけて、ふと視線を別の方向に向けた。
それに気付き、橘は視線の先を追う。
橘「先約がいるなら構わないが」
白「…堪忍な」
靴紐を結んでいた手を止め、静かにラケットを持ち白石は立ち上がった。
跡「日吉、俺様が組んでやる」
日「はぁ、変なコールとか止めて下さいよ」
跡部は日吉を連れ振り返ると、目の前に白石が立っていた。
白「跡部、試合やらんか?」
跡「アーン、白石とか?」
白「嫌ならええけど、」
跡部を見る白石の表情があまりにも真剣なので、日吉は何かあると察する。
何か…テニスの試合以外にあると。
跡「…いいぜ、やるか」
跡部が頷くと、白石は「おおきに」と一瞬だけ微笑み二人はコートに立った。