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*りんside*
今、この状況は一体…?
心臓の音がドキドキと煩くて、頭が冷静に働かない。
跡「…俺は、」
跡部さんの声が耳元で低く響き、思わずビクンと体が跳ね上がる。
何か言わなくちゃと口を開けた時、
ぐ~きゅるる~…
(お、お腹が…!)
急に鳴ったお腹を慌てて押さえる。
すると、跡部さんの回されていた腕がゆっくりと解かれた。
跡「……ふ、ふはっ」
片手を口元に添えて、跡部さんは笑いを堪えているようだ。
『わ、笑わないでください!///』
笑われたと思うと急に恥ずかしくて、顔が赤くなっていくのを感じた。
跡「だってお前、」
「腹空いてるのかよ」と可笑しそうに笑い聞いてくる。
『じ、実は、夕食の手伝いや片付けが忙しくてあまり食べる暇がなくて…』
でも、手伝いは好きでやってることだし、仕方ないよね。
跡「…仕方ねぇな」
『え?』
跡部さんは急に立ち上がると、私の腕を引っ張って同じように立たせる。
首を傾げる私に対し、「行くか」と一言。
『ど、何処にですか?』
跡「食堂に決まってんだろ。俺様も何か食う」
そう言うと、跡部さんはスタスタと前を歩き始める。
つられ慌てて後を追って行った。
『あの、私何か作りましょうか?』
跡「そうだな…なら俺も手伝ってやる」
『え?』
(手伝う?)
ってことは、えっと…跡部さんが料理を?
目を見開き驚いている私に気付いたのか、跡部さんは足を止め微かに眉を寄せた。
跡「…何か文句あるか?」
『い、いえ…っ』
ぶんぶんと首を横に振り、意外だな…と頭の片隅で思いながら、食堂に向かった。
チュンチュンと鳴く雀の声でゆっくり目を開ける。
(…今、何時…?)
時計に手を伸ばしたけれど、まだ起床するには十分早い時間だった。
(…昨日は楽しかったな)
跡部さんと料理を一緒にして、二人でチャーハンを作った。
小さい頃から、コックさんが作っているのを見ていたらしく、それでも実際にするのは初めてだと言っていた。
(すごいな、)
初めてとは思えない手つきを思い出す。
皆を起こさないように静かに部屋を出て、廊下を歩き出した。
(あれは…何だったのかな)
その場面を思い出し、カァァと赤くなる顔を慌てて振るった。
その後食堂に行った時も、跡部さんはいつもと変わらない態度で、気にしてる自分が恥ずかしくなってきた。
…気になることと言えば、もう一つ。
昨夜部屋に戻ったら杏ちゃんがまだ起きていて、耳打ちするように教えてくれた。
―さっき白石さんが来て、りんちゃんのこと探してたわよ。
何か大事な用事だったのなら、悪いことをしてしまった。
(謝らなくちゃ…)
今日会ったらちゃんと謝ろう。と心に決めて、白石さんの名前が書いてある部屋の前を通り過ぎた。