予感
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《話したいこともあるし、一緒に遊ばない?》
(話って何だろう…)
部活が終わり青春台の駅までりんが早足で行くと、朋香と桜乃がこっちに向かって手を振っていた。
『朋ちゃん、桜乃ちゃん!』
朋「りんちゃーん!」
久しぶりーと朋香が抱き付き、その衝撃でりんは後ろに倒れそうになる。
桜「と、朋ちゃん、皆見てるよ」
朋「あ、ごめんごめん」
えへへと無邪気に笑う朋香。
朋「だって、桜乃は部活でも会ってたけど、私は久しぶりだったから」
『そうだよね。私も、朋ちゃんに会えて嬉しいよ///』
朋「(…っなんて可愛いことを!)」
ふわりと微笑むりんを見て、朋香は自分が女の子ということも忘れドキドキしていた。
桜「…朋ちゃん?」
朋「はっ…立ち話もなんだし、行きましょ!」
『うん!』
りんは笑顔で頷き、朋香と桜乃の後について行った。
『ジュニア選抜強化合宿?』
朋「え!りんちゃん知らなかったの?」
三人がやって来たのはケーキバイキング。
りんはケーキを食べる手を止め、今初めて話を聞き目を丸くする。
桜「私達、その合宿のお手伝いに来てくれないかって、大石先輩に頼まれたの」
『大石先輩に…?』
りんは青学のマネージャーであるにも関わらず、全く聞かされていなかった。
『でも、先輩達そんなこと一言も…っ』
朋「今日はりんちゃんとその話をしようと電話したんだけど、」
゙日米親善ジュニア選抜大会゙の日本代表のメンバーを決める為、明後日から強化合宿が行われる。
その合宿に参加するのは、全国大会で優勝した青学は勿論、各学校が参加するらしい。
『(…どうしてなんだろう)』
自分だけが呼ばれていないことにショックを受けていると、
「先輩、何皿取れば気が済むんスか…」
「いーじゃねぇか。全部違う種類だし?」
目の前の席に座った二人組を見て、りんはガタンと席を立った。
『丸井さん!切原さん!』
赤「あーあんた!!」
丸「越前妹…!」
丸井も赤也も、突然のりんの登場に驚きを隠せないでいた。
桜「し、知り合い?」
朋「誰々??」
『えと、お祭りに行った時に会って、困ってたところを助けてもらったの』
お互いを紹介して、朋香の「良かったら一緒に食べませんか?」の言葉で、集まって座ることになったのだった。
『あ、あの…この前は本当にありがとうございました!』
赤「別に気にしなくていーって。ねぇ、先輩?」
丸「そうそう」
男性二人に囲まれて困惑気味の桜乃は、普通に話すりんを尊敬の眼差しで見ていた。
『切原さんと丸井さんって仲良いんですね』
赤「はぁ?」
『だって一緒にケーキバイキングに来るなんて、』
赤「あーそれは、丸井先輩が甘党だから。俺は無理矢理連れ回されてんの」
丸「…へぇ、誰が連れ回してるって?」
赤「ウ、ウソ!今の冗談っス!!」
睨む丸井に怯える赤也。
その光景が何だか可笑しくて、りんは小さく笑った。
朋「何か、印象違うかも」
桜「…うん」
王者立海というからにはもっと固いイメージなのかと思っていたのに、目の前の二人は全然違った。
赤「てゆーかさぁ、その゙切原さん゙ってやめない?」
『え、』
赤「固いっつーか…赤也でいいから」
『えと、じゃあ…赤也先輩、で…』
少し小さくなりながら言うと、赤也は満足したように笑う。
赤「んで、この先輩ばブンちゃん゙でいいから」
丸「んな゙…!」
ケーキが喉に詰まり水を流し込んだ後、丸井はギッと赤也を睨んだ。
赤「いーじゃないっスか別に。減るもんじゃないでしょ」
丸「てめ…」
『えっと…』
丸「あー俺は普通でいいから」
そう言う丸井と、「一回だけ言って!」と言う赤也の両方の意見が交ざって、りんは『じゃあ、一回だけ…』と呟く。
『ブ、ブン…ちゃん///』
丸「!!!」
呼んだ後恥ずかしくなり真っ赤になって俯くりんに対し、皆思ったことは一つ。
「「((可愛い…っ))」」
暫く固まっていた丸井だったが、ハッと気付いたかのように再びケーキを食べ始めた。
赤「先輩、顔赤いっス」
丸「るっせぇ///」
『(よ、呼び名って難しいんだな…)』
改めて、染々と実感するりんだった。