地区予選決勝戦
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病院でリョーマが診察を受けている間、りんと桜乃は外の庭で待つことにした。
待合室にはスミレがいるから、2人は散歩がてら来たのだった。
庭には色とりどりの花と小さな噴水があった。
りんと桜乃は近くのベンチに腰を掛ける。
『…桜乃ちゃん』
りんがそう呼べば、桜乃は視線を合わせた。
『お兄ちゃん、は…学校ではどんな感じなの?』
桜「どんな?」
普段と変わらないのかな、と思ったので聞いてみた。
桜「んっと…授業中はいつも寝てる…かな」
『(やっぱり!)』
桜「でも、部活の時は真剣だよ。いつも楽しそう」
小さく笑いながら話す桜乃。
『…見てみたいなぁ、そんなお兄ちゃん』
りんはリョーマが先輩達とじゃれあう姿を想像した。
暫くして、スミレが桜乃とともに痛み止めの薬を貰いにいった。
りんは自分も中に入ろうか悩んでいると、診察を終えたリョーマがこっちに歩いて来るのが見える。
りんは急いで駆け寄った。
*リョーマside*
診察が終わると、竜崎先生とすれ違った。
薬を貰うから先に外で待ってろと言われた。
外に目を向けると、小さな庭があった。
そこのベンチに1人座っているりん。
俺が行く前に、りんが勢いよく走ってきた。
『お兄ちゃん、どうだった?』
心配そうな顔で尋ねてくる。
リョ「…別に平気」
思わず素っ気なく答えると、『良かったぁ』とりんが微笑んだ。
何も言わずに庭のベンチに腰掛ける。
暫く噴水を見上げていた。
『あのね、お兄ちゃん』
りんは顔を俯かせて言う。
『ごめんね、勝手に試合見に来て…』
申し訳なさそうに言うりんに目を向けると、背中に赤色の何かが見えた。
もしかして…弁当?
りんのことだから、朝早く起きて作ったんだな。
ずっと怒ってる自分を情けなく思った。
リョ「俺こそ、怒鳴ってごめん」
そう言うと、りんは目を丸くした。
そんなに驚かなくても…
俺はゆっくり話し続ける。
リョ「…恥ずかしかったんだ」
『え…?』
リョ「試合中に、あんな形でケガして…それを見られたから」
出来ればいいところを見せたかった。それが本音。
静かに聞いていたりんが急に立ち上がった。
俺を真っ直ぐに見つめて
『お兄ちゃんかっこ良かったよ!』
満面の笑みで言われた。
『私の自慢のお兄ちゃんだもん』
えへへと笑うりん。
そんな妹の頭を優しく撫でた。
リョ「…さんきゅ」
俺を見つめ、りんは嬉しそうに微笑んだ。
本当は俺も嬉しいけど、それは言わないでおこう。
『次の試合も応援しに行くね!』
リョ「(わかってないじゃん…)」