お祭り
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『あの、ありがとうございました!』
柳生「いえ、気になさらないで下さい」
深々と頭を下げるりんに柳生は紳士的な笑みを向ける。
ぬいぐるみやヨーヨーをさり気なく持ってくれていたので、それを受け取った。
柳「貞治によろしく伝えておいてくれ」
『はい!』
もう一度お礼を言い、立海の皆と別れた。
切「それにしても、全然越前と似てないっスよね」
桑「ああ。礼儀正しい奴だったな」
仁「結構好みじゃな」
丸「え!!」
仁「何ぜよ?ブンちゃん」
丸「…何でもねぇ。つーかブンちゃん言うな!」
ニヤニヤする仁王と、何故か顔を赤くして怒る丸井を赤也は何だ?と不思議そうに見ていた。
菊「りんー!」
『菊丸先輩!』
駆け足で走って来る菊丸を人混みの中見付けて、りんはほっと安堵した。
菊「探したんだぞー!どこ行ってたんだよぉ」
『あ、ごめんなさい。ちょっと探索してました』
えへへと力無く笑うと、菊丸も安心したように笑った。
菊「皆あっちだよ!」
菊丸に手を引かれながらついて行くと、人混みから少し離れた場所に皆がいた。
桃「おーりん」
どうやら戦いも終わったらしく、かき氷を食べてそれぞれくつろいでいる。
白「皆心配してたんやで?」
『ご、ごめんなさい…』
しゅんと落ち込むりんを見て白石は小さく笑い、かき氷を差し出した。
白「早よ食べな、溶けてまうで」
『あ、ありがとうございます』
それはイチゴ味で、冷たいのとシロップの甘さが合いとてもおいしい。
今日はたくさん奢ってもらってばっかりだな…とりんが思っていると、「もうすぐやな」と隣で呟く白石。
『?何がですか?』
白「花火。ここ、絶景なんやって不二くんの姉さんが教えてくれてな」
『そうなんですか、』
まだかなまだかなとわくわくして待っていると、
白「さっきはごめんな」
『え?』
突然謝る白石に驚きつつ首を傾げる。
白「つい、ムキになってしもーて…」
りんが持つたくさんの景品に目を向けられれば、白石が何を言いたいのか悟った。
『嬉しかったですよ?ありがとうございました』
ふわりと微笑むりんにつられて、少し目を丸くしてから白石も微笑んだ。
『白石さん、射的とかヨーヨー釣りとか好きなんですね』
白「いや、好きっちゅーか…」
リョーマもそうだけど、白石がこういう遊びをするなんて意外だと思った。
『この猫も、ずっと大切にしますね!』
カルピンにそっくりのぬいぐるみをいとおしそうに撫でる。
そんなりんを見て白石はフッと笑った。
白「なんや、りんちゃんって…妹みたいやなぁ」
『え、』
白「ほっとけないっちゅーか、越前くんが羨ましいな」
そう言って笑い、りんの頭を優しく撫でた。
『…ありがとうございます。そう言ってもらえると…』
゙嬉しい゙
その言葉が、何故か違うような気がして言えなかった。
白「お、花火始まった」
上を向けば、夜空にはたくさんの花火。
『わぁ…綺麗ー』
リョ「…りん、こっち」
『うん!』
白石と並ぶ姿を見たリョーマは、りんの手を取りその場から離れもっと前へと進む。
『何か、小さい頃みたいだね』
あの時も、リョーマから手を繋いでくれた。
リョ「なんの話?」
『ええ!忘れちゃったの?』
リョ「…さあね」
ガンとショックを受けるりんとは裏腹に、リョーマは気のせいか楽しそうに見える。
『また来ようね、お兄ちゃん』
来年も、また来年も。
君とずっと一緒に。
リョ「…当たり前」
りんは花火に負けないくらい満面の笑顔で笑った。
白「…俺も子供やな」
仲良く手を繋ぐ2人を見つめながら呟いた言葉は、花火の音とともに夜空に消えていった。