お祭り
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*りんside*
『ふぅ…』
お兄ちゃんと白石さんどうしちゃったんだろう…
くれるのは嬉しいんだけど、もう持ちきれないよ。
あれからヒートアップして、何故か先輩達も加わり金魚すくいや輪投げで盛り上がって…
『…あれ?』
ぼぉっと1人で歩いてたら、ずいぶん遠くまで来ちゃったみたい。
戻ろうと後ろを見れば、もうすぐ花火が始まるからかさっきより人がたくさんいて、道がよく見えない。
(どうしよう…)
とりあえず歩こうと決めた瞬間…
「…た…っ」
『きゃっ』
ドンッと勢いよく人にぶつかってしまった。
『ご、ごめんなさい!』
「…いや、」
深く頭を下げた後顔を上げて見ると、ハッと気付く。
『切原さん…!』
切「え?何で俺のこと知って…」
切原さんは眉を潜めながらじっと私を見ると、やっぱりわからないらしく首を傾げた。
私が口を開けようとしたら、
「赤也何やってんだよ」
「迷子になるなよな」
あ、確か…丸井さんに、桑原さん。
切「違いますよ!先輩に無理矢理、綿飴屋を探されてたんじゃないっスか!」
丸「そーだっけ?」
桑「ったく、綿飴の味を比べてみるとか言うからわざわざ来たのに、店が見付けられなくてどーするんだよ」
丸「ごめんごめん」
丸井さんはケラケラと笑って、私に気付いたのか目が合う。
丸「…赤也、知り合い?」
『え、えっと「なーにしとるんじゃ」
慌てて自己紹介しようとしていると、仁王さんと…柳生さんと、柳さんが近付いて来た。
柳「…君は、確か越前の妹の、」
『はい。あの、はじめまして!越前りんと言います』
ペコリと頭を下げると、皆さんが驚いていることがわかった。
切「越前の?」
丸「へー妹いたんだ」
仁「似てないのぅ」
じろじろと物珍しそうに見つめられ、仁王さんの言葉にショックを受けてしゅんと落ち込む。
柳生「お1人で来られたのですか?」
『それが、さっきはぐれてしまって…』
帰り方がわからないんです。とは恥ずかしくて言えず俯いていると、柳生さんは「そうなんですか…」と少し困った顔をした。
柳「確か、ここの裏にも出店がたくさん並んでいたな。そっちにいるんじゃないか?」
『え、』
柳生「人混みに女性1人では危険ですし、良かったらご一緒に行きませんか?」
『あ、ありがとうございます!』
正直1人で辿り着ける自信がなかったので、そう言ってもらえて本当に安心した。
丸「あ、あれ!綿飴じゃん!」
暫く歩いていたら、丸井さんが「見つけたぜー」と叫びながら走って行く。
仁「お前さんは食べないのか?」
『へ?は、はい…』
実は綿飴大好きだけど、でも、今そんなこと言えないし…
丸「ん!」
『え?』
丸井さんは綿飴を2つ持って戻って来て、片方を目の前に差し出した。
『?あの、』
丸「食いたそーだったから」
ニッと笑う丸井さんを見ながら、ゆっくりそれを受け取る。
『…ありがとうございます』
はむ、と一口食べると、甘い味が口の中に広がった。
『おいしい…』
本当においしくて、自然と口元が緩む。
丸「………」
切「どうしたんスか?先輩」
丸「別に…っ」
丸井さんがバッと顔を反らすのに?マークを抱きながら、頂いた綿飴をまた一口食べた。