お祭り
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『わぁ…金魚すくいだ』
数多く並ぶ出店を見て目を大きく見開きながらはしゃぐりん。
不「クスッりんちゃん可愛いね」
白「そやな」
リョ「………」
それとは逆に、リョーマはとゆうと不機嫌なオーラを身にまとっていた。
前を歩く白石を見据えながら、先ほどのりんとの会話を思い出す。
あんなに真っ赤になるのを初めて見た。
桃「どーしたんだよ、腹でも痛いのか?」
リョ「…別に」
さっきから食べてばかりいる桃城を見て、リョーマは深い溜め息を吐く。
リョ「桃先輩は能天気でいいっスね」
桃「お前…ケンカ売ってんのか?」
再び深い溜め息を吐いていると、なにやらりんが猛ダッシュで走って来た。
『お兄ちゃん!ヨーヨー釣りやろうよ』
りんが指差す先にはたくさんの小さな子供達でいっぱいだった。
正直あの中に紛れるには違和感を覚えたが、自分に向けられる期待に満ちた眼差しに勝てず、リョーマが頷こうとした時…
白「どれが欲しいん?」
『え、えっと…あのピンクのです』
りんの隣から顔を覗かせた白石は、お目当てのものを見て「あれか」と頷く。
白「ほな、おっちゃん1回な」
「はいよ」
『!あの、』
突然小さい子供達の輪の中に入り座り込む白石。
リョ「…俺がやる」
『え、お兄ちゃ「貸して」
それを見ていたリョーマは自分もしゃがみ、白石から道具を奪い取った。
それから欲しかったヨーヨーを釣り上げ、他にも違う色のものをいくつか取った。
周りからは拍手が起こり、「越前くんやるなぁ」と白石にも感心されたが、リョーマの表情は楽しんではいない。
リョ「はい」
『…ありがとう///』
渡されたヨーヨーを見て、りんは嬉しそうに微笑んだ。
不「あれ?可愛いヨーヨーだね」
『はい!お兄ちゃんが取ってくれたんです』
えへへと笑いながらリョーマを見れば、気まずそうにして帽子を深く被り直す。
『………』
不「?どうしたの?」
急に固まって一点を見つめるりんの視線を追うと、原因は射的屋にあることがわかった。
不「あの景品、可愛いね」
『…はい///』
景品として飾られてある、猫の小さなぬいぐるみ。
『(カルピンにそっくり…)』
可愛いなとりんがそれを見つめていると、不二は少し考えくるっと後ろを向いた。
不「白石、取ってあげたら?」
『ええ!!』
ニコニコと言う不二に驚く。
白「ええけど…外したらごめんな」
白石が射的屋の前まで来て、りんが慌てている間にも銃を構える。
一発で狙いを定め、弾は見事当たった。
白「はい」
『あ、ありがとうございます!』
猫のぬいぐるみをギュッと抱きしめ、嬉しそうに微笑むりん。
リョ「…俺もやる」
隣の銃を持ち、リョーマは景品を見渡す。
リョ「あの黒猫でいい?」
『う、うん』
さっきの猫の横に置いてある黒猫のぬいぐるみに狙いを定め、一発で落とした。
『ありがとう!』
わぁーと感激するりんを見て、リョーマは満足した様子だった。…しかし、
不「…りんちゃん、あれも好きそうだね」
『え?…わ、可愛い///』
ふわふわなうさぎのぬいぐるみを見て頬を染めていたら、白石とリョーマが同時に銃を構えた。
リョ「…白石さん、またやるんスか?好きっスね射的」
白「越前くんもずいぶん上手やん。手慣れしとるなぁ」
バチバチと火花が散りそうな雰囲気になる。
『あの、これ以上別にいらな……』
2人が放つ真っ黒なオーラを感じ取り、りんは口を挟めないと悟った。
不「クスッ楽しくなってきた」
慌てるりんの横には、楽しそうに微笑む不二がいたのだった。